全国870自治体の介護保険計画から見えてくる!高齢者住宅・施設のリアルな需給バランス

介護の未来をデータで読み解く!最新予測データが登場

2025年11月末に、株式会社タムラプランニングアンドオペレーティングから「自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ2025年度版」が発行される予定です。このデータ集は、全国の自治体が策定した介護保険事業(支援)計画を基に、高齢者住宅や施設の「足りているか、足りていないか」を詳しく分析しています。高齢者住宅市場の動向を把握したり、地域に住む人たちの安心感を測ったりする上で、とっても重要な情報になりそうですね。

今回のデータ集はココがすごい!

これまでのデータ集から大きくパワーアップ!対象となる自治体が343ヶ所から一気に870ヶ所(広域連合は構成市町村ごとにカウント)に拡大されました。全国47都道府県はもちろん、政令指定都市や中核市、東京23区など、幅広い地域の計画がデータ化されています。

特に注目なのは、政令指定都市の分析。都市全体だけでなく、その中の「区」ごとの状況にも焦点を当て、よりきめ細やかな分析が行われているんですよ。これは、地域の特性に合わせたサービス提供を考える上で、きっと役立つ情報となるでしょう。

「包括ケア居室」って何だろう?

今回のデータ集で鍵となるのが「包括ケア居室」という考え方です。これは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付有料老人ホームといった「施設系・居住系サービス」に加えて、自宅で最期まで過ごすために必要な「定期巡回」や「夜間対応型」などの地域密着型居宅サービスを組み合わせたものを指します。

この包括ケア居室の供給量と、自分で生活するのが難しく、施設への入居が不可欠と見られる「要介護3以上」の認定者数(需要量)を比較することで、各地域の高齢者住宅・施設の過不足状況が推計されています。

全国的に見ると「供給不足」が深刻!

データによると、対象となった706市区町村のうち、93ヶ所が包括ケア居室が「供給過剰」である一方、なんと613ヶ所が「供給不足」という結果が出ています。多くの地域で、高齢者が必要とする住まいや介護サービスが十分に提供されていない現状が浮き彫りになりました。

図表1:包括ケア居室の過不足状況
図表1の続き

大都市のリアル:札幌、さいたま、大阪の状況

主要な都市の状況を見てみましょう。

供給過剰の筆頭である札幌市では、計画的な施設整備が進み、以前の不足状態が改善されました。しかし、2024年以降は供給過剰の状態が続くと予想されています。さいたま市も供給過剰の改善に取り組んでいますが、既存の住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ付住)の入居者の重度化が課題となっています。市は特定施設への転換を進める方針を示しています。

一方、供給不足が続く上位の自治体、特に大阪市では、包括ケア型の高齢者住宅・施設の開設規制が続き、2020年から2029年にかけて不足量が1.6倍に増加すると予想されています。さらに、大阪市は供給不足であるにもかかわらず、介護保険料が高額であるという、市民にとって厳しい状況が指摘されています。これは、施設サービスを必要とする人が入居できない一方で、負担だけが増えている可能性を示唆していると言えるでしょう。

図表4-5:主要都市の過不足状況

政令指定都市の深掘り:横浜市と大阪市の事例

政令指定都市は一括りに「大都市」と思われがちですが、実際には過疎地域を抱える市や第一次産業の比重が大きい市もあり、多様な顔を持っています。このデータ集では、政令指定都市の区ごとの過不足数も予測しています。

横浜市を例にとると、包括ケア型の施設だけではどの区も供給不足です。しかし、住宅型有料老人ホームやサ付住を加えると、2025年には8区が、2038年には12区が供給過剰になると見込まれています。

図表6-7:横浜市の区別過不足予測

大阪市では、包括ケア型の施設だけではどの区も供給不足の状態が続き、2038年までこの状況は変わらないと予想されています。特に西成区は、要介護3以上の認定者数が最も多く、75歳以上の単独世帯の割合も高いため、不足が深刻です。

