TIS「令和のキャッシュレスVS現金」調査!冠婚葬祭でもキャッシュレスが浸透、若年層はご祝儀もキャッシュレス派が多数に!

日常生活はキャッシュレスが主流、冠婚葬祭でも3割以上がキャッシュレス派に

現金とキャッシュレスの両方が使える場合、日常生活の支払いシーンでは約7~8割が「キャッシュレス派」と回答しました。さらに注目すべきは、ご祝儀や香典といった冠婚葬祭・儀礼的な支払いシーンでも、3割以上が「キャッシュレス派」を選んでいる点です。

特に「結婚式のご祝儀を渡すとき」では、20代で42.0%、30代で43.0%と、他の年代と比較して若年層のキャッシュレス利用意向が4割を超えていました。近年、事前振込型のご祝儀も増えていることから、若い世代を中心に冠婚葬祭シーンでのキャッシュレス化が進む可能性が見られます。

結婚式のご祝儀を渡すときの利用意向(世代別)

また、現在は現金支払いが主流のゲームセンターやカプセルトイといったエンタメシーンでも、決済環境が整えば5割以上がキャッシュレスを選ぶ意向があることが分かりました。

キャッシュレス利用意向は「交通手段」がトップ!病院でも利用したい声

キャッシュレスと現金のどちらも使える場合、利用意向のトップは「高速道路の通行料を支払うとき」(83.5%)、次いで「電車やバスで乗車料を支払うとき」(82.8%)と、交通手段でのキャッシュレス需要の高さが目立ちました。移動のスムーズさを重視する傾向がうかがえます。

キャッシュレス利用実態・利用意向ランキング

さらに、「病院やクリニックで診察料を支払うとき」でも73.8%がキャッシュレス利用を希望しており、現在は現金払いが一般的な場所でも、キャッシュレス環境が整えば利用したいという意向が広範に見られました。

「お金を贈るシーン」では現金が根強い人気、冠婚葬祭で世代間の意識差も

一方、冠婚葬祭やお小遣い、お年玉、募金、投げ銭といった「お金を贈るシーン」では、キャッシュレス派よりも「現金派」が上回る結果となりました。

現金利用実態・利用意向ランキング

特に「結婚式のご祝儀を渡すとき」での現金利用意向は、60代が85.0%と最も高く、20代(58.0%)や30代(57.0%)との間で意識の差が顕著に見られました。

現金派は「伝統」、キャッシュレス派は「手間の軽減」を重視

冠婚葬祭シーンで「現金派」と回答した人の約半数が、その理由を「伝統的な慣習だから」と挙げています。一方で「キャッシュレス派」と回答した人の半数以上は、「現金(新札)の用意が面倒だから」と答え、手間を省きたいというニーズが浮き彫りになりました。

冠婚葬祭シーンにおける支払い意向の理由

「お年玉をもらうときor渡すとき」では、現金派の理由として「お金のことを考えることができる」「お金の使い方を学ぶ良い機会だから」といった意見もあり、現金でのやり取りがお金の価値を学ぶ機会と捉えられている側面も明らかになりました。

友人・知人との金銭授受、20代はキャッシュレスを強く希望

友人・知人との金銭授受のシーンで「現金派」を選ぶ理由としては、「現金の方が安心だから」がトップでした。しかし、30代~50代では「自分はキャッシュレスで良くても相手が使っていないことがあるから」という回答も3~4割程度を占め、相手の環境が整えばキャッシュレスを利用したいという意向がうかがえます。

対友人・知人での金銭授受シーンでの現金派の理由

「キャッシュレス派」の理由としては、約半数が「キャッシュレスの方がラク・スムーズだから」と回答しており、時短や利便性が重視されていることが分かります。

対友人・知人での金銭授受シーンでのキャッシュレス派の理由

特に20代では、飲み会の会費やランチの割り勘、旅行代金の精算といった友人・知人との金銭授受のシーンで、7割前後がキャッシュレス利用を希望しており、他世代よりもキャッシュレス志向が強い傾向が見られました。

有識者が語るキャッシュレスと現金の未来

東洋大学経済学部の川野祐司教授は、結婚式のような儀礼的なイベントで慣習が重視されるのは、お金の受け渡しが単なる価値の移動ではないことを示唆するとコメントしています。同時に、年代別の数字からは慣習が変化していく様子も読み取れ、キャッシュレスは時間をかけて日常生活に浸透していくでしょう、と予想しています。

東洋大学経済学部 国際経済学科 教授 川野 祐司 氏

また、世界のキャッシュレス化はさらに進んでおり、中国のWeChatにはお祝いやお年玉を送れる「赤い封筒」機能があることや、EUでは2029年に「デジタルユーロ」の発行が予定されていることにも触れています。これらはビジネスや生活の効率化だけでなく、金融包摂の観点からも重要だと指摘しています。

一方で、川野教授は現金が今後も長く残ると予想しており、「現金は手元にあると安心感があったり、手渡しには気持ちを伝えやすいメリットがあります。私たちの生活は効率性だけでは測れません。今後も現金とキャッシュレスは互いに支え合いながら社会を支えていくでしょう。」と述べています。

TIS担当者が語る、キャッシュレスが社会インフラへ進化する兆し

TIS株式会社デジタルイノベーション事業本部ペイメントサービス事業部長の津守諭氏は、今回の調査結果が、実生活においてキャッシュレスが自然な選択肢になったことを示していると分析しています。現金しか使えないシーンでもキャッシュレス利用意向が5割近くあり、国が目指すキャッシュレス比率8割の実現可能性に期待を寄せています。

TIS株式会社 デジタルイノベーション事業本部 ペイメントサービス事業部長 津守 諭

一方で、現金だからこその価値も確認できたとし、冠婚葬祭で2割が「現金の方が気持ちが伝わる」と回答したことから、現金が経済的価値だけでなく情緒的な価値を持つと指摘しています。年代によっても現金とキャッシュレスの感じ方は異なるため、選択肢を持てることがより重要になるとも述べています。

津守氏は、「今回の調査結果からは、キャッシュレスが利便性の選択肢から、価値観や感情を媒介する社会インフラへと進化しつつあることが見えてきます。」とコメントし、TISとしてキャッシュレスサービスによる利便性向上と、消費者の体験をより楽しく、社会とのつながりを感じられるものにする取り組みを推進していく考えを示しています。

調査概要

  • 調査手法:インターネット調査

  • 調査期間:2025年9月10日(水)~9月11日(木)

  • 調査対象者:全国 15-69歳男女 計600名

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