画期的な「Voice Retriever」が内閣総理大臣賞を受賞!
東京科学大学発ベンチャーの株式会社東京医歯学総合研究所が中心となり進められている、マウスピース型人工喉頭「Voice Retriever(ボイス・レトリーバー)」プロジェクトが、「第8回日本オープンイノベーション大賞」において、栄えある内閣総理大臣賞を受賞しました。
この賞は、革新的な技術や取り組みを通じて社会に大きな影響を与えるプロジェクトに贈られるものです。2026年2月9日の表彰式では、小野田紀美科学技術政策担当大臣が、「Voice Retriever」をオープンイノベーションのロールモデルとして高く評価するコメントを寄せました。


「声を失う孤独」を乗り越える
日本国内では、喉頭がんの摘出やALS(筋萎縮性側索硬化症)、人工呼吸器の使用など、年間約4,000人もの人々が突然「声」を失う状況に直面しています。これまでの代用発声法、例えば電気喉頭などは、習得までに数ヶ月の訓練が必要だったり、音質に課題があったりして、患者さんの生活の質(QOL)を低下させる深刻な問題となっていました。
「Voice Retriever」ってどんなもの?
「Voice Retriever」は、口腔内のわずかな動きを音源に変換する、世界初のマウスピース型人工喉頭です。その特徴は以下の通りです。
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即時性:複雑な訓練は一切不要!「口や舌が動く」「マウスピースが装着できる」という2つの条件を満たせば、装着したその日から会話を始められます。
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汎用性:首から下が動かせない四肢麻痺の患者さんでも使える設計です。ノイズが少なく、クリアな音声を届けられます。
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実績:2025年4月の販売開始以来、すでに累計200名もの方々が「自分の声」を取り戻しています。

なぜ内閣総理大臣賞を受賞したの?
このプロジェクトが内閣総理大臣賞を受賞した理由は、単なる製品開発に留まらない、「オープンイノベーションの理想形」として高く評価されたからです。
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産学官・異業種連携:東京科学大学の特許技術を核に、スタートアップ企業、大手電機メーカー、電線専業メーカー、医療機器メーカー、そして全国の歯科クリニックや技工所が一体となり、迅速な開発サイクルを実現しました。
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臨床家主導(アカデミア発):現場の歯科医師が主体となり、事業計画の構築から顧客への直販モデルの確立までを牽引しました。
未来へ向かって:世界に「話す喜び」を届けたい
2025年大阪・関西万博での展示を経て、「Voice Retriever」は今後、さらなる展開を目指しています。
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2027年には、医療機器としての薬事申請を予定しています。
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2028年には海外展開を開始し、世界500万人の発声障害者への普及を目指します。
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AIを用いた「より自然な声」への変換や歌唱、多言語変換ソフトの開発といった技術革新も計画されています。
株式会社東京医歯学総合研究所の代表取締役である山田大志氏は、「この賞は私一人では決して成し遂げられなかった」とコメントしており、大学や社外のチームとの全幅の協力が評価されたものと受け止めています。これからも臨床現場と研究室とのつながりを大切にし、オープンイノベーションを通じてニーズに応え続ける懸け橋のような存在でありたいと語っています。
【プロジェクト参画メンバー】
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株式会社東京医歯学総合研究所(代表取締役 山田大志、取締役 荒瀬秀夫)
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東京科学大学 摂食嚥下リハビリテーション学分野(戸原玄 教授)
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三洲電線株式会社 医療機器開発プロジェクト
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富士システムズ株式会社 営業第二部 一課
関連リンク
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株式会社東京医歯学総合研究所HP: https://tokyomdlabo.com/
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内閣府HP: https://j-startup-city.csti-startup-policy.go.jp/joip



