社会課題をAIで解決!行政AX専門AI「洛索」が学術知を再編する新時代を切り開く

「学術知のコモンズ」構想とは?

「洛索」は、Polimillが提唱する「学術知のコモンズ」構想を具体化したものです。この構想は、世界中の膨大な学術論文を、従来の学問分野(ディシプリン)ではなく「社会課題」に沿って再分類・再構造化し、行政の意思決定に直接役立てることを目指しています。

なぜ学術知の再編が必要なの?

これまで人類は3億本以上の学術論文を生み出してきましたが、それらは「物理学」「経済学」といった「知の生産者側の論理」で分類されてきました。しかし、「子どもの貧困」のような社会課題を解決するには、教育学、経済学、社会福祉学など、さまざまな分野の知見を横断的に統合する必要があります。現在の分類体系では、これらの知が分断され、相互参照が難しいという構造的な課題がありました。

また、日本には1,700以上の自治体があり、日々多くの政策判断が行われています。しかし、その判断を支えるべき学術知は、PDFなどの「人間が読むための形式」に留まり、機械が理解・活用できる状態ではありませんでした。この「知と実務の断絶」を埋めることが、「学術知のコモンズ」構想の出発点です。

この構想は、知識の座標軸を「学問分野(生産者の論理)」から「社会課題(利用者の論理)」へと転換させることを本質としています。これは、知の組織原理そのものを根本から再定義する試みと言えるでしょう。

知識基盤の4層構造

「学術知のコモンズ」構想が目指す知識基盤は、以下の4つの層で構成されています。

内容 現在の段階 今後の展開
第一層 検索コーパス 書誌情報・要約、法令・条例・白書等をRAGナレッジベースとして統合 構築済み 「洛索」として実装
第二層 構造化ナレッジ 法令間の相互参照、社会課題タクソノミー、判例・行政解釈の体系化 構築中 順次拡充
第三層 学習用データセット 専門家キュレーション、QAデータ、事例集をPost trainingなどに供する 設計段階 大学・AI企業と協働
第四層 評価ベンチマーク 法的解釈の正誤・引用正確性・網羅性を定量検証 設計段階 既存案件での知見を活用

「洛索」は、この第一層の初期実装にあたります。Polimillは、大学・研究機関・LLMメーカーとの協働を通じて、この知識基盤の構築を進めていく計画です。

行政AX専門AI「洛索(らくさく)」の概要

名称に込められた意味

「洛」は京都の雅称で日本の文化的な中心を、「索」は探索・索引を意味し、知を紐解くことを象徴しています。「洛索」という名前には、京都が培ってきた文化と知恵を、生成AIを通じて現代の行政に繋ぐという思いが込められています。また、「らくさく」という響きは、「楽に策を得る」という意味も持ち、複雑な都市行政の課題に対し、学術知に基づいた回答を簡単に得られるという実利も表しています。

京都から始まる理由

「洛索」の開発は、京都府内のQommonsAI利用自治体15団体からの切実な要望に応える形で進められました。都市計画・建築行政において、「根拠探し」と「条例の読み替え」という二つの共通課題が挙げられており、「洛索」はこれらの課題に正面から応える高性能RAG(検索拡張生成)専門AIとして設計されています。

「洛索」はQommonsAI上で無料で利用でき、2026年4月にβ版、6月に正式版が搭載される予定です。

網羅する法体系

「洛索」は、都市計画・再開発、建築、防災・安全、環境、インフラ、文化財・遺産保護といった広範な分野の法令・条例・基準を学習文献として束ねています。京都独自の条例も重点的に収集されており、地域に密着した行政支援を目指しています。

分野 主な学習対象法令・条例・基準
都市計画・再開発 都市計画法、都市再開発法、都市再生特別措置法、景観法、土地収用法
建築 建築基準法、建築士法、建築物省エネ法、建設業法
防災・安全 消防法、耐震改修促進法、バリアフリー法、災害対策基本法、土砂災害防止対策推進法(特定都市河川浸水被害対策法を含む)
環境 環境基本法、環境影響評価法
インフラ 河川法、道路法、水防法、土木工事標準仕様書、公共工事品確法、入札契約適正化法
京都市条例 まちづくり条例、地球温暖化対策条例、防災基本条例、環境基本条例、産業廃棄物の不適正処理防止条例
京都府条例 文化財保護条例、建築基準条例、木造建築物推進条例、府内産木材利用促進条例
文化財・遺産保護 国宝・重要文化財(建造物)指定基準、世界文化遺産条約、伝統的建造物群保存地区制度、埋蔵文化財保護法、文化財防災対策

