国際炭素市場の厳しい要件とフェイガーの挑戦
近年、欧州の炭素国境調整措置(CBAM)やパリ協定第6条の具体化など、国際的な規制がどんどん厳しくなっています。これに伴い、カーボンクレジットの「信頼性」や、具体的な脱炭素ソリューション、そしてパートナーシップの構築が非常に重要になっています。
サミットのパネルディスカッション「Nature-Based Carbon: From Projects to Finance(自然由来のカーボンクレジット:プロジェクトから金融まで)」では、フェイガーの東南アジア事業プロジェクトコーディネーターである田島大基氏が登壇し、現場のプロジェクトを国際金融市場へ繋ぐための主要な課題について議論しました。

国際市場からは、特に以下の3つの厳しい要件が求められています。
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クレジットの信頼性(Credit Integrity): 発行量の正確性やクレジットの品質を保証すること。
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コミュニティ最優先(Community First): 現地コミュニティへの利益還元や、持続可能なガバナンス体制の確保。
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資金調達とコンプライアンス(Funding & Compliance): パリ協定第6条に基づく国間取引への適合と、監査に耐えうるデータの実現。
フェイガーが提示した2つの解決策
これらの厳しい要件に対し、フェイガーはフィリピンで展開している間断灌漑(AWD)プロジェクトの実績をもとに、すでに社会実装されている2つのユニークなソリューションを紹介し、大きな関心を集めました。
独自アプリによる「デジタルMRV」でデータの信頼性を確保
クレジットの信頼性という課題に対して、フェイガーは独自開発したスマートフォンアプリでデータを管理しています。AWDプロジェクトでは、水位レベルの写真や圃場のポリゴンデータなどをアプリで一元管理することで、高精度なデータと確実なトレーサビリティを確保しています。これにより、二国間クレジット制度(JCM)のような高水準な国際市場にも対応できるクレジット創出体制を実現している点が強調されました。

「包括的農家支援モデル」でプロジェクトの永続性とESG価値を創出
単なる金銭的な利益還元にとどまらず、プロジェクトそのものが現地コミュニティの持続可能な発展に貢献する仕組み(Community First)も構築しています。フェイガーはフィリピン稲研究所(PhilRice)と連携し、現地の小規模農家に対して種子の選定や最適な施肥方法といった、きめ細やかな農業トレーニングを提供しています。農家の生産性向上と所得向上に直接コミットすることで、地域住民との信頼関係を深め、プロジェクトの長期的な永続性を生み出している事例が紹介されました。

今後の展望:アジア太平洋地域のサステナブル農業のリーダーへ
フェイガーは、これまで日本国内で培ってきた農業由来カーボンクレジットに関する豊富な知見と仕組みをベースに、今後もアジア太平洋地域における小規模農家の所得向上、持続可能な農業の推進、そして国際基準に準拠した透明性の高い脱炭素社会の実現に貢献していくとのことです。
CFAS(Climate Futures APAC Summit)について
「CFAS(Climate Futures APAC Summit)」は、アジア太平洋(APAC)地域における気候変動対策と炭素市場に特化した国際的なビジネスサミット・展示会イベントです。APAC地域でのネットゼロへの移行を加速させるため、最先端の脱炭素ソリューションの共有や、信頼性の高い炭素市場構築に向けた具体的な戦略・パートナーシップ創出の機会となっています。
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名称:CFAS(Climate Futures APAC Summit)
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開催日時:2026年6月17日〜18日
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開催場所:タイ・バンコク



