レバノンで子どもたちが直面する過酷な現実:わずか3週間で37万人が家を追われる

驚くべきスピードで進む避難

1カ月も経たないうちに、レバノンの人口の約2割が避難を余儀なくされました。そのスピードと規模は本当に驚くべきものです。現在、全土で100万人を超える人々が住まいを追われ、その多くが2度、3度、あるいは4度も避難を強いられています。これは家族を引き裂き、コミュニティを空洞化させるような、突発的で混乱を伴う大規模な避難です。その影響は、暴力が収まった後も長く尾を引くことでしょう。

男性が2人の幼い息子を抱きかかえ、テントが見える

子どもたちの心の傷と過酷な避難生活

レバノンにいる子どもたちは、計り知れないほどの心の傷を負っています。前回の衝突激化で受けたトラウマを癒やす間もなく、再び暴力によって家を追われているのです。絶え間ない爆撃と避難の連鎖は、心の傷をさらに悪化させ、深い恐怖を植え付け、将来にわたる深刻な情緒的影響を及ぼす恐れがあります。

ベイルート市内の学校の避難所で出会った11歳のゼイナブさんは、家族とベイルート南部から逃れてきました。彼女が18カ月前にも避難生活を送ったのと同じ校舎での生活です。毎晩のように砲撃や爆撃の音を聞きながら過ごす日々を、再び送ることになるとは想像もしていなかったと話しています。彼女が願うのは、ただ家に戻り、学校に戻り、普通の生活を取り戻すことだけです。

避難所で男性が母親と幼い子供に話しかけている

現在、13万5,000人を超える国内避難民が、660カ所以上の集団避難場所に身を寄せており、その多くは子どもたちです。生活環境は非常に逼迫しています。建築中の建物や公共スペース、車両など、正式な避難所ではない、過密で安全とは言えない場所に避難している世帯も少なくありません。レバノンでは、経済危機とインフラの劣化により、もともと基本的なニーズに十分応えられない状況でしたが、今やインフラは需要に耐えきれない状況に陥っています。

破壊される社会サービスとインフラ

子どもたちの生存と未来を支える不可欠な社会サービスも、深刻な打撃を受けています。レバノン東部のベカーやバールベックといった地域では、爆撃によって極めて重要な貯水池や揚水施設が破壊され、何万人もの人々が安全な水を利用できなくなっています。さらに、学校が避難所として使われることになったため、約435校の公立学校に通う11万5,000人を超える児童・生徒の教育が突然中断されてしまいました。

この紛争激化による人的犠牲は衝撃的です。これまでに少なくとも121人の子どもが命を落とし、395人が負傷しました。爆撃を生き延びた人々を待ち受けているのは、人道的に極めて過酷な状況です。多くの家族が着の身着のままで逃げ出し、相次ぐ避難命令を受けて、数日間に何度も移動を強いられています。

同時に、病院、学校、橋、水・衛生施設など、子どもたちが日常生活を送る上で不可欠な民間インフラが、繰り返し攻撃を受け、損傷し、あるいは破壊されてきました。

ユニセフの支援活動と解決への呼びかけ

ユニセフは現地で、パートナーや関係当局と連携し、移動を余儀なくされた子どもたちや避難所にいる子どもたち、到達困難な地域にいる子どもたちを支援するため、昼夜を問わず活動しています。ここ数週間だけで、即応メカニズムを通じて16万7,000人を超える避難民に対し、生活必需品(食品を除く)と冬用キットを届けました。

UNICEFのトラックと赤十字のSUVが停まっている

また、140トンを超える必須医療用品を病院に届け、40カ所のプライマリ・ヘルスケア拠点を稼働させ、避難所にいる子どもと家族がケアを受けられるようにしています。約190カ所の避難施設に水と衛生に関する緊急支援を提供するとともに、教育省と連携してオンライン学習の環境整備や仮設学習スペースの計画を支援することで、子どもたちの未来を守る取り組みを進めています。

しかし、人道支援だけではこの危機を解決することはできません。救急隊員や保健スタッフが度重なる攻撃を受け、緊急対応能力は著しく損なわれています。治安上の懸念や輸送手段の欠如により、多くの世帯が到達困難な地域で孤立したままです。

この紛争で、最も大きな代償を払わされているのは子どもたちです。ユニセフは、支援を必要とするすべての人々への妨げのない人道的アクセスを強く求めています。学校、病院、水道システムなどの民間インフラへの攻撃を直ちに停止するよう求めています。そして何よりも、避難を余儀なくされた37万人の子どもたちには、即時の停戦が必要です。子どもたちは、逃げ続ける日々を終え、本来あるべき子どもとしての生活を取り戻す必要があるのです。

ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。
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日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。
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