名古屋での実績、そして東京へ!
LivEQuality大家さんはこれまで、名古屋市で「住まい」と「つながり」を組み合わせた独自の居住支援モデルを築き上げてきました。特に、経済的・社会的に孤立しがちなひとり親家庭(シングルマザー世帯)を対象に、ただ家を提供するだけでなく、親子が安心して暮らせる環境づくりに力を入れてきた実績は、アフォーダブル・ハウジング事業の先駆けとして高く評価されています。
その実績が認められ、東京都が主導する官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンドの運営事業者に選定されました。これにより、家賃高騰や子育て環境の整備といった都市の課題に対応するため、支援対象をこれまでのひとり親家庭から「子育て世帯」全般に広げ、事業エリアもいよいよ首都圏へと拡大していきます。
画期的な資金調達スキーム「GP出資連動型トラッキングストック」とは
今回の資金調達は、行政の資金(東京都連携ファンド)、民間財団のリスクマネー(SIIF)、そして民間投資家の資金を組み合わせる「ブレンデッド・ファイナンス」という、とっても先進的な取り組みです。公的な資金が比較的低い収益性を許容し、財団からの資金がリスクを補うことで、民間投資家のリターンを大きく損なうことなく、アフォーダブル住宅ファンドの目的達成を目指す仕組みになっています。
LivEQuality大家さんの持つ「現場の実践知」が、異なる性質の資金を結びつけ、社会課題解決に向けて効率的に循環させる、まさに画期的なスキームと言えるでしょう。
ブレンデッド・ファイナンスの先進事例
「トラッキングストック」とは、会社全体の業績ではなく、特定の事業部門や事業の業績に連動して配当などの経済的なリターンが決まる株式のこと。この資金調達では、LivEQuality大家さんが行う「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」へのGP出資(分配順位は最劣後)から得られる分配に限定してリターンが連動するよう設計されています。
ソーシャルファイナンスの課題を解決
LivEQuality大家さんのようなソーシャルスタートアップが大規模な官民連携ファンドを組成する際、事業者自身が拠出する「GP出資(運営者自身のリスクマネー)」の確保が大きな壁となることがあります。今回、SIIFがこのGP出資部分のリスクをトラッキングストックという形で支援することで、現場の志とノウハウを持つプレイヤーが行政ファンドの担い手になれる、という新しい道筋を示しています。
ミッションドリフト防止の取り組み
事業が大きくなっても、アフォーダブルハウジングの根幹である「居住支援を通じた入居者の尊厳回復、生活再建、経済的自立」といった社会的意義が失われないよう、本契約には厳格なミッションドリフトを防ぐための条項が盛り込まれています。入居者への温かいまなざしを経営の最優先事項としつつ、経済合理性と社会的インパクトの両立を目指す体制が構築されます。
業界全体のシステムチェンジを推進
今回の資金調達と同時に結ばれた戦略協定には、アフォーダブルハウジングを広く普及させるための環境整備に関する取り組みも含まれています。LivEQuality大家さんが培ってきた「住まい」と「つながり」を組み合わせる日本版アフォーダブルハウジングの知見を共有し、業界全体の標準化や制度面での議論を活発にすることで、持続可能な「社会インフラ」としてのエコシステム形成を後押ししていきます。
関係者の声
一般財団法人社会変革推進財団 常務理事 工藤七子様のコメント

「LivEQuality大家さんが名古屋で展開してきた『住まい』と『つながり』を組み合わせる取り組みは、これまで賃貸市場で十分な受け皿がなかった世帯に新たな選択肢を提示してきました。本件は、そのモデルを一地域の実践にとどめることなく、アフォーダブルハウジングを持続可能な仕組みとして社会に広げていく重要な一歩であると受け止めています。SIIFは、本件を通じて住宅を起点とした家庭格差課題の構造的な解決と住宅市場のあり方そのものに変化を促す挑戦に貢献してまいります。」
株式会社LivEQuality大家さん 代表取締役 岡本 拓也のコメント

「『”住まいとつながり”が人生を変え、社会を変える』。私たちが名古屋ではじめたアフォーダブルハウジングの事業から学んだことは、人は『住まいとつながり』があれば、何度でも人生をやり直せるということでした。
今回、東京都の官民連携アフォーダブル住宅ファンドのGPとして選定されることにより、この活動を首都圏の子育て世帯全体へと広げる機会をいただきました。
対象やエリアが広がっても、私たちが大切にする『入居者へのまなざし』は変わりません。むしろ、最も困難な状況にある方々に寄り添ってきた経験があるからこそ、東京の多様な家族の悩みに応えられると信じています。
東京都官民連携アフォーダブル住宅ファンドのGPという重責を担うにあたり、最劣後となるリスク負担と資金面の課題を、全く新しい発想で共に突破してくださったのがSIIF様です。私たちの『現場への想い』に深く共鳴しつつ、前例のない『GP出資連動型のトラッキングストック』という金融スキームに共に昇華させて投資を実現する専門性と社会変革への執念は、まさに日本のインパクト投資を牽引するトップランナーそのものです。この上なく心強いパートナーと共に、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて邁進してまいります。」
LivEQuality大家さんってどんな会社?
LivEQuality大家さんは、「住まいに困っている人たちに、低価格で心地よい住宅と社会とのつながりを届ける」ことを目指す会社です。経済性と社会性の両方を追い求める「日本版アフォーダブルハウジング」を事業の柱としています。
DVや離婚などで住まいを失ったひとり親家庭は、行政からの支援を受けにくいことも多く、仕事が見つからないと家も借りられないという「負のスパイラル」に陥りがちです。公営住宅は倍率が高く、低価格の住まいはアクセスが悪かったり老朽化していたりすることがほとんどで、ひとり親家庭が尊厳を保ちながら自立できるような住居が不足しているのが現状です。
そこでLivEQuality大家さんは、都市部の好立地にあるビルを購入し、老朽化した部分を修繕・リフォーム。物件全体の収益性を保ちつつ、一部を相場より安く貸し出すビジネスモデルを展開しています。これにより、就業機会にアクセスしやすく、清潔で便利な個室をひとり親家庭に低賃料で提供しています。
これまでに受け入れたひとり親家庭は32世帯77人。そのうち5分の1は外国籍の方々です。DV避難下での転入支援や保育園の申し込みなどの行政手続きの同行、地域とのつながりづくりまで、手厚い伴走型支援を提供しています。その結果、入居後半年以上経過したひとり親家庭の就業率は80%を超え、就業、生活再建、離婚手続き完了など、自立への道を力強く歩んでいます。
会社概要
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会社名:株式会社LivEQuality大家さん
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所在地:愛知県名古屋市熱田区千年一丁目11番3号
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設立:2022年11月
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資本金:2億7801万円(資本準備金を含む)
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代表取締役:岡本拓也
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取締役:宮崎真理子、須田元雄(公認会計士)、西田亮正(弁護士)
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監査役:溝渕雅男(弁護士)
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事業内容:シングルマザー向け住宅の調達と提供(日本版アフォーダブルハウジング)
お問い合わせ先
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メールアドレス:lq_ooya_info@livequality.co.jp(髙橋)
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電話番号:052-387-8177(千年建設株式会社内)



