子どもたちの未来を脅かすサイクロン
サイクロン「ゲザニ」の影響で、少なくとも6,000人の子どもたちが避難を余儀なくされ、約2万9,000人が学校に通えない状況です。速報によると、全体で27万人以上が被災し、1万6,000人以上が避難しています。被災者の多くは子どもたちです。
特に被害の大きかったアチナナナ県、中でも主要港湾都市であるトアマシナでは、家屋の損壊により多くの家族が過密状態の避難所に身を寄せています。これにより、何千人もの子どもたちが家族と離ればなれになり、暴力や搾取、心理的トラウマといった保護上のリスクにさらされているとのことです。
ユニセフ・マダガスカル事務所代表のクリスティーヌ・ジョルム氏は、「多くの家族が家を失い、子どもたちは極めて辛い経験をしています。サイクロンは、安全な水や保健ケア、保護、学校教育といった子どもたちに必要な基本的なサービスも途絶させました。ユニセフはマダガスカル政府と協力して、これらのサービスを可能な限り迅速に復旧させ、子どもたちがこの数週間で直面するであろうさらなるリスクを減らすよう取り組んでいます。しかし、そのためには、緊急の資金と協力が必要です」と述べています。

インフラへの深刻な影響とユニセフの緊急支援
大規模な停電は市内の給水を途絶えさせ、水系感染症の発生リスクを高めています。また、2つの大学病院と21の保健センターが被害を受け、うち2施設ではワクチンの低温物流システム(コールドチェーン)が中断し、命を守るためのケアが困難になっています。教育面では、35の学校が被害を受け、563の教室が屋根を失い、218の教室が全壊しました。これにより、多くの子どもたちが安全に学ぶ場を奪われています。
マダガスカル政府は国家災害危機管理局を中心に人道支援パートナーと連携し、対応を主導しています。ユニセフも国および地方当局、他の国連機関と連携し、サイクロン上陸前から緊急対応を開始し、迅速に活動規模を拡大しました。
これまでの支援活動として、2,400人に浄水用品、178世帯に水と衛生関連キット、1,000世帯に2,000張の蚊帳が配布されました。また、6万人を1カ月支えられる緊急医療キットを配備し、ワクチンの確保や病院の継続運営も支援されています。現在、最大1万4,000人の生徒が学べる仮設学習スペースの設置が進められており、訪問支援チームが子どもの保護サービスの利用を促すべく家族のもとへ出向いています。

ユニセフは、サイクロン被災後の子どもの安全や健康を守るために、安全な水と衛生習慣、栄養と母乳育児、子どもに対する暴力の防止、無料ホットライン930を含む支援サービスに関する啓発メッセージも広く発信しています。
複合的な危機と国際社会への資金要請
サイクロン「ゲザニ」は、マダガスカルが今月初めのサイクロン「フィティア」の被害に対応し、加えて北西部で続くエムポックス(Mpox)の感染拡大にも対処している最中に発生しました。この複合的な危機により、国の対応能力や全国の基本的なサービスは大きな負荷にさらされています。
初期対応は国連中央緊急対応基金(CERF)からの約90万米ドルの拠出で可能となり、サイクロン上陸前の早期行動が実現しました。しかし、被害状況の把握が続く中、人道的ニーズは依然として高く、被災した子どもや家族への支援を継続させるためには、今後数週間のうちに追加支援が必要です。
ユニセフは、命を守る支援を拡大し、子どもとそのコミュニティのための早期復興を進めるため、国際社会に840万米ドルの資金を要請しています。
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