町田市に学ぶ!空き家を「負債」にしないための賢い循環モデルとは?

空き家ってどんな種類があるの?

まず、「空き家」と一口に言っても、実はいくつか種類があるってご存じでしたか?総務省の「住宅・土地統計調査」では、主に以下の4つに分類されます。

  • 売却用の空き家: いま売りに出されている物件のこと。
  • 賃貸用の空き家: 入居者を募集している賃貸物件ですね。
  • 二次的住宅: 別荘やセカンドハウスなど、普段住んでいない家です。
  • 上記以外の空き家: 活用予定がないまま放置されているような住宅がこれにあたります。

さらに、現在は人が住んでいても、将来的に空き家になる可能性のある「空き家予備軍」というのもあります。

空き家の種類と関係者を示す相関図

また、自治体が実務で使う「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)」では、以下の定義があります。

  • 空家等: 継続的に人が住んでおらず、事業などにも使われていない建物とその敷地全体を指します。
  • 管理不全空家等: 管理が不十分で、放置すると「特定空家等」になる恐れがある状態の空き家です。
  • 特定空家等: 倒壊の危険があったり、ごみが放置されて不衛生だったり、景観を著しく損ねたりと、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす恐れのある空き家を指します。

「人」と「家」が同時に老いる現実

町田市で空き家がどんな状況かというと、特定の場所に集中しているわけではなく、市内に広く点在しているそうです。分析によると、空き家になる原因は駅からの距離といった「立地」よりも、「建築時期」の影響が大きいのだとか。

これは、かつて同じ時期に開発された住宅地で、住んでいる人々の高齢化と建物の老朽化が同時に進むという現象。まさに「人」と「家」が一緒に歳をとっていく、というわけですね。これは町田市だけでなく、多くの都市が抱える共通の課題でもあるんです。

空き家になる前に動く!「空き家予備軍」へのアプローチ

町田市が特に力を入れているのは、空き家が発生してから対策するのではなく、その前に防ぐ「発生予防」なんです。相続はもちろん、高齢者が施設に入所したり、長期入院したりするのを見越して、「空き家予備軍」への啓発に努めています。

専門家と気軽に相談できる場

弁護士や税理士、宅建士といった専門家と連携し、毎月2回も無料相談会を開催しているんですよ。複雑な相続問題や税金のことなど、空き家になる前から整理できるのは心強いですよね。2023年度には25件、2024年度も15件の個別相談実績があるそうです。

また、「家族と考える住まいの終活」セミナーも人気で、予約の時点で35組もの市民が集まるなど、早期啓発のきっかけ作りに手応えを感じているようです。

日常生活の中で相談できる仕組み

さらにユニークなのが、東急株式会社との連携です。南町田グランベリーパーク内に設けられた「住まいと暮らしのコンシェルジュ」という相談窓口と連携することで、市民が買い物のついでに「将来の住まい」について相談できる環境を作っています。行政に相談する際の心理的なハードルを下げて、潜在的な不安を顕在化させる、まさにナイスアイデアですよね。この連携による相談実績も、2023年度は45件、2024年度も38件と、安定したニーズの掘り起こしにつながっているそうです。

「活用」よりも「循環」を目指す現実的な戦略

空き家対策というと、リノベーションしてカフェや交流拠点にする、なんていう華やかな事例が注目されがちですが、町田市の戦略はもっと現実的で理にかなったものなんです。

市が重視しているのは、「既存の用途(居宅)として不動産市場に戻すこと」だそう。状態の良い物件は中古住宅として次の世代へつなぎ、老朽化した物件は解体工事助成などを活用して更地にし、新たな住まいへと生まれ変わらせる。この「不動産流通」のサイクルを回すことが、街を持続可能にするための最短ルートだと考えているんですね。

放置された空き家には「負のインセンティブ」で指導

一方で、管理状況が悪化している空き家に対しては、法的な指導を徹底しています。特に大きかったのが、2023年12月の法改正で新設された「管理不全空家等」という枠組みです。

これまでの「特定空家等」は、建物が崩壊寸前といった切迫した危険がある状態を想定していました。しかし、「管理不全空家等」ができたことで、放置すれば危険な状態になる住宅に対して、より早い段階で行政指導ができるようになったんです。市民が問題視するような、管理が行き届いていない空き家にもきちんと指導できるようになったのは、大きな進歩だと言えるでしょう。

