なぜ共同書簡が送られたの?
この共同書簡は、SFOC (Solutions for Our Climate)という団体が中心となって、国際環境NGO FoE Japanや気候ネットワークなどが賛同して作成されました。日本の金融機関に対して、主に以下の5つのことを求めています。
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LNG運搬船への融資では、海の生き物や地域の人々への影響を考えて、ちゃんとした環境影響評価(環境・社会デューデリジェンス)をしてほしい。
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LNG運搬船は動く資産だけど、全体で見ると環境や社会に大きな影響があるから、船ごとにしっかり評価してほしい。
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LNG運搬船への融資を、環境に優しいとされる「グリーン金融」や「トランジション金融」の対象から外す方針にしてほしい。
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2030年までにLNG運搬船が増えすぎてしまうかもしれないリスクを考えて、融資の判断をしてほしい。
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モザンビークのLNG事業向けの船に融資しているかどうか、情報を公開してほしい。
日本の金融機関が世界でトップクラスの融資額
SFOCの調査によると、日本の金融機関34社は、世界のLNG運搬船への融資で最も多くの資金を提供しているんだとか。特に、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、三井住友トラストグループ(SMTG)、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)、山口フィナンシャルグループ(YMFG)の5社は、2020年から2025年の間に、世界のLNG運搬船向け融資総額の約27%(17億7,000万米ドル)を占めています。MUFGだけを見ると、世界全体の12.8%を占めていて、単独の金融機関としては世界最大のLNG運搬船向け融資額なんだそうです。

環境への影響と国際的な流れ
日本の金融機関が融資するLNG運搬船は、生態系や地政学的に特にデリケートな海域を航行しています。しかし、これらの船が環境影響評価の対象になっていないケースもあると指摘されています。
SFOCの推計によると、日本企業が融資したり保有したりするLNG運搬船が関わるLNG事業のCO₂排出量は、年間で約20億8,400万トンにもなり、これは日本の年間温室効果ガス排出量の2倍以上にあたるそうです。
また、海外ではLNG運搬船への融資を厳しくしたり、対象から外したりする金融機関が増えている中で、日本の金融機関の対応は国際的な流れから取り残されつつある状況です。
財務上のリスクも
共同書簡では、LNG運搬船が増え続けることによるお金のリスクにも触れています。第三者機関の予測では、世界のLNG運搬船は2030年までに40%以上も供給過剰になる可能性があるんだとか。新しい船への融資を続ける金融機関にとっては、投資したお金が無駄になってしまう「座礁資産」を抱えるリスクが高まることになります。
署名団体からの声
国際環境NGO FoE Japanの佐藤万優子氏は、「日本の金融機関は、温室効果ガス排出量が多いLNG事業を可能にするLNG運搬船に、今も巨額の金融支援を続けています。適切なデューデリジェンスを行えば、貴重な海洋生態系や現地の人々の生活に悪影響を及ぼしていることが分かり、金融支援を行わない判断をするはずです。」とコメントしています。
気候ネットワークの鈴木康子氏は、「LNGを『脱炭素化された燃料』として利用拡大を推進する日本の政策は、排出削減に寄与しないだけでなく、エネルギー安全保障の根本的な課題解決を先送りしているにすぎません。」と述べています。
SFOCについて
この活動を主導しているSFOC(Solutions for Our Climate)は、2016年に韓国で設立された気候変動対策を専門とする非営利団体です。世界の平均気温上昇を1.5℃以内に抑えるというパリ協定の目標達成に向けて、温室効果ガスの削減に取り組んでいます。
今回の共同書簡が、日本の金融機関がLNG運搬船への融資方針を見直し、より持続可能な未来に向けて一歩を踏み出すきっかけになることが期待されます。
参考情報
- SFOCの報告書はこちらから確認できます。


