大地震の前兆をスピーディーにキャッチ!京大が開発した「準リアルタイム異常検知システム」β版がすごい

画期的なシステムの概要

開発されたβ版システムは、GEONETのデータが取得されてからわずか約10分〜15分後には異常検知結果を表示できるという、驚きのスピードが特徴です。

準リアルタイムシステム: コンセプト

この技術は、電離圏や地殻変動といった大地震の前兆現象を、全国規模でリアルタイムに近い形で監視することを可能にします。これまでの研究では、前兆現象が地震発生の約1時間前に現れるとされていましたが、それらは地震が起こった後の解析結果でした。今回のシステムは、地震発生前に解析を完了できることを実際の環境下で示した点で、非常に大きな一歩と言えるでしょう。

相関解析技術の活用

このシステムの核となるのが「相関解析(CoRelation Analysis; CRA)」です。自局と近接局の時系列データの時間相関を平均化することで、ノイズを小さくし、共通信号を効率的に検出する仕組みが取り入れられています。

相関解析 (CoRelation Analysis; CRA)

実際に、能登半島地震前後のデータを用いたTEC-CRAの解析では、電離層における異常が確認されています。

TEC-CRA: 能登半島地震前後

また、平常時のPOS算出値とNGL 5min finalデータの比較や、能登半島地震、東北地方太平洋沖地震前後のPOS精度評価も行われており、システムの信頼性向上に向けた取り組みが進められています。

POS 算出値: 平常時 NGL 5min final との比較

POS 精度評価: 標準偏差

社会的インパクトと今後の展望

このシステムが実運用されれば、南海トラフ地震や首都直下型地震といった大規模地震の発生前に、電離圏や地殻変動の異常を検知し、アラートを発出できるようになるかもしれません。これは、事前防災のあり方を大きく変える可能性を秘めています。

当面の課題としては、京都大学が保有する観測機データや、JR東海、愛知県蒲郡市、アマノ、富士防災警備といった共同研究先と連携して観測機(GNSS受信機)をさらに増やし、観測データを拡充していくことが挙げられます。2026年からは共同研究先も増やし、アラート発出システムの24時間共同検証を行う予定だそうです。

さらに、リアルタイム測位の精度向上も重要な課題とされており、これらの検証と課題解決を経て、準リアルタイムシステムの実運用が開始されることになります。将来的には、研究室が開発したリアルタイム電離圏トモグラフィー技術や、プレスリップ相関解析から震央推定を行うアルゴリズムなども、順次このシステムに組み込まれていく予定とのことです。

この研究室の活動については、以下のリンクから詳細を確認できます。

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