開発の背景
日本では、転倒や骨折が要介護の原因として3番目に多い(13.9%)という現状があり、安全な床へのニーズが高まっています。かつては高齢者向けの設備と見られがちだった安全床ですが、今では誰もが快適で安心して暮らせるためのユニバーサルな価値として注目されています。特に、デザイン性が重視されるホテルや美術館、ハイエンドなレジデンスでは、「デザインと安全」を両立した高意匠の安全床が新たな付加価値として求められるようになりました。
このような背景から、hide kasuga groupとTOPPANは、「TRANSWOOD®」の魅力を活かし、ただの機能材ではない、空間と環境の価値を同時に高める新しい建材の開発に着手しました。
「TRANSWOOD®」ってどんな素材?
「TRANSWOOD®」は、hide kasuga groupが展開する「100年循環」をコンセプトに開発された環境調和型素材ブランドです。間伐材などの木由来原料と、廃食用油から作られたバイオマス樹脂を独自の配合で組み合わせることで、製品のライフサイクル全体でのCO₂排出量とプラスチック使用量の削減に貢献します。
射出成形や押出成形、3Dプリンティングなど、いろいろな方法で成形できるため、建築材料から家電、モビリティ、日用品、アート作品まで、幅広い分野での活用が進んでいます。使用後はリサイクルできる設計になっており、産業を横断した循環型社会の実現を後押ししています。
実際に、2025年大阪・関西万博EXPOナショナルデーホール「レイガーデン」には、「TRANSWOOD®」製のタイルが採用・設置されるなど、その環境性能とデザイン性が高く評価されています。


TOPPANの安全床技術について
TOPPANの安全床は、山梨大学安全医工学研究室の伊藤安海教授との共同開発によって生まれました。転倒時に大腿骨にかかる衝撃荷重を評価し、転倒による大腿骨骨折のリスクを減らすことに特化しています。それでいて、歩行感は自然で、車椅子や台車のキャスターもスムーズに動かせるとのこと。安全性と使いやすさを両立した床材として、すでに多くの施設で利用されています。
TOPPANの安全床について、もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
https://forest.toppan.com/info/detail_12/
今後の展望
hide kasuga groupとTOPPANは、この新しい安全床をホテルやレジデンス、商業施設、文化施設、医療介護施設など、多様な空間に導入を進める予定です。深い意匠性と高い安全性を兼ね備えた、これまでにない建材カテゴリーとして、市場の拡大を推進していくことでしょう。



