世界の5歳未満児死亡数が年間490万人に!ユニセフが警鐘を鳴らす「命」の現状と課題

減少ペースの鈍化と深刻な死因

2000年以降、5歳未満児死亡数は世界全体で半分以下に減少しましたが、2015年以降はその減少ペースが大幅に鈍化していることが明らかになりました。今回の報告書では、初めて死因に関する推計が全面的に統合され、より詳細なデータが示されています。

特に注目すべきは、重度の急性栄養不良(SAM)が直接の死因となったケースです。2024年には生後1カ月から59カ月の乳幼児のうち、5%にあたる10万人以上がSAMにより亡くなりました。栄養不良は子どもの免疫力を低下させ、他の病気による死亡リスクを高めるため、間接的な影響を含めると、その犠牲者数はさらに多いと推計されます。

ブルカを着用した女性がテントの中で子供に栄養補助食品を与えている様子。

新生児の死亡も深刻で、5歳未満児死亡全体のほぼ半数を占めています。主な死因は早産に伴う合併症(36%)と、分娩・出産時の合併症(21%)です。生後1カ月を過ぎると、マラリア、下痢症、肺炎などの感染症が主要な死因となり、特にマラリアは依然としてこの年齢層で最大の死因(17%)となっています。

地域による大きな格差

子どもの死亡は、地域によって大きな偏りがあります。2024年には、世界の5歳未満児死亡の58%がサハラ以南のアフリカで発生しました。この地域では、肺炎、マラリア、下痢症といった主要な感染症が死亡原因の54%を占めています。一方、欧州や北米などでは、この割合は非常に低く、命を守るための介入へのアクセスにおける不平等が浮き彫りになっています。

南アジアでは、5歳未満児死亡の25%を占め、主な死因は生後1カ月以内の合併症です。質の高い産前ケア、分娩時の熟練した医療従事者の配置、低出生体重児や病気の新生児へのケア、そして新生児向けサービスへの投資が喫緊の課題とされています。

医療着を着た女性がピンクの布に包まれた新生児を優しく抱いている様子。

さらに、脆弱な状況にある国々や紛争の影響下にある国々では、子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に死亡するリスクが他の地域の約3倍にも達しています。

若者の命も危ない

この報告書では、5歳から24歳までの子ども・若者の死亡についても推計されており、2024年には210万人が亡くなったとされています。低年齢層では感染症やけがが主な死因ですが、10代になると傾向が変わり、15〜19歳の女の子では自傷行為が、同年代の男の子では交通事故が最大の死因となっています。

命を守るための投資と行動

世界の開発援助資金の減少は、妊産婦・新生児・子どものための重要な保健プログラムの実施を困難にしています。これまでの進展を維持し、さらに加速させるためには、継続的な資金投入が不可欠です。子どもの健康への投資は、ワクチン接種、栄養不良の治療、分娩時の熟練した医療従事者の配置など、費用対効果の高い開発施策の一つとされており、1ドルの投資が最大20ドルの社会的・経済的利益を生む可能性が指摘されています。

医療従事者が、抱っこされた赤ちゃんに予防接種を行っている場面。

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセル氏は、「予防方法が分かっている疾病で、子どもが命を落とすようなことがあってはなりません」と述べ、持続的な投資と政治的意思が次世代へ成果を引き継ぐ鍵であると強調しています。

各国政府、ドナー、パートナーは、以下の点に取り組む必要があります。

  • 子どもの生存を政治的・財政的な優先課題とすること。

  • サハラ以南のアフリカや南アジア、紛争下にある地域など、最もリスクの高い人々、特に母親と子どもたちに焦点を当てること。

  • 妊産婦、新生児、および子どもの死亡を減らすという公約に対し、透明性のあるデータ収集、追跡、報告を行うことで説明責任を強化すること。

  • プライマリ・ヘルスケアシステムに投資し、地域保健スタッフの配置や出産時の熟練したケアを通じて、子どもの主な死因となる疾病や状態を予防、診断、治療すること。

この報告書の詳細はこちらで確認できます。

ユニセフは、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。その活動については、以下のサイトをご覧ください。

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