アフリカの子どもたちを襲うエルニーニョ現象の脅威
ユニセフ(国連児童基金)は2026年9月1日、東部・南部アフリカ地域で1億6,200万人を超える子どもたちが、2026年から2027年にかけて強まるエルニーニョ現象の影響を受ける地域に暮らしていると警鐘を鳴らしました。これは、この地域の子どもの3分の2以上にあたります。

深刻化する干ばつ、極端な高温、洪水は、子どもたちの栄養状態や健康、安全な水と衛生設備の利用、教育、そして安全を脅かしています。ユニセフは、最も深刻な影響が現れる前に対策を講じるための、限られた時間の中で行動を起こすよう訴えています。
危機に瀕する子どもたちの現状
ユニセフ東部・南部アフリカ地域事務所代表のエトレバ・カディリ氏は、「エルニーニョ現象による脅威は高まっており、子どもたちへのリスクはすでに明らかです。この地域全体で、子どもたちは食料や水の不足、保健サービスの逼迫、学習機会の喪失に直面しています」と述べています。さらに、大規模な気候危機は、子どもたちを極めて危険な状態に追い込み、彼らを支える制度やサービスを限界にまで追い込む恐れがあります。
ユニセフの評価によると、ジブチ、エリトリア、エチオピア、ケニア、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、ソマリア、南スーダン、スーダン、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエの13カ国の子どもたちが、差し迫った複数のリスクにさらされています。
例えば、ソマリアでは、最も深刻な予測シナリオの場合、最大250万人が洪水の直接的な影響を受け、避難を余儀なくされるだけでなく、食料、保健医療、安全な水、教育へのアクセスにも支障をきたす恐れがあります。エチオピアでは、すでに深刻な食料不安を抱える地域を中心に、何万人もの子どもたちが影響を受ける可能性があります。また、南スーダンでは、干ばつ、極端な高温、局地的洪水が、食料不安や栄養不良を深刻化させ、感染症の集団発生や飢きんのリスク、大規模な避難を加速させる恐れがあるとのことです。

予測に基づく緊急の行動と資金援助の呼びかけ
命を守り、人道上のニーズを軽減し、これまで積み上げてきた開発の成果を守るための鍵となる「予測的行動」には、現在、国際的な人道支援資金の1%未満しか充てられていません。ユニセフは、影響がピークに達する前に、子どもたちにとって極めて重要な以下の行動に対する資金不足を埋めるための緊急の投資を呼びかけています。

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栄養支援サービスの拡充:命を守る支援物資を事前配備し、早期検査と早期治療の規模を拡大します。
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保健および水と衛生(WASH)システムの支援:疾病監視体制、必須の集団予防接種、保健サービスを強化し、安全な水、衛生設備、衛生環境を確保します。
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子どもたちの学びの継続:学校施設・設備の強化を図り、教育の中断が生じる前に安全な代替学習スペースを整備します。
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暴力や搾取からの子どもの保護:心理社会的支援、家族の所在確認と再会支援、ジェンダーに基づく暴力の防止策を拡充します。
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危機対応型の社会的保護の強化:早期警戒システムを事前の現金給付などの社会的保護措置と連携させ、政府が主導する危機対応体制の能力強化を図ります。
ユニセフは、13の重点対象国の子どもと家族に対し、予測に基づく支援と命を守る支援を届けるため、現行の「子どもたちのための人道支援2026(Humanitarian Action for Children: HAC)」計画の下、1億7,300万米ドルを緊急に必要としています。エルニーニョ現象の影響が強まる前の今こそ、早期かつ柔軟な資金提供が不可欠です。
危機が目に見える形で現れる前に予測に基づいて行動することは、子どもたちを守り、大きな効果をもたらします。防災に1米ドル投資するごとに、将来の復旧に必要な費用を最大15米ドル削減できる可能性があるとされています。
カディリ代表は、「何が起ころうとしているのか、どの子どもたちが最も危険にさらされているのか、そしてどうすれば彼らを守ることができるのかは分かっています。今行動するのか、それとも危機が深刻化するまで待ち、子どもたちにさらに大きな代償を払わせるのか。世界は今、その選択を迫られているのです」と、国際社会に訴えかけています。
エルニーニョ現象とは?
エルニーニョ現象とは、太平洋の海面水温が異常に高くなることで特徴づけられる自然現象です。世界各地の降雨量、気温、異常気象の発生に変化をもたらします。その影響は、東部・南部アフリカ地域の中でも場所によって、また時間の経過とともに異なる形で現れます。東部アフリカでは10月~12月の短い雨期に洪水の脅威が高まる一方、南部アフリカでは降雨不足と農作物の不作により、食料不安が深刻化する恐れがあります。子どもたちが被る影響は、栄養不良の増加、疾病の広がり、基礎的サービスの中断など、2027年に入ってもなお続く可能性があります。
ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。
詳細はユニセフのウェブサイトをご覧ください。
日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。
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