高性能を支える技術的背景

「洛索」の高性能RAGとしての機能は、Polimillがデジタル庁の「法制事務における生成AIの活用等に関する技術検証」を受託した実績と、全国約700の自治体・省庁で利用される「QommonsAI」の運用で培った知見によって支えられています。これにより、法令の検索精度と引用の正確性、そして行政文書対応やセキュリティ対策が強化されています。

現場にもたらす具体的な価値

「洛索」は、開発許可、建築確認、許認可の照会、住民説明資料や稟議・答弁の下書きなど、多岐にわたる行政業務において、引用付きで「根拠が見える」回答を迅速に提供します。これにより、法令の見落としや手戻りを減らし、部署間の判断のばらつきを防ぎ、新任職員の業務習熟を加速させることが期待されます。根拠調査にかかっていた時間を、住民対応や政策の設計・改善といった本来注力すべき業務に振り向けることが可能になるでしょう。

カバーする社会課題領域

「洛索」は、「都市計画・建築・建設」という特定の学問分野だけでなく、そこに関わる多様な社会課題を横断的にカバーします。Polimillが定義した以下の6つの領域を統合しています。

社会課題領域 主な対象キーワード・法令
都市の持続可能性・環境 コンパクトシティ、エコシティ、都市緑化、再生可能エネルギー、資源循環、建築物省エネ法、環境影響評価法、地球温暖化対策
防災・レジリエンス 耐震設計、都市防災、防災計画、水防法、土砂災害防止、被災市街地復興特別措置法、密集市街地防災、災害対策基本法
文化財・歴史的景観の保全 文化財保護法、世界文化遺産条約、伝統的建造物群保存地区制度、埋蔵文化財保護法、歴史的風致の維持向上
住宅政策・生活の質 バリアフリー法、住宅品質確保法、長期優良住宅法、住宅瑕疵担保履行法、住宅政策
インフラ・公共工事ガバナンス 公共工事入札適正化法、品質確保法、建設業法、土木工事標準仕様書、道路法、河川法、水道法
都市社会学・まちづくり 都市社会学、都市経済、都市再開発、景観法、まちづくり条例、都市再生特別措置法、都市空間設計

これにより、自治体職員は一つの対話インターフェースから、分野横断的な学術知にアクセスできるようになります。

QommonsAIは行政AXのデファクトスタンダード

QommonsAI(コモンズAI)は、「生成AI」「ナレッジ」「コンピテンシー強化」の三位一体で行政AX(行政トランスフォーメーション)を推進するプラットフォームです。現在、全国約700の自治体、25万人以上の行政職員に利用されており、2026年末までに1,200自治体・80万ユーザーへの拡大を目指しています。

QommonsAIは、単なるチャットAIにとどまらず、行政文書、学術論文、白書、オープンデータ、内部データを統合的に収集・分析する「ナレッジ」基盤を特徴としています。「洛索」は、このQommonsAIのナレッジ基盤を象徴する専門AIの一つです。

歴史的意義

過去にも知の分類・体系化は文明の転換点となってきましたが、それらは既存の学問体系に依拠していました。Polimillの「学術知のコモンズ」構想が根本的に異なるのは、知の分類そのものを「社会課題の解決」という目的に最適化し、AIを通じて行政職員が日常的にアクセスできる「生きた知」として社会に実装する点です。これは世界的にも前例のない取り組みと言われています。

このプロジェクトは、億単位の論文を社会課題に沿って再構造化し、自治体の業務で使えるレベルまで精度を高めるという、非常に困難な挑戦です。しかし、世界に先駆けて超高齢化、人口減少、地方消滅、財政制約といった課題に直面する「課題先進国」である日本だからこそ、学術知を実用的な社会課題分類へ転換する動機が生まれています。さらに、QommonsAIという約700自治体への社会実装チャネルがすでに存在することも、このプロジェクトが日本から始まる必然性を示しています。

Polimillについて

Polimill株式会社は2021年2月の設立以来、「人類が蓄積してきた知的資産を、公共の意思決定のために再編成する」という使命のもと、社会の意思決定の質を変えるインフラを構築してきました。これまで、多様な意見を可視化するプラットフォーム「Surfvote」や、行政AXプラットフォーム「QommonsAI」を提供してきました。これらは、分散し、断絶し、活用されずにいた知を、社会全体で共有可能な形に変換するという共通の志から生まれたものです。

Polimillは、設立5周年を迎え、「洛索」のリリースを皮切りに、都市計画・建築・建設領域から社会福祉、持続可能性、医療・健康、教育・文化、防災・安全、経済・産業、法律・行政といったQommonsAIが定義するすべての社会課題領域へ、この構想を順次拡大していく予定です。

人類が数百年にわたって蓄積した学術知を、生成AIを介して行政の意思決定に直接つなげる。Polimillは、この文明史的な翻訳作業を遂行していくとしています。

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