日本発の宇宙ビジネスがアフリカの社会課題を解決へ!トップランナー4団体が共創コンソーシアムを設立

設立の背景:支援からビジネスとしての共創へ

アフリカ諸国では、気候変動による干ばつや洪水、食糧問題、急速な都市化に伴うインフラ整備など、多くの社会課題を抱えています。これらの解決に、衛星データなどの宇宙技術が役立つと期待されていますが、現地のインフラや制度、活用ノウハウが不足しているのが現状です。

そこで、コンソーシアムの当事者たちは、「クロスユー新興国ワーキンググループ」を通じて、日本の産学官20以上の団体と協力しながら、アフリカ諸国との共創の形を模索してきました。そして、今年1月には外務省主催の「アフリカ貿易・投資促進官民合同ミッション」にも参加。その経験を経て、協力だけではなく、具体的な民間レベルでのビジネスとして「実装」フェーズに進むため、今回のコンソーシアム設立に至ったわけです。

これは、昨年8月の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)で採択された「横浜宣言」が掲げる「革新的解決策の共創」を、宇宙産業で具体的に形にするものです。単なる技術提供にとどまらず、現地のビジネスパートナーと一緒に宇宙産業のエコシステムを作り、日本とアフリカ諸国双方の経済成長につながる案件をどんどん生み出していくことを目指しています。

推進スキーム:3つのフェーズで具体案件を形成

このコンソーシアムでは、アフリカ諸国での具体的な案件を、以下の3つのフェーズで進めていきます。

推進スキーム

  1. ニーズ抽出:「クロスユー新興国ワーキンググループ」を通じて、両国の政府機関や民間企業、研究機関が協力し、現地のニーズを特定します。
  2. ソリューション構築:特定されたニーズに対して、日本の高度な宇宙技術をぴったりとマッチングさせ、商業的に自立できる持続可能なビジネスモデルを構築します。
  3. プレイヤー選定/実装:プロジェクトを進めるのに最適な両国のプレイヤーを選び、商業化を見据えた具体的な契約へと進み、社会での活用を加速させます。

先行事例:エチオピアでの衛星データ活用プロジェクト

コンソーシアム設立に先立ち、今年1月には、エチオピアでこのプロジェクトの第一号案件がスタートしています。アクセルスペースとエチオピアのテック企業Jethi Software Development PLC(Jethi社)が、衛星データ活用による社会課題解決に向けた協力に関する覚書を締結し、現地での共創プロジェクトが動き出しました。

エチオピアでの覚書締結式

このプロジェクトでは、アクセルスペースが持つ高頻度な衛星データ解析のノウハウと、Jethi社が持つ現地のネットワークやソフトウェア開発力を組み合わせます。そして、エチオピアが抱える「農業生産性の向上」「森林保全」「都市計画の最適化」といった喫緊の課題を解決するための独自のソリューションを共同で開発していきます。

この案件の素晴らしい点は、単なる「技術提供」ではなく、現地企業が自ら衛星データを活用してサービスを運用する「持続可能なビジネスモデル」を目指していることです。これにより、日本の宇宙技術がエチオピアの社会基盤に深く根付き、ビジネスの成長と社会貢献を両立できることが期待されます。

強固な体制でアフリカ市場へ

本コンソーシアムは、日本の各分野のトップランナーが連携し、プラットフォーム機能、衛星データ解析、衛星インフラ構築、金融スキーム構築を統合する体制を築いています。

コンソーシアム体制図

  • 全体統括:クロスユーが350以上の会員ネットワークを基盤に、最適なソリューションをマッチングします。

  • 衛星データ解析:アクセルスペースが光学衛星データを活用したソリューション開発を提案します。

  • 衛星インフラ構築:アークエッジ・スペースが超小型衛星コンステレーションを使ったソリューションを提供します。

  • 金融スキーム構築:Double Feather Partnersがビジネスモデルの構築とファイナンス設計を主導します。

今後、このコンソーシアムのメンバーをさらに増やし、より幅広い分野で案件が形成できるよう体制を強化していく予定です。

今後の展望

当事者たちは、今年の4月に再びアフリカを訪れ、現地の公的機関と具体的な案件形成に向けた話し合いを進め、新たな共創モデルを作り出すことを目指しています。TICAD9の成果を具体化する重要な年として、今年の11月に開催されるアジア最大級の宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK 2026」で、これまでの成果が報告される予定です。これからもアフリカ諸国との連携を広げ、日本とアフリカ諸国の産業活性化に貢献していくことでしょう。

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