気候変動が子どもたちの生活を一変させている現実
想像してみてください。学校に行くために、ワニがいるような流れの速い川を泳いで渡らなければならない子どもたちがいることを。これは、パプアニューギニアに住む15歳のローナさんとそのクラスメートたちの現実です。洪水で橋が壊れてしまい、彼らは命がけで学校に通っています。
気候変動の影響は、もはや遠い未来の話ではありません。ユニセフ(国連児童基金)が発表した「子どもの気候リスク報告書2026年版」では、この深刻な現実が明らかにされています。

世界中の子どもたちが直面する複合的な危機
ユニセフの最新分析によると、現在、世界中のほぼすべての子ども(約23億人)が、洪水、干ばつ、熱帯低気圧、極端な高温といった気候ハザードの少なくとも1つにさらされています。さらに深刻なのは、多くの子どもが複数の脅威に同時に直面していることです。
データでは、世界の子どもの約半数にあたる11億人が、少なくとも3つの気候ハザードにさらされていることが示されています。地域によっては、子どもたちが最大で6つの気候ハザードに直面しているというから驚きです。

このような複数の気候ショックが重なると、その影響は増幅し、子どもたちの生活を根底から変えてしまいます。例えば、アフリカのサヘル地域では、極端な高温、干ばつ、砂塵嵐といった気候ハザードが同時に発生しています。バングラデシュ、ミャンマー、パキスタンなどでは、世界のどの地域よりも深刻で多くの気候ハザードに子どもたちがさらされているのです。ハイチやバヌアツのような小さな島国では、たった一度の暴風雨で社会システム全体が機能不全に陥ることもあります。
健康、教育、安全が脅かされる子どもたち
気候ハザードが重なると、その影響はさらに危険なものになります。干ばつが飢えや栄養不良を引き起こし、その後に洪水が発生すれば、水源が汚染されてコレラなどの感染症が広がる恐れがあります。一つの危機が、次の危機を一層深刻にする悪循環です。
紛争の影響を受けている地域の子どもたちは、さらに過酷な状況に置かれています。中央アフリカ共和国、チャド、ハイチ、スーダンなどでは、保健ケア、栄養、水と衛生といった基本的なサービスが極めて限られているため、通常なら命に関わらない程度の洪水や干ばつでも、彼らの命を危険にさらす可能性があります。

現在、世界では6億3,400万人の子どもが安全な飲み水を手に入れられず、10億人が安全な衛生設備のない環境で暮らしています。気候ハザードは、こうした脆弱な状況をさらに悪化させ、5歳未満の子どもの主な死因の一つである下痢症のリスクを高めています。
教育も大きな打撃を受けています。2024年には、少なくとも2億4,200万人の子どもが気候ハザードによって学校での勉強を中断せざるをえなくなりました。多くの家族が避難を余儀なくされ、子どもたちは家族と離ればなれになったり、暴力や搾取に遭ったり、心に深い傷を負ったりするリスクが高まっています。

気候危機を引き起こした原因に、子どもたちはほとんど関与していません。それなのに、最も高い代償を払わされているのは彼らなのです。
ユニセフが求める緊急の行動
ユニセフは、この報告書を通じて、子どもたちが置かれている状況を明確にし、最も緊急な対応が必要な場所を示しています。各国政府がリスクの高い子どもたちを特定し、不可欠なサービスを強化することで、次のショックが訪れる前に子どもたちを守ることができると訴えています。
具体的に有効な対策も示されています。例えば、停電時でも子どもたちが学び続けられるように太陽光発電を導入すること、地表の水源が枯渇した際には地下水帯水層から飲み水を確保すること、農業用水として水を再利用できるよう衛生システムを改良すること、そして熱帯暴風雨から子どもたちとその家族を守るための避難所を整備することなどです。
気候変動は地球を変えるだけでなく、子どもたちの未来をも変えています。子どもに焦点を当てた緊急の気候行動がなければ、彼らが今日直面しているショックは一層強まるばかりでしょう。しかし、適切な投資と政治的な意思があれば、リスクを軽減し、システムを強化し、子どもたちが生き延び、健やかに成長する機会を守ることができるはずです。
関連情報
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「子どもの気候リスク報告書2026年版」(英語): https://data.unicef.org/resources/childrens-climate-risk-report-2026/
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ユニセフについて: https://www.unicef.org
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日本ユニセフ協会について: https://www.unicef.or.jp



