日本のインフラ、深刻な人手不足と「修繕未着手」問題
日本のインフラは、老朽化とそれを支える人手不足という二重の課題に直面しています。特に、橋の点検と修繕は喫緊の課題です。国土交通省が2026年8月26日に公表した「道路メンテナンス年報」によると、建設から50年以上が経過した橋は、2025年度末までに約24万橋へと倍増する見込みです。
その中でも、市区町村が管理する橋の状況は特に深刻です。早期または緊急に修繕が必要と判定されながら、いまだ措置に着手できていない橋が全国で1万1,699本も存在します。この原因は、点検作業そのものよりも、その後に続く膨大な量の調書作成作業にあると指摘されています。現場で撮影した写真から変状を判読し、ひび割れの寸法を測り、国の定める様式に文章で書き起こすという一連の作業が、多くの時間と人手を要するため、点検業務を外部に委託せざるを得ないケースも少なくありません。市町村自治体の25%は技術職員がゼロという現状も、この課題をさらに深刻化させています。
AIが「書く」をサポート!点検所見自動生成の新技術
このような課題に対し、株式会社ベイシスコンサルティングは、北海道大学大学院情報科学研究院と共同で、点検写真から変状を検知し、調書に載せる所見文までをAIが自動で生成する新技術を開発しました。
この技術の大きな特徴は、専門の点検技術者でなくても、スマートフォンのカメラで構造物を撮影するだけで、3次元データと写真を同時に取得できる点です。これにより、現場の状況を正確に記録できます。

そして、撮影された画像データをもとに、AIが変状の種類、位置、寸法を判読し、「主桁に顕著な錆、剥離あり。」や「スラブにW=0.2mm L=300mmのひび割れを確認。」といった、そのまま調書に転記できる所見文を自動で生成します。生成された所見は、維持管理システムへファイルで連携することも可能です。

このAIは、ベイシスコンサルティングのインフラデータ統合基盤「SIMPL(R)」、3次元計測アプリ「Mapry」、国土交通省のデータ連携基盤「xROAD」と組み合わせて利用されます。点検から調書作成までを一貫して行うサービス「サポ楽」では、業務量が約8割削減された事例も報告されており、効率化への貢献が期待されます。

この技術は、2026年度よりモニタリング販売・試行提供が開始される予定です。
「土研新技術ショーケース2026 in 東京」で初公開
この新しいAI技術は、2026年9月8日(火)に国立研究開発法人土木研究所が主催する「土研新技術ショーケース2026 in 東京」で初めて一般公開されます。イベントでは、この画像診断所見生成AIを含む4つの技術が実機で公開され、来場者は実際の画面や操作を体験できます。
《土研新技術ショーケース2026 in 東京 開催概要》
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名称:土研新技術ショーケース2026 in 東京
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主催:国立研究開発法人 土木研究所
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日時:2026年9月8日(火) 10:00~16:00(展示会場 9:30~14:40)
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会場:一橋講堂 (〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階)
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形式:会場開催およびWEBライブ配信(Zoomウェビナー)
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参加費:無料
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申込締切:2026年9月3日(木) 17:00
- ※申込状況により早めに締め切られる場合があります。
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詳細・申込:


株式会社ベイシスコンサルティングの代表取締役である石川雄章氏は、「インフラを守る仕事で一番減らしたいのは、現場に行く時間ではありません。持ち帰ってから机に向かう時間です。そこが減らないから点検を外に出すことになり、記録も判断も自分たちの手から離れていきます。AIに所見を書かせるのは、判断を任せるためではありません。職員の方が自分の目で見て、自分の頭で決めるための時間を取り戻すためです。撮ったデータと残した言葉が地域の資産として積み上がっていく。そういう仕組みを、これからも地域の皆さんと一緒に作っていきたいと考えています。」とコメントしています。
この技術が、日本のインフラ維持管理における人手不足問題の解決に貢献し、より安全で持続可能な社会の実現につながることが期待されます。
株式会社ベイシスコンサルティングの詳細については、以下のURLをご覧ください。


