人口減少を乗り越えよう!山梨で開催された「人口戦略フォーラム」で未来への一歩『やまなし宣言』を採択

3つのシンポジウムで多角的な議論を展開

シンポジウム(1):希望の未来を叶える住まいと住環境の整備

最初のシンポジウムでは、人口減少問題の克服に向け、住まいと住環境を切り口にした戦略が議論されました。関東地方10都県の知事や副知事らが登壇し、子育て世代が安心して暮らせる住宅の供給、所得向上、移住・定住促進、まちづくりなど、各地域の特色を活かした多様なアプローチが示されました。

特に、賃金水準の引き上げと生産性向上、子育て世帯向け住宅の基準策定、古民家再生や空き家活用、交通環境の改善、デジタルを活用したスマートシティ構想など、具体的な施策が紹介されました。また、若者や女性に選ばれる地域づくりには、教育の充実や働き方改革、雇用創出、県民所得の向上といった、ライフスタイルや価値観に寄り添った政策の重要性が強調されました。

議論の締めくくりには、コーディネーターの増田寛也氏が「データに基づいて、それぞれの立場で自分事化して取り組むことが必要」と述べ、この議論が政府の人口戦略本部へ反映されることへの期待が語られました。

シンポジウム1の様子

シンポジウム(2):女性が地方で活躍する社会を創るために

第2部では、女性が地方で活躍できる社会の実現がテーマとなりました。人口減少による労働人口の減少という背景から、女性や多様な人材が活躍できる環境づくりの重要性が強調されました。

山梨専門インフルエンサーのMomoka氏は、行政の施策や地域の取り組みが「知られていない」ことが課題であり、情報発信の工夫が不可欠だと指摘しました。また、病気で手足が不自由になった経験を持つ田中千晶氏は「一生懸命取り組めることを見つけることで、人は輝ける」と語り、障害の有無にかかわらず誰もが暮らしやすい社会の重要性を訴えました。

株式会社YSKe-comの勝美希氏は、管理職への挑戦を乗り越えた経験から、「やまなし女性Miraiクエスト」※への参加を通じて「自分らしいリーダーシップ」を確立したと報告。女性が挑戦しやすい環境にはロールモデルの存在と情報の入手が不可欠だと述べました。

株式会社ササキの佐々木啓二氏は、企業経営者の視点から、女性が活躍できる場づくりが企業成長に不可欠であるとし、柔軟な働き方や管理職登用を支える企業文化の重要性を語りました。また、「山梨えるみん」※などの認証取得を通じて働きやすい会社づくりを進めることが、採用力や企業価値の向上につながると強調しました。

※「やまなし女性Miraiクエスト」は、県内企業における女性管理職比率向上と女性活躍促進を目的に、女性管理職候補者へのスキルアップ研修と企業内プロジェクトの企画・実践を組み合わせた取り組みです。
https://www.pref.yamanashi.jp/danjo-kyosei/miraiquest.html

※「山梨えるみん」は、女性活躍推進に積極的に取り組む県内企業を県が認定し、事例を紹介することで、女性が活躍できる職場環境づくりを促進する制度です。
https://www.pref.yamanashi.jp/danjo-kyosei/yamanashieruminninteiseido.html

シンポジウム2の様子

シンポジウム(3):人材希少社会における人的資本経営

最後のシンポジウムでは、人口減少に伴う労働力不足という構造的課題に対し、企業や地域がどのように「人的資本経営」を実践し、持続可能な成長を実現するかが議論されました。企業経営者、金融機関、労働組合、採用・組織活性の専門家など、様々な分野のリーダーが登壇し、現場の知見と戦略を共有しました。

コーディネーターの内閣官房人口戦略本部総括事務局長である山崎史郎氏は、「人材希少社会とは、企業が人を選ぶ時代から、人が企業を選ぶ時代への転換を意味する」と問題提起し、若者や女性に選ばれる企業づくりが採用力強化だけでなく人口増にも寄与するとの視点から、人的資本経営の重要性を強調しました。

旭陽電気株式会社代表取締役社長の金山雄一郎氏は、託児所設置やオープンオフィスなどウェルビーイング経営を紹介し、「取組を従業員一人ひとりの幸せに落とし込むことが重要」と語りました。株式会社はくばく代表取締役社長の長澤重俊氏は、男性育休100%取得やプレコンセプションケア※の普及など、働き方改革を人口減少対策と結びつける視点を示し、経営層と子育て世代の意識ギャップを埋める必要性を訴えました。

株式会社山梨中央銀行代表取締役頭取の古屋賀章氏は、人材育成、生産性向上、エンゲージメント強化が企業の持続的成長に不可欠であると指摘し、金融機関として多様な支援を行っていることを紹介しました。連合山梨会長の杉原孝一氏は、「AI時代だからこそ、人を資本と捉え、一人ひとりが学び成長できる現場づくりが未来への投資」と述べ、AIとともに人の力を最大限生かす働き方を呼びかけました。株式会社インディードリクルートパートナーズ上席主任研究員の宇佐川邦子氏は、人材育成を起点に離職率改善や賃金アップを実現した企業事例を紹介し、採用が難しいとされる業界や地域でも人材確保と定着は可能であるとエールを送りました。

最後にコーディネーターは、「若者や女性は社会のルールの中で極めて合理的な行動をとっている。問題は、そのルールを決めているシニア層である」と指摘し、人口減少克服のカギはリーダー層のマインド変革にあると強調しました。

※「プレコンセプションケア」とは、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことです。

シンポジウム3の様子

日本創生に向けた「やまなし宣言」を採択

フォーラムの締めくくりとして、登壇者全員が壇上に集まり、人口減少問題を克服し日本創生を実現するため、「安心して子どもを産み育てられる地域づくり」、「誰もが希望を持って挑戦できる環境整備」、「そして一人ひとりが自分事として行動する国民的運動の推進」を盛り込んだ「日本創生に向けた『やまなし宣言』」が採択され、閉幕しました。

フォーラムの様子はYouTubeで!

このフォーラムの様子は、YouTube「山梨チャンネル」で公開されています。フルでご覧いただけるほか、タイムスタンプをクリックすると見たい場面から再生できます。

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