茨城フォーラム2026開催!地方のエネルギーマネジメント、どう社会実装する?産官学が大集合で本音トーク!

茨城フォーラム2026、地方のエネルギーマネジメントを熱く議論!

2026年1月30日(金)、茨城県県南生涯学習センターで「茨城フォーラム2026『地方部でのエネルギーマネジメント』」が開催されました! 麗澤大学が主催したこのフォーラムには、茨城県、土浦市、かすみがうら市、稲敷市、阿見町の自治体職員をはじめ、筑波大学、茨城大学、関彰商事株式会社、関東鉄道株式会社、三菱地所設計など、さまざまな立場から約70名が参加。地方におけるエネルギーマネジメントやモビリティの課題解決に向けて、産官学が一体となって議論を深めました。

麗澤大学は、北海道天塩町や長崎県平戸市、そして関彰商事株式会社や関東鉄道株式会社と包括連携協定を結んでおり、教育・研究の両面から地域課題の解決に力を入れています。今回のフォーラムでは、これらの連携で培われた各地のリアルな実践事例や現場の声が共有されました。

グローカルな視点で社会実装を目指す!

フォーラムの冒頭では、麗澤大学の徳永澄憲学長が、大学と土浦市をはじめとする常磐線沿線地域の深いつながりに触れつつ、地域モビリティというローカルな課題と脱炭素というグローバルなテーマを合わせて議論する意義を強調しました。グローカル人材の育成や文理融合教育を進める大学として、産官学連携を通じて地域に貢献したいという思いが語られました。

続いて、内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の研究開発代表者である東北大学の安東弘泰教授が趣旨説明に登壇。SIPがSociety 5.0の実現を目指し、バックキャストで社会的課題を設定し、基礎研究から社会実装までを一気通貫で進める、府省連携・産学官連携の取り組みであることを紹介しました。特に、社会実装を前提とした枠組みであることが強調され、「スマートエネルギーマネジメントシステムの構築」を広く展開する上での障壁と突破口について、現場の参加者との率直な議論を呼びかけました。
講演会の様子

安東教授は、地方部での小規模な分散型太陽光発電の広がりと、それに伴う余剰電力の活用や系統制約、交通空白といった課題が複雑に絡み合う現状を指摘。「理想と現実の差を認識し、持続可能性を含めて議論することが重要」と語りました。

地域課題を「自分ごと」として捉える!研究発表からのヒント

研究発表では、各地域の具体的な事例を通じて、現場のリアルな声と社会実装に向けたヒントが共有されました。

  • 一般社団法人スマートシティ社会実装コンソーシアム 運営委員 前田奨一氏

    • レジリエンス分科会の報告として、インフラ老朽化、人流データ活用、ウォーカブルプロジェクトなど、複数の課題を組み合わせることで技術導入の道筋が見えてくる可能性が示されました。
  • 北海道天塩町企画商工課 菅原英人氏

    • ドライバーの高齢化や人口減少で公共交通維持が困難な中、ICTを活用してマイカーの空席を「見える化」し、相乗りプラットフォームを構築した事例を紹介。高齢者向けの電話相談窓口が利用促進につながった一方、少数ドライバーによる運用体制やインセンティブ維持、デジタルデバイドなどの課題も浮き彫りになりました。
  • 長崎県平戸市財務部企画課 地域振興班長 植野健治氏

    • 都市部前提のMaaSやAIオンデマンドの仕組み(スマートフォン操作やキャッシュレス決済など)が、要支援に近い住民が増える過疎地域の実情と合わないことを指摘。互助の仕組みにMaaSを「混ぜていく」視点や、いきなり最終形を目指さず中間解を設計することの重要性が強調されました。
  • 熊本県商工労働部産業振興局 エネルギー政策課長 吉澤和宏氏

    • 阿蘇地域でのメガソーラー立地問題や県が推進する「くまもとゼロカーボン行動ブック」の事例を挙げ、再生可能エネルギー導入と景観・防災・地域受容の両立の難しさを紹介。再エネ導入の進展とともに顕在化する出力制御(抑制)の課題に触れつつ、昼間の余剰電力活用、系統整備、水素等による貯蔵活用、そして「促進」と併せた「抑制」の見える化の必要性が提起されました。
  • 関東鉄道株式会社 関連事業部長 矢野友亮氏(つちうらMaaS推進協議会)

    • AIデマンドバスやグリーンスローモビリティの実証を通じて、運転手不足という危機感から「アプリを作ることがゴールではない」と強調。産官学連携による交通データ解析でエビデンスベースの交通再構築を目指し、MaaSが乗り換え等で生じる分断をデジタルでつなぐ役割を果たすと整理しました。
      プレゼンテーションの様子

実証から実装へ!「ギャップ」と「継続性」を乗り越えるには?

パネルディスカッションでは、「実証から実装へ――”ギャップ”と”継続性”」をテーマに、産官学のパネリストが白熱した議論を繰り広げました。

  • パネリスト陣

    • 関彰商事株式会社 執行役員 総合企画部長 上村 祐一 氏

    • 筑波銀行 営業副本部長 渡辺 一洋 氏

    • 東北大学 教授 安東 弘泰 氏

    • 慶應義塾大学 教授 粟野 盛光 氏

    • WILLER株式会社 社長室 マネージャー 箱田 大輔 氏

    • 東急建設株式会社 土木事業本部 新事業開発部 次長 伊藤 誠 氏
      エネルギーマネジメントに関するパネルディスカッションの様子

民間企業からは、補助金依存からの脱却や、利用頻度、単価、運行の簡素化といった事業性の課題が提示されました。金融機関からは「実証の次をどう描くのか」という出口戦略や、実証と現場ニーズのギャップが課題として共有されました。WILLER株式会社の箱田氏は、警察等との調整を含め、実装段階ならではのリアルなハードルを挙げ、「まずはやってみないと分からない」という現実を語りました。一方、東急建設株式会社の伊藤氏からは、バイオマス導入における立地調整や地域住民の理解を得る難しさ(NIMBY問題)が語られ、地域の理解醸成が非常に重要であることが示唆されました。

筑波銀行の渡辺氏は、茨城県内での豊富な地域連携の経験から、実証実験でのエリア設定の難しさや、自治体・企業・住民を巻き込む調整の大切さを説明。東北大学の安東教授は、理論の「簡略化」と現場適用時の障壁との間に矛盾があることに触れ、現場の声を理論に取り込みながら、持続可能性を追求していく必要性を強調しました。

地域にとって「意味があり、明日も続く仕組み」を!

フォーラムの締めくくりには、茨城県都市計画審議会会長の中川喜久治氏よりコメントが寄せられました。天塩町や平戸市といった課題先進地での取り組みや、SIPを通じたアカデミア連携の意義に触れ、このフォーラムが今後の茨城県のまちづくりや地域政策を考える上で、たくさんのヒントを与えてくれたと総括されました。
会議室で聴衆が座っている様子

今回のフォーラムは、エネルギーやモビリティという個別のテーマだけでなく、人口減少、交通空白、災害対応、地域受容といった複合的な課題を前に、産官学が共通の危機感を共有する貴重な機会となりました。そして、「地域にとって意味があり、明日も続く仕組み」をどう作っていくか、みんなで問い直すきっかけになったことでしょう。

麗澤大学は、これからも研究成果の社会実装を支える学術的な知見を提供しつつ、地域と共に学び、実装を担う人材を育む拠点として、議論と連携をさらに深めていく方針です。

麗澤大学WEBサイトはこちら: https://www.reitaku-u.ac.jp/

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