ウクライナ危機から4年。子どもたちの「最悪の冬」に寄り添う心のケアとデジタル支援

過酷な冬を乗り越えるための支援

国際NGOワールド・ビジョンとその現地パートナーは、戦争勃発以来、100万人以上の子どもを含む230万人以上の人々に食料、非食料品、現金支援、保護、教育、生計支援、メンタルヘルス支援を提供してきました。

特に、各家庭が光熱費や生活必需品をまかなえるよう現金給付による支援を行い、前線地域では現地パートナーと連携し、マットレス、寝袋、高保温ブランケット、モバイルバッテリー、保温ボトル、乾燥燃料付きの携帯用ストーブなどを含む越冬支援キットを配布しています。

子どもたちの心のケアと「チャイルド・フレンドリー・スペース」

WHOの最新報告によると、過去1年間に不安、うつ、あるいは深刻なストレスの症状を経験したウクライナの人々は、70%以上にのぼると言われています。子どもたちもまた、大きな不安とストレスの中で生活しており、幼少期のトラウマが脳や神経系の発達に根本的な影響を与える可能性も指摘されています。

ワールド・ビジョンは、現地のパートナーと協力し、ウクライナ全土で子どもを中心とした地域密着型のメンタルヘルス・心理社会的支援(MHPSS)を提供しています。中でも、「チャイルド・フレンドリー・スペース」と呼ばれる子どもにとって安全な空間は、重要な役割を果たしています。

ウクライナ東部のドニプロにある「チャイルド・フレンドリー・スペース」では、子どもたちが遊びや学習、心理的サポート、セラピー活動などを通じて、安心感と子どもらしい日常を取り戻しています。ここに通う9歳のダイアナちゃんは、離れ離れになった父親にめったに会えないというつらい思いを話せるようになり、将来は心理士になって人を助けたいと話しています。

2025年10月の時点で、ワールド・ビジョンが支援する11の「チャイルド・フレンドリー・スペース」がウクライナ全土にあり、今年支援した2,049人を含む、9万人以上の子どもたちに安全な環境を提供しています。

子どもたちが絵を描く様子

保護者のためのデジタル心理社会的支援 ‟危機における子育てチャットボット”

長引く戦時下で子育てをする保護者にも、新たな支援が始まっています。

ワールド・ビジョンのウクライナ緊急対応チームは、国際的な研究機関や国連機関が共同開発した「Parenting for Lifelong Health」と連携し、「Parenting in Crisis 危機における子育てチャットボット」というデジタルツールを立ち上げました。このツールは、戦火が長引く中でウクライナの保護者に対し、子どもの保護、心理社会的支援、前向きな子育てに関して、研究に基づいた信頼できる情報を提供するものです。

女性二人がスマートフォンを見ている

調査によると、ウクライナでは世帯の84%が子どもに心理社会的な苦痛が見られると回答しており、5歳未満の子どもの約3人に1人が、不安や心の傷の目に見える兆候を示しています。

「危機における子育てチャットボット」は、こうした課題に対応するため、メッセージアプリを通じて、実践的で文化的背景に配慮した情報を保護者に提供します。テキスト、音声、イラスト、短い動画を活用し、ストレスの対処法、前向きな子育て、子どもの保護に関する具体的な方法を実践的に紹介。遠隔地や通信状況の限られた地域でも利用が可能です。

職を失い、避難を余儀なくされ、収入が減少し、常に治安への不安も抱える中で、保護者自身も、子どもを十分に支えきれなくなっている現状があります。本取り組みは、そうした状況に置かれた保護者を少しでも支えることを目的に、現在ウクライナで500人の保護者を対象に試験運用されています。今後は影響を受ける州全体で数千の家族に届くように規模拡大される予定です。

ワールド・ビジョンは、これからも継続的にウクライナにおけるニーズに対応するため、ウクライナの子どもたちとその家族の声に耳を傾けながら、緊急支援と長期的な復興プログラムの両方を提供し続けます。

支援のお願い

避難を強いられている子どもたちに心身の保護を届けるため、ワールド・ビジョン・ジャパンでは難民支援募金への協力を呼びかけています。詳しくは以下のリンクをご確認ください。

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