「早く届く」支援で満足度アップ!おてらおやつクラブが配送単価増でもスピード重視へ方針転換

調査でわかった3つのポイント

  1. 既存世帯中心の支援体制
    2025年度は、事業の持続性を優先した結果、限られた予算を既存の支援継続に充てたため、新規世帯への積極的なアプローチは控えめになりました。これにより、調査対象世帯の8割以上が「おすそわけを2回以上受け取った家庭」となりました。

  2. 初回世帯へのスピード重視が成果に
    初めて「おすそわけ」を受け取る新規世帯に対しては、「できるだけ早く届ける」ことを重視した結果、「困ったときに助けを求められる」「孤立感や孤独感が和らぐ」といった主要な成果指標が、前回の調査を上回る結果となりました。

    早く届くこと自体が、支援の質や心理的な効果に良い影響を与えていることが示唆されます。

    初回層の心理変化グラフ

  3. 公的支援からこぼれやすい世帯の存在
    自由回答からは、賃上げなどで公的支援の対象から外れてしまったことへの戸惑いや、身近に相談できる場所がない不安、長引く物価高による生活の厳しさなど、声にならない困難が浮き彫りになりました。制度や支援の「対象」から外れやすい家庭ほど、その困難が見えにくくなっている現状が改めて示されています。

なぜ「早く届く」ことがこんなに大切なの?

おてらおやつクラブが特に注目したのは、初めて支援を受ける家庭に「早く届ける」ことで、すべての成果指標が向上した点です。

2024年度は配送費を抑えるため、できるだけ同じエリア内で発送する運用を徹底しました。しかし、その結果、申し込みから発送までに1ヶ月以上待つケースも発生し、支援を必要とする声にタイムリーに応えられない状況でした。これは、「声を上げて良いんだ」「誰かに受け止めてもらえている」「一人じゃない」と感じられる安心感を十分に届けられていなかった可能性があります。

この反省から、2025年度は初めて支援を受ける家庭には「スピード優先」の方針に転換。遠方のお寺からも「おすそわけ」を配送できるよう、配送システムのエリア制限を緩和しました。これにより、配送距離が伸び、1箱あたりの配送単価は135円上昇しましたが、この方針転換が成果指標の向上に貢献したと考えられます。

2024年度 寄贈・支援・配送拠点マップ

2025年度(関西エリアの例) 寄贈・支援・配送拠点マップ

見えにくい困難を抱える世帯の声

寄せられた自由回答の中には、公的な支援の網からこぼれてしまう家庭の切実な声がありました。

シングルマザーですが、今年度、初めて非課税から外れ、扶養手当も全部支給ではなくなってしまいました。住民税も引かれて子供の医療費もかかる。この状況では食糧支援などには申し込みが出来ません。
シングルマザーだけど「全部支給ではない=裕福」というわけではないと思うし、我が家は絶望していたので、おてらおやつクラブさんには感謝してもしきれません。シングルだけど非課税ではない中途半端な世帯にも、支援が行き届きますように。
(北海道/40代のお母さん/お子さん2人)

生活に余裕があるとは言えないにもかかわらず、公的支援の対象から外れやすい世帯の存在が、改めて浮き彫りになっています。

今後の支援の方向性

今回の調査結果を受けて、おてらおやつクラブは今後、以下の3つの方向性で支援のあり方を見直していくとのことです。

  1. 「スピード」を価値として定義
    「早く届くこと」は単なる効率化ではなく、困ったときに頼れる場所があるという安心感を届ける行為だと捉え直し、物流・運用体制を再設計します。

  2. デジタル・外部連携による支援基盤の拡張
    企業との直接配送連携やデジタル技術を活用し、「お寺からのおすそわけ」にとどまらない多様な支援の仕組みを構築。支援の持続可能性を高めます。

  3. 「伴走」の再定義
    初回の支援で生まれたつながりを一時的なものにせず、行政や地域団体との協力を深めます。お寺を地域のハブとして強化し、継続的な見守りと寄り添う支援を目指します。

調査概要と団体情報

今回の調査は、2025年11月1日から12月31日の期間にインターネットで実施され、全国の2,909世帯が対象となりました。おすそわけを希望し、事務局へ受け取り報告をした方々で、主に生活に困窮するひとり親家庭が中心です。

認定NPO法人おてらおやつクラブ

  • 所在地: 〒636-0311 奈良県磯城郡田原本町八尾765-1

  • 活動開始: 2014年1月1日

  • Webサイト: http://otera-oyatsu.club

認定NPO法人 おてらおやつクラブ ロゴ

関連情報

おてらおやつクラブは、今後も困りごとを抱えた家庭の気持ちに寄り添い、「たすけて」と気兼ねなく言える社会を目指して活動を続けていきます。

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