地域に合わせた有機農業の推進をデータで支援
2021年に農林水産省が発表した「みどりの食料システム戦略」を受けて、有機農業の推進に取り組む自治体が増えています。しかし、「何から始めたらいいの?」「どんな施策が効果的?」といった具体的な課題解決に悩む自治体も少なくありません。
そんな中、坂ノ途中は2022年に「坂ノ途中の研究室」を立ち上げ、これまで培ってきた知識やデータを活用して、企業や自治体、大学と協力しながら有機農業を広めるための研究や事業開発を行ってきました。2024年9月には、全国の有機生産者を対象にしたアンケート調査を基に「有機農業白書 Vol.1」を発行し、有機農業の生産・流通・消費における現状を分析しています。
そして今回、地域によって有機農業の状況が異なることから、「地域版白書」の提供をスタート。その記念すべき第一号が、豊かな自然に恵まれ、新規就農者が増えている山梨県北杜市です。坂ノ途中と北杜市は昨年6月に連携協定を結び、有機農業のさらなる推進を目指しています。
北杜市の有機農業、データでわかったこと
坂ノ途中の研究室が北杜市で調査を行った結果、北杜市で有機農業が盛んな理由がいくつか見えてきました。例えば、「希望の土地に就農できた人が多いこと」や「自治体からの支援が充実していること」などが挙げられます。これらのデータは、北杜市での新規就農を考えている人にとって、きっと参考になるでしょう。また、地域の実情に合った支援体制を作る上でも役立つと考えられています。
さらに、この調査では、自治体支援の効果や売上規模による農業のスタイルの違いなど、他の地域でも活用できるような知見も得られました。坂ノ途中は今後も様々な地域と連携して「地域版白書」を展開し、共通するデータを集めて分析することで、全国各地で地域に合った有機農業の推進や地域づくりをサポートしていく予定です。
「北杜市版有機農業白書」調査結果の一部をご紹介!
新規参入者が9割、市の支援も手厚い
北杜市で有機農業に取り組む生産者のうち、なんと9割が新規参入者でした。また、新規参入者の76%が自治体からの支援を得られていると回答しており、これは全国平均(61%)と比較してもかなり充実していると言えます。このことから、新規参入者の多さには自治体の手厚い支援が関係していると考えられます。


希望の土地での就農が81%!安定した営農につながる
北杜市では、新規参入者の81%が希望の土地で就農できています。全国の調査では、希望の土地に就農できるかどうかがその後の経営に影響するという結果が出ており、北杜市では所得が400万円を超える人が36%を占めています。全国の新規参入者(5年目以上)の農業所得の中央値が150万円であることを考えると、北杜市では比較的高い所得を確保できており、希望の土地での就農が安定した営農につながっていると言えそうです。
全国の新規就農者の就農実態に関する調査結果はこちらから確認できます。
新規就農者の就農実態に関する調査結果
売上規模で農業のスタイルが変わる
売上と所得の関係を分析したところ、総売上が1,000万円前後の生産者は利益率が高く、農業関連事業や農業以外の事業も組み合わせている傾向が見られました。一方、売上が1,000万円以上の規模になると、共同出荷に参加する人が多くなります。このように、売上規模によって農業の形が変わるというデータは、将来の就農検討や経営判断の際に役立つ指標となるでしょう。


「北杜市版有機農業白書」の概要と閲覧方法
「北杜市版有機農業白書」は、北杜市が発行し、坂ノ途中の研究室の小松光さん、渡邊春菜さんが執筆しました。2026年発行で、有機生産者の実態、生活、農業の形、北杜市の良い点などが構成されています。
北杜市のホームページや就農窓口で公開される予定です。また、この白書のデータを活用して、北杜市での有機農業での就農を検討している方向けのサイトも制作されました。北杜市の魅力が詰まったサイトは、就農者の誘致につながることが期待されます。
北杜市の有機農業情報サイトはこちらからチェック!
北杜市の有機農業情報サイト
全国各地の自治体の皆さんへ
「全国版・有機農業白書」のダイジェスト版(無料)を希望する方は、以下のURLから申し込めます。
坂ノ途中は、全国約1,000軒の有機農家とのつながりを持ち、新規就農者をサポートしてきた経験やデータをもとに、有機農業の推進を目的とした自治体との連携を進めています。もしご興味があれば、坂ノ途中の研究室まで気軽に問い合わせてみてください。
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坂ノ途中は、環境に優しい農業を広めることを目指し、新規就農者や海外のコーヒー生産者と協力して、持続可能なバリューチェーンの構築に取り組んでいます。農薬や化学肥料を使わない農産物、アグロフォレストリーで栽培されたコーヒーなどを販売するほか、自治体や大学、企業との連携で研究や事業開発も行っています。



