山形県遊佐中学校とカンボジアの交流「なかよし文房具プロジェクト」が熱い!活動報告会で素敵な学びの循環が明らかに

“世界とつながる学び”ってどんな感じ?

この活動報告会は、全国の学校やフリースクールでのグローバル教育や探究学習の事例を共有し、教育現場で役立ててもらうことを目指して続けられています。教育現場の「次の一手」につながる学びの循環(CoRe Loop:共創→実装→里帰り→再設計)を広げています。

遊佐中学校×カンボジア「なかよし文房具プロジェクト」の魅力

Vol.6では、遊佐中学校の今野大輔先生が、なかよし学園のメンバーとしてカンボジアでの活動に参加し、遊佐中学校と協働で進めた「なかよし文房具プロジェクト」について報告しました。

文房具を贈るだけじゃない!“学びたくなる仕掛け”をプラス

このプロジェクトでは、遊佐中学校2年3組を中心に文房具を集めましたが、ただ寄付するだけでなく、受け取る子どもたちの学びを応援する「教材化」の工夫が凝らされていました。

  • ノートの最初の1ページに、手書きのメッセージを添える

  • イラストや「日本の紹介」を加えて、交流のきっかけを作る

  • “支援物資”を“未来の架け橋教材”として設計し、探究・総合学習の成果物を海外で実装する

寄付された本や文房具を囲む人々の笑顔

交換ノート「PEACE NOTE」で心をつなぐ

特に印象的だったのは、「PEACE NOTE」と名付けられた交換ノートの取り組みです。

  • 左ページ:遊佐中学校の生徒が、相手に届く言葉でメッセージを書く

  • 右ページ:カンボジアの子どもたちが寄せ書きで返信する

完成したノートは、遊佐中学校の図書室に展示され、学校全体の学びの財産として循環する仕組みが作られました。文房具を送って終わりではなく、現地の反応が教室に“里帰り”し、次の探究へとつながることで、学習の深まりや「自分にもできるんだ」という自己肯定感を育む効果があったそうです。

カンボジア旅行ガイドと学生の国際交流プロジェクト資料の展示

地域と世界をつなぐ、次なる挑戦へ

遊佐中学校では現在、PCルームを地域の人々や地場産業、地域おこし協力隊などが活用するプロジェクトも計画中です。今野先生は、このプロジェクトを進めながら遊佐町の町おこしにも関わっており、そこで作られた教材や商品を「世界とつなぐ」役割をなかよし学園が担うモデルを設計しています。

学校を地域とつなげ、地域で生まれた価値を世界へ届け、世界の反応を地域に返す――教育をきっかけに、地域と世界が行き来する取り組みとして、今後の発展が期待されます。

プレゼンテーションの様子

先生たちの声から見えてくる、学びの深さ

今野大輔先生のコメント

「2年3組の“文房具プロジェクト”は、ただ集めて届けるだけでなく、ノートに平和をイメージしたイラストとメッセージを書き込み、“学びたくなる価値”を付けて届ける挑戦でした。実際にカンボジアで子どもたちに渡し、右ページに『Peaceノート』として返事を書いてもらうと、戦闘機や戦車、そして “I need peace” という言葉が描かれ、日本の子どもたちが思い描く平和との違いを強く感じました。

この“里帰り”を2年3組にフィードバックできたことが、生徒一人ひとりの自己効力感(自分にもできるんだ)や幸福感につながったと実感しています。『やって終わり』ではなく、Peaceノートを図書室前に展示し、3年生や不登校の生徒にも広げながら、ノートを通して平和を深める活動を続けていきたいです。

カンボジアでは、住所もなく“最も届けるべき人”に届ける難しさなど、ニュースでは見えない現実も目の当たりにしました。だからこそ、地域や仲間と連携しながら、本当に必要な人へ届ける仕組みづくりが大切だと学びました。

現地で見た『education is the hope for positive change(教育は前向きな変化をもたらす希望)』という言葉を胸に、遊佐町の地域づくりと学校の学びを結び、世界とつながる学びをさらに広げていきます。」

東南アジアでプレゼントを受け取った子供たちの喜び

なかよし学園プロジェクト代表 中村雄一氏のコメント

「日本の教室で生まれた探究の成果が、世界の学びの現場で“実際に使われ”、そこで生まれた子どもたちの声や表情が、もう一度日本の教室に“里帰り”してくる——。この往復が起きた瞬間、子どもたちは初めて、自分の学びが“成績のため”ではなく、“誰かの明日”を支える力になり得ることを体で理解します。

遊佐中学校の実践は、文房具という誰もが手に取れる身近な題材を、ただの支援物資で終わらせず、メッセージやイラスト、PEACE NOTEという仕組みによって、相手の学びを引き出し、交流を生み、さらに次の探究へとつなげました。ここにあるのは『善意』ではなく、『設計された学び』です。届けた先の現実に触れ、価値観の違いに出会い、言葉を選び直し、自分たちの表現を磨き直す——そのプロセスそのものが、探究であり、平和教育であり、未来の社会づくりです。

そして何より大切なのは、支援する側/される側という線引きを越えて、子どもたちが“対等な学び手”として世界と向き合うこと。遠い国の出来事が、突然『自分の問題』になる。無力だと思っていた自分に、確かな役割があると気づく。そこから生まれる自己効力感こそ、次の行動を生み、次の平和をつくります。

私たちはこれからも、願う平和から行動する平和へ——。一度きりのイベントで終わらせず、教室と世界の間に循環をつくり、学びを社会の力へ変えていきます。子どもたちの小さな一歩を、世界につながる確かな足跡へ。教育で、その循環をさらに熱く、広く、強く広げていきます。」

遊佐中学校での講演会

「世界とつながる学び(CoRe Loop)」って何?

これは、全国の学校やフリースクールなどで生まれた探究・総合学習の成果物を、海外(アフリカ・中東・アジアなど)の教育・人道支援の現場で実際に使ってもらい、現地の反応を教室へ還元する、行き来型のモデルです。年度内に複数回の“里帰り(Return)”の機会を設け、学びを再設計(Redesign)していくのが特徴です。

「世界とつながる学びプロジェクト」のサービス内容説明資料

団体概要

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、千葉県松戸市に拠点を置き、代表は中村雄一氏です。教育支援・平和/防災教育、探究学習の設計運用、海外(アフリカ・中東・アジア)での教育協働といった事業を展開しています。

関連リンク

本件に関するお問い合わせは、特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(Email:peace.office@nakayoshigakuen.org)まで。

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