「未来は自分たちの手で!」ルワンダの子どもと大人がレゴで描いた“夢のまち”

ルワンダの子どもと大人がレゴで描いた“夢のまち”

「未来は、誰かにもらうものではない」――この力強いメッセージを胸に、特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトが2026年8月にルワンダで「ルワンダプロジェクト2026」を実施しました。

レゴブロックを使った創造性・問題解決力・リーダーシップ育成の授業は、Kibagabaga小学校とMiyove地区で行われ、子どもから大人までが自分たちの未来を形にする体験をしました。

ワークショップの様子

9年間の継続支援が実を結ぶKibagabaga小学校

なかよし学園プロジェクトは2017年から9年間、都市部の貧困地域にあるKibagabaga小学校で教育支援を続けてきました。

当初、授業は先生が黒板に書いた内容を児童がノートに写す形式が中心でしたが、教材や教育機会が限られる中で、児童が主体的に学ぶ機会は少なかったそうです。そこで、なかよし学園プロジェクトは教材を提供するだけでなく、日本人メンバーによる模範授業や、現地教員向けの研修を実施。授業の導入方法や教材の使い方、失敗を学びへ変える方法などを共有してきました。

この再現可能な教育モデルを9年間続けた結果、Kibagabaga小学校では、児童が理解し、楽しみ、学んだことを活用する授業が定着し始めています。同校は、貧困地域にある学校としては珍しく、ルワンダ政府から教育先進校として表彰されるまでに成長しました。これは、新しい授業を学び、自分たちの教育として育ててきた現地教員と児童の努力の証と言えるでしょう。

レゴブロックで遊ぶ子供たち

レゴを「遊び」で終わらせない授業

8月6日には、Kibagabaga小学校でレゴブロックを使った授業が行われました。目指したのは、ただ立派な作品を完成させることではありません。「何をつくりたいか」「どの部品が必要か」「なぜうまくいかないのか」「どうすれば改善できるか」「自分の考えをどう伝えるか」といった問いを通じて、観察力、論理的思考力、空間認識力、試行錯誤、コミュニケーション、協働といった多くの学びが育まれました。

レゴブロックで遊ぶ子供たち

翌8月7日には、前日の授業を現地教員が再現できるよう、研修を実施。これにより、一度きりの体験で終わらせず、先生たちが次の児童や学年へと学びを広げていけるように工夫されています。

Kibagabaga小学校のTheophile教員は、「なかよし学園プロジェクトは毎年、質の高い日本の教育を提供してくれます。私たちは研修で学びを自分たちのものとし、新学期に授業へ取り入れています。以前は、先生が教科書を黒板に写し、児童はそれを書き取る授業でしたが、今は理解し、楽しみ、さらに学びを活用する授業へと変わっています」と語っています。

支援物資を求めた地域で「未来」をつくるMiyove地区

8月11日、なかよし学園プロジェクトはMiyove地区で、子どもと大人を対象としたレゴの「未来のまちづくり」授業を行いました。

Miyoveは、ルワンダ国内でも特に貧困が深刻な地域の一つです。活動開始当初は、生活に必要な物資が極端に不足し、支援物資が届くと大人たちが殺到せざるを得ない状況でした。それは、明日の食事や家族の命を守るために、目の前の物を確保しなければ生きられないほど地域が追い詰められていたからです。

子供の足を洗う女性

なかよし学園プロジェクトは、現地パートナーと共に教育支援だけでなく、保護者の就業支援や幼稚園設立も進めてきました。食料、学校、仕事などを切り離すのではなく、教育、就業、所得、子育てを一つの仕組みとしてつなぐことで、地域が自給自足に依存する状態から抜け出せるよう支援を続けています。

月日が流れ、今回、かつて今日を生きるための物資を求めたこの地域の人々が、レゴブロックを手に「これからのMiyove」を考え始めました。

なぜ大人にもレゴの授業を?

Miyove地区には、幼少期に十分な学校教育を受ける機会がなく、読み書きや長い文章での意思表明が難しい大人も少なくありません。しかし、文字で計画書を書けないことと、地域の未来を考えられないことは同じではありません。

レゴブロックを使えば、学校、道路、仕事を生み出す施設、人が集まる場所、子どもが安心して過ごせる空間などを、目に見える形で表現できます。言葉だけでは伝えにくかった願いが、色とりどりのブロックによって形になりました。参加者は互いの作品を見せ、説明し、他の人のアイデアを組み合わせながら、自分たちが暮らしたい地域を考えました。

レゴに取り組む大人たち

この授業において、レゴは単なる子どものおもちゃではありません。年齢、識字能力、教育歴の違いを超えて、誰もが地域づくりに参加するための大切なコミュニケーションツールとなりました。

「自分たちの社会を、自分たちでつくる」リーダーシップ教育

都市や地域は、建物を並べるだけでは成り立ちません。学校、道路、仕事、医療、防災、食料、公共空間、住民同士の助け合いなど、それぞれの要素がつながり、一つの社会システムとして機能する必要があります。

今回の授業では、都市設計の考え方を基礎に、参加者が自分の作品だけでなく、他者がつくったものとの関係性も考えました。例えば、学校をつくるなら、子どもが安全に通える道が必要です。仕事場をつくるなら、そこで働く人と商品を届ける仕組みが必要です。

一人で自由に作品をつくる「創造性」から、他者の意見を聞き、複数の作品を一つの地域へまとめる「協働性」へ。そして、自分たちの地域の課題を自分たちで考え、行動する「リーダーシップ」へと学びが深まります。

なかよし学園プロジェクトは、レゴを通じて「未来は、誰かがつくって与えてくれるものではない。自分たちで考え、仲間と話し合い、自分たちの手でつくっていくものです」というメッセージを伝えました。

教育システムを説明する先生

二つの地域で育てる、二つの持続可能性

今回のレゴ授業は、二つの地域で異なる役割を果たしています。

Kibagabaga小学校では、児童への模範授業と教員研修を組み合わせることで、現地教員によって授業が繰り返される「教育の持続可能性」を生み出しました。

Miyove地区では、子どもと大人が一緒に地域の未来を考え、住民自身が地域づくりの主体となる「社会の持続可能性」を育みました。

一度きりの体験で終わらせず、授業が学校に残る。答えを外から与えるのではなく、地域の人々が答えをつくる。支援を受けるだけだった人が、次の誰かを支える側になる。なかよし学園プロジェクトは、この変化こそが、貧困の連鎖を断ち、戦争や暴力を生み出さない地域をつくる基盤になると考えています。

今後の展開と「世界とつながる学び(CoRe Loop)」

今後は、Kibagabaga小学校の教員が新学期以降にレゴや算数教材を用いた授業をどのように再現・発展させているかを継続的に記録します。

Miyove地区では、現地パートナーと連携し、今回生まれた地域のアイデアを教育、就業支援、幼児教育、地域づくりへつなげていく予定です。

日本で生まれた「レゴが好き、レゴで夢のまちをつくりたい」という一人の小学生の思いが、海を越えてルワンダの子どもや大人の学びへと広がりました。このフィードバックが、今度は日本の子どもの自己効力感と、次の行動を生み出します。

レゴフレンズのおもちゃを持つ笑顔の子供たち

これは、日本で生まれた思いが世界で実践され、その成果が日本へ還元され、次の学びへとつながる「世界とつながる学び(CoRe Loop)」の実践です。

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