「年収の壁」、178万円への引き上げ方針に対する意識調査!「ゆとりがない」と感じる人が6割超

調査の背景

長年、給与所得者の所得税に影響を与える「年収の壁」は注目されてきました。特に「103万円の壁」は多くの人が意識する目安でしたが、2025年度の税制改正では、基礎控除額と給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、課税開始点が大きく上昇する見込みです。

さらに、2025年12月には政府与党・野党が、2026年度税制改正大綱で「年収の壁」を約178万円まで引き上げることで基本合意したと報じられています。これは、より多くの層で所得税の負担を軽減することを目的とした動きです。

このような税制の変更は、パート・アルバイト、フリーランス、複数就業者など、多様な働き方をする人々の収入調整に影響を与える可能性があります。そこで、働き方の変化を把握するため、今回の意識調査が実施されました。

財務省の関連情報はこちらから確認できます。
基礎控除等の引上げと基礎控除の上乗せ特例の創設

調査概要

この調査は、『シェアフル』アプリをインストールしている求職者を対象に、アプリ内機能「シェアフルmembers」を通じてアンケート形式で実施されました。2025年12月20日に実施され、日本全国の10代から70代の男女から15,185件の有効回答が得られました。

調査結果サマリー

今回の調査では、以下のような結果が明らかになりました。

  • 「年収の壁」を意識している人の割合は前年より低下したものの、実際に就業時間を調整している人は6割を超え、働き方への影響は依然として大きいことが確認されました。

  • 経済的なゆとりについては、「ゆとりがない」と感じている人が全体の6割を占め、属性による差が見られました。

  • 年収の壁が178万円へ引き上げられることについては、前向きな意見が一定数ある一方で、様子見など中立的な意見が多数を占める結果となりました。

調査結果詳細

年収の壁を意識している割合は低下

2025年の調査では、年収の壁を「意識している」と回答した人は全体の40%でした。これは2024年調査の47%と比較すると、7ポイント低下しています。

年収の壁を意識していますか?

6割以上が就業時間を調整

2025年12月における就業時間の調整状況について尋ねると、「例月の100%(調整していない)」と回答した割合は38%でした。一方で、何らかの形で就業時間を調整した層は全体の62%を占めています。

2025年12月は、本来就業できた時間からどれくらい調整をしましたか?

属性別に見ると、正社員・派遣社員・契約社員では調整していない人が37%だったのに対し、アルバイト・パートでは48%と、働き方によって調整の度合いが異なることがうかがえます。

2025年12月は、本来就業できた時間からどれくらい調整をしましたか?(属性別)

経済的なゆとりがないと感じる人が多数

「経済的なゆとりはあると感じますか?」という質問に対し、「ゆとりがある」「ある程度ゆとりがある」と回答した割合は合計38.5%でした。これに対し、「あまりゆとりがない」「全くゆとりがない」と回答した割合は合計61.5%と、過半数を占めています。

経済的なゆとりはあると感じますか?

属性別では、アルバイト・パートで「経済的なゆとりがない」と感じている割合が67%と最も高く、学生は52%が「ゆとりがない」と回答しました。

経済的なゆとりはあると感じますか?(属性別)

178万円への引き上げ方針への意識

「2026年度より年収の壁が178万円に引き上げられることが決まったことについて、どう感じますか?」という質問では、最も多かったのが「関心なし・中立的」で47.4%でした。次いで「肯定的」が35.9%、「要望」が11.8%、「否定的」が2.1%となっています。

2026年度より年収の壁が178万円に引き上げられることについて感じる事

寄せられた自由回答では、「シフト調整をしていたので気にせず働けるのは嬉しい」といった肯定的な意見や、「特に関係はないので嬉しさなどはない」といった中立的な意見が見られました。また、「所得税だけじゃなく社会保険も考えてほしい」といった要望も多く寄せられています。

2026 年度より年収の壁が 178 万円に引き上げられることについて、どう感じますか? (自由回答)

考察

今回の調査から、「年収の壁」を意識する割合は低下したものの、実際に就業時間を調整している人は多く、経済的なゆとりがないと感じる人が過半数を占めていることが分かりました。

年収の壁が178万円に引き上げられることについては、中立的な意見が多いものの、肯定的な声や、社会保険の壁などさらなる制度改善を求める要望も一定数見られます。この結果から、働き方や生活における課題は引き続き存在していることがうかがえます。

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