会談実現までの道のり
ingo PEACE.はこれまで、民間人道支援の立場から「人間の尊厳」を共通の基盤とし、現地の人々の声を大切にした対話と活動を続けてきました。具体的には、困難な状況にある地域での食料輸送ルート確保のための宗教・国際連帯の推進、刑務施設での衛生改善や人道的な配慮、さらには重大な刑事事件に対する無償の法務支援など、さまざまな人権プロボノ活動を行ってきました。
また、2025年11月にはミャンマーの宗教界代表団を日本に招き、民主化支援フォーラムを開催。民主化が誰のために進められるべきか、そして現地で選択肢を持たない人々の声がどのように守られるべきかについて意見交換を行いました。こうした長年の活動と連携を通じて蓄積された、現地社会、特にどうすることもできない状況に置かれた人々の現実に関する知見が、今回の暫定政府との公式会談実現へとつながったとのことです。
公式会談で伝えられたこと
今回の会談は、暫定政府の国家防衛安全保障会議の最高責任者であるアウン・リン・ドゥエ氏との直接対話として行われました。ingo PEACE.の代表使節団は、民主化に関する陳情書を提出し、「人間の尊厳」を基盤とする社会のあり方について、これまでの人道支援活動で把握してきた現地住民の声を共有しました。
代表使節団は、民主化を進める上で、発言力や影響力の大小で意見が選別されるのではなく、現地でどうすることもできない、最も弱い立場の人々の視点こそが、最初に考慮されるべき基準であると強調しました。また、それぞれの立場にはそれぞれの正義があるものの、その正義が他者の尊厳や自由を抑圧する形で使われる場合、それは社会正義としての役割を果たせないという認識も共有されました。社会全体の中で弱い立場の人々が排除・抑圧されることのない社会正義の実現が求められる、という点が意見交換の核となりました。
さらに、社会には意見を表明する手段や機会を持たず、日々の不安や困難の中で祈ることでしか思いを託せない人々がいるという現実も共有され、そうした人々の存在を包み込むことが、社会秩序の正当性を支える重要な要素であるという認識が示されました。
民主主義の尺度は「誰を守っているか」
会談の中で、ingo PEACE.の代表理事であるウン・ザー・チュン氏は次のように述べました。
「社会秩序は、単に統制のために存在するものではありません。社会正義として、現地でどうすることもできない人々の尊厳と生活を守るためにこそ、秩序は必要とされるものです。それぞれに正義はありますが、その正義が弱い立場にある人々を抑制する方向に働くとき、秩序は正義を失います。社会秩序が誰を守っているのか――その点にこそ、民主主義の成熟が表れるのではないでしょうか。」
今後の活動について
ingo PEACE.は、今回の公式会談と陳情書の提出を、現地住民の声を起点とし、社会正義として、最も弱い立場の人々が排除や抑圧を受けることのない社会秩序のあり方を、これからも問い続けていくための重要な節目と位置づけています。今後も、宗教界や国際社会との連携を通じて平和的な対話を進め、人道支援活動を継続していくとのことです。
ingo PEACE.ってどんな団体?
ingo PEACE.は、「すべての生命が安心して暮らせる社会」の実現を目指し、共生型社会モデルの構築に取り組む国際非政府組織(INGO)です。これまでに、経済制裁が課されているミャンマーへ国際医療支援物資を輸送したり、2025年3月の大震災発生時には72時間以内に1万世帯規模の食糧支援を実施したりと、現地での支援活動を積極的に行っています。また、刑事事件に関わる人権侵害への無償法的支援や、ミャンマー国内の刑務施設を公式訪問し、収容者の生活改善を目的とした衛生物資の寄付なども行っています。
さらに、平和実現に向けた中心組織「CPR」や、世界的歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ教授、Thamardi Foundation、ミャンマーの教会ネットワーク組織Myanmar Christian Peace Support Central Committee(MCPSCC)など、様々な組織や個人と戦略的な連携を進めています。
ingo PEACE.公式サイトはこちら:https://ingo-peace.org/ja/