住宅型有料老人ホームやサ付住を供給量に加えたとしても、2038年には8区が供給過剰になるものの、依然として16区で不足状態が続くと見込まれています。

図表8-9:大阪市の区別過不足予測

これからの課題と対策:供給不足の改善と特定施設化

今回のデータから見えてくるのは、必要な介護サービスが必要なだけ提供されている自治体は、住民にとって安心できる場所であるということです。一方で、供給過剰な地域では、施設間の競争が激しくなり、サービスの質が問われる時代になるかもしれません。

供給不足の自治体では、施設の数を増やすことが急務です。また、大阪のように包括ケア型施設が不足している一方で、住宅型有料老人ホームやサ付住が増えている地域では、これらの施設を介護保険サービスが使える「特定施設」に転換していくことが重要です。既存の住宅型有料老人ホームやサ付住の入居者の重度化が進む中、特定施設への転換は介護保険施設サービスとしての質を高めることにもつながると考えられます。

高齢者住宅・施設の不足が増え続けないよう、各自治体は初期投資を抑えつつ事業者が参入しやすいような公募条件を検討し、市民にとってより良い介護保険事業計画を立てることが求められています。

最後に:TPデータ・サービスのご紹介

株式会社タムラプランニングアンドオペレーティングは、2005年から高齢者住宅や介護保険居宅サービスのデータ・分析レポート集「TPデータ・サービス」を提供しています。業界最大のデータ量を誇り、全国の高齢者住宅・施設、介護保険情報公表制度対象外の住宅型有料老人ホーム、分譲型ケア付きマンション、居宅サービス事業所までを網羅しています。

2025年度版TPデータ・サービスは、「1.高齢者住宅データ」、「2.介護保険居宅サービスデータ」、「3.自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ」の3商品で構成されています。全国版だけでなく、地域分割版や分析レポート単体でも提供されています。


商品概要

3.自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ 2025年度版

  • 発行日:2025年11月末日

  • 商品概要:高齢者住宅マーケット動向の予測に役立つ「データ集」「分析レポート」

  • 主な分析項目:第9期介護保険事業計画期間中の施設・居住系・地域密着型サービスの整備計画の集計・分析、施設・居住系・地域密着型サービスの需給動向の中長期予測など

  • 対象エリア:全国870自治体(広域連合は構成市町村数でカウント)

    • 都道府県47ヶ所、政令指定都市20ヶ所、中核市61ヶ所、特別区23ヶ所、広域連合(18地域、構成市町村135ヶ所)、前述以外の市町村584ヶ所(内、市466ヶ所、町108ヶ所、村10ヶ所)

商品詳細はこちらで確認できます: https://www.tamurakikaku.co.jp/dataservice/eriadata2016.html

会社概要

  • 会社名:株式会社 タムラプランニングアンドオペレーティング

  • 所在地:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町1-13 大手町宝栄ビル601

  • 代表者:代表取締役 田村 明孝

  • 設立:1987年9月

  • URLhttps://www.tamurakikaku.co.jp/


関連記事

  1. 「プロジェクトの前提、ズレてない?」チームの空中分解を防ぐ!無料の「ゴールデザイン」実践ワークショップが1/30開催

  2. 徳島に新しい交流の場が誕生!DX推進HUB「toku-Noix(とくのわ)」がスタート!

  3. 自治体からの給付金、もっと便利にならないかな?住民720名の本音から見えた「デジタルシフト」への期待と世代別ニーズ

  4. 清瀬市がゼロカーボンシティへ!エナーバンクとタッグで再エネ導入を加速、コストも削減!

  5. 住みここちNo.1!鹿児島県姶良市がショートドラマやラップで魅力を発信!

  6. 東日本大震災から15年、被災者支援の「寄り添いかた」を考える報告会が開催されました!

ツールバーへスキップ