こどものSOS、大人としてどうする?こども家庭庁が札幌で対策イベント開催!

なぜ今、こどもの自殺対策が大切なの?

近年、こどもたちの自殺者数は残念ながら高い水準で推移しており、2020年以降は特に増加傾向が見られます。2025年の小中高生の自殺者数は暫定値で532人と、過去最多となる見込みです。こうした状況を受け、こども家庭庁は2023年4月の発足と同時に自殺対策室を設け、様々な機関と協力しながら対策に取り組んでいます。こども家庭庁の調査では、自ら命を絶ったこどもたちに複数の兆候が見られ、約3割が学校や家族に直接自殺をほのめかしていたことがわかっています。だからこそ、こどもたちの周りにいる大人がSOSに気づき、適切に対応することがとても大切なのです。今回の講演会は、地域でこどもたちの自殺を防止するためのネットワークを築くきっかけとなることを目指しました。

第1部:専門家が語る「こどものSOS」

第1部では、NPO法人OVA代表理事の伊藤次郎氏、北海道教育庁学校教育局の稲川洋生氏、公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会の松田考氏が登壇し、それぞれの専門分野から講演を行いました。

伊藤氏は、「こどものSOSにどのように気づき、対応するか」をテーマに、こども・若者が抱える多様な生きづらさが重なり合うことで悩みが深刻化する可能性を指摘しました。支援者が一人で抱え込まず、多様な主体が連携して支えることの重要性を強調。こどものSOSのサインは、身体・心・行動の3つの側面から現れるが、特に「行動の変化」に気づくことが大切だと説明しました。

伊藤氏講演の様子

続いて稲川氏は、「学校における自殺予防について」と題し、北海道内の学校での自殺予防の取り組みを紹介しました。北海道教育庁では、今後小学校用の学習指導案を新たに作成し、中学・高等学校の指導案も改訂予定とのことです。また、学校全体で自殺予防教育に取り組むことや、普段から学校外の専門機関との連携体制を築いておくことの重要性も述べられました。

稲川氏講演の様子

松田氏は、「表出しない困難を汲み取るこども・若者の支援について」というテーマで講演しました。こどもが充実した放課後や余暇を過ごせることの重要性を説き、居場所がその実現に大きな役割を果たすと述べました。また、専門家だけでなく、こどもの周りにいる大人たち(「日常家」と表現)が専門家とつながることで、こどもの「見守り」がより効果的になることを説明しました。

松田氏講演の様子

講演会の後半では、3名の登壇者によるパネルディスカッションが行われました。こどものSOSに「気づき」「つなぎ」「支える」という3つの視点から、学校、行政、地域の大人がどう連携できるかを中心に意見が交わされました。多職種連携の工夫や、継続的な見守りのあり方について議論が深まり、参加者からは支援者自身のバーンアウトを防ぐセルフケアに関する質問も出ました。支援する大人も一人で抱え込まず、チームで共有し、周りにSOSを出すことが大切だというメッセージが印象的でした。

パネルディスカッションの様子

第2部:事例から考えるグループワーク

第2部では、「事例を通じて連携・協働について考える」をテーマに、参加者が5名ずつのグループに分かれ、具体的な事例検討に取り組みました。民生委員がこどもから「消えたい」と打ち明けられたという事例をもとに、どのように他機関と連携し、継続的に見守っていくかを議論しました。

グループワークの様子

各グループでは、こどもや家庭の状況から考えられるリスクを推測し、こども目線で何ができるかを深く話し合いました。終盤には、日々の業務で感じている連携の課題や、明日から取り組んでみたいことなどを共有し、参加者同士が連絡先を交換するなど、新たなネットワーク作りの場としても活用されました。

会議の様子

参加者からは、「フランクに楽しくグループワークができた」「メンバー間の様々な視点から気づきが得られた」「こどもの居場所づくり、つなぎ、連携、チームでの支援が大変勉強になり有意義な時間だった」「ネットワークづくりに取り組みたい」といった前向きな感想が寄せられました。

付箋を使ったブレインストーミングの様子

まとめ

今回の講演会・グループワークは、こどもの自殺対策において、地域の大人が連携し、協力し合うことの重要性を改めて認識する貴重な機会となりました。様々な職種や立場の人が集まり、具体的な事例を通して意見を交わすことで、より実践的な支援体制を築くための第一歩が踏み出されたと言えるでしょう。こどもたちが安心してSOSを出せる社会、そしてそのSOSをキャッチして支えられる大人が増えることを期待したいですね。

関連情報
自殺予防に関する報道を行う際は、世界保健機関(WHO)発行のガイドラインを参考にすることが推奨されています。

関連記事

  1. ケアリーバーを食料支援で応援!フードバンク団体向け助成金公募がスタート

  2. 盛岡りんごがドライシードルに!ベアレン醸造所が新商品で地域ブランドを強化

  3. 茨城県「女性活躍・働き方応援シンポジウム」開催!村木厚子氏の講演や先進企業事例に注目!

  4. 奈良・元興寺の宝「八雷神面」を里帰りさせよう!クラウドファンディングで歴史と信仰を守る

  5. 「FUTABA ALTER:NATIVE 2026 in 東京」開催!復興から未来のまちづくりを考えるイベント

  6. 【世界初!】あなたのウェルビーイング活動、ISO基準で信頼性を証明できるチャンス!