フィランソロピー活性化へ!国会議員・NPO・専門家が寄付税制の課題を議論

開催背景:日本が直面する「フィランソロピーの課題」

PoliPoliが社会課題解決のための寄付基金『Policy Fund』を運営する中で、NPOの皆さんから「寄付を阻む日本の制度的障壁」に関する声が多く寄せられたとのことです。特に制度の複雑さが、個人からの大口寄付や企業からの物品寄贈を難しくし、資金が社会課題の解決に届きにくい状況があるようです。

今回の意見交換会では、まず米日財団から米国と日本のフィランソロピーの現状が共有され、続いて新公益連盟が、NPOが社会課題解決の「フロンティア」として機能するための制度改正提言を行いました。

PoliPoliは特定の主義・主張を支持するのではなく、政策を創り出すためのプラットフォームとして、今後も多様なステークホルダーとの対話の場を継続的に開催していく予定です。

米日財団からの情報提供

米日財団の発表の様子

米日財団は、日本とアメリカの友好関係を強化し、両国の課題解決に取り組む独立系の財団です。1980年の創立以来、助成金総額は100億円以上に上ります。同財団からは、米国と日本におけるフィランソロピーの「量」と「質」について、以下のような現状が報告されました。

  • 日本は資産家が世界で5番目に多いにもかかわらず、所得に対する寄付額の割合は100カ国中100位と最下位(アメリカは46位、韓国は58位)

  • 日本のNPOが直面する制度的障壁

    • 人件費に活用できる資金が限られており、NPO経営者の平均年収は日米で大きな差がある(日本:約570万円、米国:約2,000万円)

    • 寄付金控除の繰越制度がなく、大口寄付の誘因になりにくい。特に災害時などの緊急性の高い状況で巨額の資金が集まりにくい

    • 寄付者が寄付金控除を受けられる認定・特例認定NPO団体が少なく(全NPOの約2.6%のみ)、寄付先が限定されてしまう

日米のNPO寄付金控除制度の比較

日米の寄付金繰越控除制度の比較

新公益連盟による提言

新公益連盟の発表の様子

日本国内のNPO・社会的企業が200団体以上加盟する新公益連盟からは、共同代表の李 炯植氏より8つの提言が行われました。主な提言は以下の通りです。

  • 食料品以外の物品寄贈・寄付の全額損金算入

  • みなし譲渡所得課税の税制改正

  • 遺贈寄付に関する障壁の改善

新公益連盟による提言目次

これらの提言によって、「民間資金がより地域の社会課題解決に流入しやすくなる」「地域自治体で活動する非営利事業者の事業安定化が見込まれる」、そして「企業による寄付が促進され、寄付文化・土壌が醸成される」ことが期待されています。

出席者からのコメント

意見交換会では、出席者からも様々なコメントが寄せられました。

重徳和彦 衆議院議員(立憲民主党 税制調査会会長)

重徳和彦衆議院議員

「課題のフロンティア」を担うNPO活動を支える税制にすることが、日本を「課題解決先進国」にする上で重要だと考えています。提言を聞いて、税制のハードルが高いものもあれば、低いものもあると感じました。特に遺贈寄付において、認定NPO法人が認定を失効した場合に最大2年遡って課税される仕組みなどは、なぜそこまで追いかけるのか疑問に思います。今回の提言を党内で真剣に議論したいと考えており、今後も連携できると嬉しいです。

関口宏聡 氏(NPO法人セイエン代表)

物品寄付において、日本ではフードバンク税制という税制緩和の前例があるにもかかわらず、食料品以外には対象を拡げられていません。災害時は衣類などを全額損金算入できますが、平時でも困っている人はおり、EUでは廃棄よりも寄付が優先される仕組みが整っています。日本のNPOを取り巻く環境も、より社会的なインパクトを最大化できる仕組みへと進化させていく必要があると考えます。

高橋飛翔 氏(ナイル株式会社 代表取締役社長)

スタートアップの世界では、エコシステムとして資金調達のハードルを下げ、挑戦を促す仕組みが整っていますが、NPOの世界はその逆で、ハードルを上げ続けています。NPOは「非営利業界のスタートアップ」であり、参入障壁を下げるべきです。コーポレートガバナンスコードへの公益活動の組み込みなど、企業資金を公益活動に誘導する流れを推進していきたいです。

脇坂誠也 氏(税理士、NPO会計税務専門家ネットワーク 理事長)

認定NPO法人制度は「取得の難しさ」「維持の困難さ」「軽微なミスでの即時失効リスク」という3つの問題を抱えています。認定の取得・維持における寄付者名簿の作成は業務コストが高く、電子決済サービスで寄付される方々の氏名・住所の把握・証明などの実務的な負担は重すぎます。特に更新時にミスをするといきなり認定失効となるリスクは、法律改正なしに運用の柔軟化で対応できる部分もあると考えます。

経過と今後の展望

意見交換会後、2025年12月5日に発表された立憲民主党「2026(令和8)年度税制改正についての提言」には、遺贈寄付の適正化等について記述が見られました。

今回の意見交換会で得られた提言と各界の意見を元に、PoliPoliは引き続き、国会議員・NPO・専門家等の皆さんと連携しながら、情報発信と議論の場づくりを継続していくとのことです。

『Policy Fund(ポリシーファンド)』について

Policy Fundの仕組み

Policy Fund』は、政策を軸に社会課題解決を加速するための寄付基金です。起業家などの個人や国内外の財団などから寄付を集め、少子高齢化や貧困問題など、取り組みたい課題ごとに基金を設立します。集まった寄付金は、その課題に取り組む社会的企業やNPOなどの団体に渡され、解決に向けた取り組みや研究、そして政策立案や提言に活用されます。

PoliPoliがこれまで培ってきた政策共創のノウハウを活かし、政策提言の伴走支援も行っています。寄付者には経済的リターンはありませんが、社会に対するインパクトがリターンとして返ってくる仕組みです。

会社概要

PoliPoliロゴ

会社名:株式会社PoliPoli
代表者:伊藤和真
所在地:東京都千代田区
設立:2018年2月
企業理念:新しい政治・行政の仕組みをつくりつづけることで、世界中の人々の幸せな暮らしに貢献する。
コーポレートサイト:https://www.polipoli.work/

事業内容:

現在、事業開発(『Policy Fund』責任者候補)をはじめ、採用募集中です。

関連記事

  1. 「教室は変わった、次は「組織」だ!」企業経営者と学校管理職がDX組織の進化論を学ぶ無料オンラインセミナー開催!

  2. エスプールが経営管理プラットフォーム「DIGGLE」を導入!集計作業を効率化して成長戦略に集中へ

  3. 就労継続支援B型と職人の協働プロジェクト「中華鍋開発」が最終局面へ!お得な情報も続々公開中

  4. 「TGC in あいち・なごや 2026」追加出演者発表!嵐莉菜、NANO(IS:SUE)、莉子、樋口幸平らが登場!iznaメンバーもランウェイデビュー!

  5. 地域を元気に!中小自治体をサポートする新プロジェクト「KINBAN」が2025年12月15日始動!

  6. 兵庫県朝来市でセミナー開催!MEOとAI活用で“見つかる町づくり”を目指す

ツールバーへスキップ