町田市ではこの新しい制度を背景に、所有者への指導だけでなく、制度の「丁寧な説明」を徹底しています。ただ是正を勧告するだけでなく、放置し続けると固定資産税の特例が解除されるといった「所有者にとっての経済的な不利益」を明確に伝えることで、ある事例では停滞していた親族間の合意形成を促し、制度施行から短期間で既に5件もの管理不全空家等の解消(修理・撤去)を実現しているとのことです。

住まいの連鎖を途切れさせないために

町田市の取り組みは、行政だけで完結するものではありません。民間事業者の専門知識と、市民一人ひとりの「早めの備え」が組み合わさって初めて、住宅の連鎖はスムーズに回り始めます。

「空き家問題は、誰もが当事者になり得る」という認識を市民と共有しながら、町田市はこれからも街の「新陳代謝」を促すための仕組みづくりを続けていくことでしょう。

「未来への負債」にしないためのヒント:住まいのエンディングノート

今回の町田市の事例から見えてくるのは、空き家対策が単なる建物の管理ではなく、「街の新陳代謝」を促すことだということです。

空き家は大切な資産。適切に管理しなければ近隣に深刻な影響を及ぼし、民事上の責任を問われる可能性もあります。まずは日頃の管理の重要性を再認識することが大切ですね。もし自宅の今後について少しでも考えたら、気軽に市の相談窓口を頼ってみるのがおすすめです。

「人」と「家」が共に老いを迎えるのは避けられない時の流れかもしれません。しかし、行政、民間、そして専門家が手を取り合う場があれば、その「老い」を「次世代への継承」へと変えることができるはずです。

不動産価値の定期更新で空き家リスクを軽減

空き家問題の解決には、不動産所有者、相続人、自治体、周辺住民がそれぞれ主体的に行動することが重要です。特に所有者の方は、今住んでいても将来空き家になる可能性を考えて、不動産の資産価値を正確に把握しておくべきです。例えば、市場価値が5,000万円の物件なら、その価値を認識して、適切な管理や処分を考えるきっかけになりますよね。

所有者の資産価値と住宅の状況を示す図

この問題に対処するために有効なのが、「わたし(たち)の住まいのエンディングノート」を作成することです。これは通常のエンディングノートと違い、不動産に特化した情報を整理するものです。所在地、面積、権利関係、ローン状況、資産価値といった不動産の基本情報シートや、登記簿、固定資産税納付書、設計図面などの関連書類リスト、管理会社、自治会、修繕履歴といった維持管理情報を記録します。特に「資産価値」の項目は最も重要な情報になるでしょう。これによって、将来の相続がスムーズに進み、空き家が発生するリスクを減らすことができます。

さらに大切なのは、資産価値を定期的に更新することです。公示価格やマンション価格は毎年変動していて、特に最近は上昇傾向にあります。数年前に確認した価値では、今の正確な価値とは言えません。不動産は「投資商品」であると同時に「実需商品」でもあるからこそ、正確な価値を把握しておきましょう。

資産価値を知るには、不動産仲介会社に査定を依頼するのが一般的な方法です。立地や条件にもよりますが、数日で市場流通価格の結果が分かりますよ。

また、Web上で資産価値を知ることも可能です。例えば、AIを活用した査定サービス『KAITRY』などを利用すれば、マンションの場合は、マンション名と基本情報(広さ、間取り、階数)を入力するだけで、簡単に資産価値を知ることができます。戸建ての場合は、現在「戸建住宅用」に同サービスを開放していないため、以下から問い合わせてみてください。

  • 自宅(マンション)の資産価値を知りたい方はこちら: https://kaitry.com/

法的権限だけでなく、民間の専門知識と行政の公共性を組み合わせた「本当の意味での公民連携」こそが、現代の複雑な地域課題を解決する鍵なのかもしれませんね。

株式会社property technologiesについて、詳細はこちらをご覧ください: https://pptc.co.jp/

関連記事

  1. 福岡とバンコクの若者が社会課題に挑む!ソーシャルアントレプレナープログラム最終発表会が2月12日開催

  2. 「SBINFT Mits」が不動産クラウドファンディング「BATSUNAGU」に採用!NFTで投資家と地域をつなぐ新しいコミュニティーが誕生だよ!

  3. 中心市街地活性化の鍵は「挑戦」!イノベーションを育むシンポジウムが3月12日開催!

  4. 8bitNewsが秋田・大館に地域スタジオ「ハチスタ」をオープン!若者の雇用も創出で地域を盛り上げる!

  5. BREXAグループが初の社員総会「ONE BREXA 2026」を開催!全国から1,500名以上が集結!

  6. 岡山大学が大学改革の最前線を語る!J-PEAKSシンポジウムで未来を深掘り!