合鍵、誰かに渡してる?
調査によると、自宅の合鍵を誰かに渡している人は全体の約6割にのぼります。最も多いのは「両親」(41.0%)で、次に「恋人・パートナー」(10.6%)、「兄弟」(5.8%)と続きました。注目すべきは男女間の意識差で、「誰にも渡していない」と回答した女性は50.4%に達し、男性を約15%も上回っています。男性は家族に鍵を託す傾向が強いのに対し、女性はひとり暮らしにおける「個の自立」や「プライバシー」を重視していることがうかがえますね。
隣人、顔も名前も知らないってホント?
驚くべきことに、ひとり暮らしの男女全体の52.0%が隣人の顔も名前も知らないと回答しました。物理的に隣り合って生活していても、心理的な接点がほとんどない「都市型の孤独」が一般的になっているようです。男性の方が顔も名前も知らない人が多い傾向にあり、隣人との関わりを避ける、あるいは無関心であると考えられます。一方で女性は「顔だけ知っている」(33.6%)が男性より高く、共用部ですれ違う際などに、防犯上の観点も含め相手を認識しようとする意識があるのかもしれません。

家での「独り言」や「モノに話しかける」が約8割!
隣人との関係が希薄化する一方で、ひとり暮らしの人たちは家の中で独自のコミュニケーションを築いています。なんと、ひとり暮らしの男女全体の77.8%が、家の中で「独り言」や「モノに話しかける」ことがあると回答しました。特に女性の約3人に1人が頻繁に独り言を発しており、孤独の解消や感情整理のためのメンタルケアとして「声」が大切な役割を果たしているようです。スマートスピーカーへの話しかけが一般化した背景には、この「家の中でひとりでいても声を出したい」という潜在的なニーズがあったのかもしれませんね。

独り言は最高のセルフケア?
独り言やモノに話しかけることで、どのような感情の変化を感じるか尋ねたところ、「寂しさが紛れる」(34.4%)と「ストレスが解消される」(34.1%)がほぼ同率でトップでした。「虚しくなる」(3.3%)といったネガティブな反応は極めて低く、この行為がひとり暮らしにとって有効なセルフケアであることが分かります。隣人関係がより希薄な男性は孤独感を埋める傾向が強く、女性は日々のストレスを解消しようとする心理がうかがえます。また、約17%が「頭が整理される」と回答しており、思考整理やタスク管理の手段としても活用されているようです。

AIは「同居人」や「友人」のよう
隣人の顔と名前を半数以上が知らない一方で、ひとり暮らしの約6割がAIチャットボットやスマートスピーカーを「同居人」や「友人」のような存在として受け入れていることが明らかになりました。AIは単なる「道具」ではなく、同じ空間を共有する「気配」や「存在」として認識されているようです。かつて自分自身に向けていた独り言も、今ではAIが受け皿となり、孤独やストレスを和らげる大切な存在へと進化しています。物理的なつながりが希薄化する中で、AIという「擬似的な他者」が生活に溶け込み、心の隙間を埋める「AIとの共生スタイル」が浸透していることがうかがえますね。

「静かなる自律型ライフスタイル」が浸透
今回の調査から、現代のひとり暮らしには「外への匿名性」と「内への親密さ」という特徴が見えてきました。かつての地域コミュニティのような濃密なつながりは希薄になったかもしれませんが、現代のひとり暮らしは、自分自身を整え、労わるために「独り言」や寄り添ってくれる「AI」というパートナーを賢く選び取り、自分らしくしなやかに自立しようとするスタイルがうかがえます。外ではプライバシーを守りながら心地よい距離感を保ち、自宅ではAIや自分自身と語り合いながら心を癒やす。「静かなる自立」は、むしろ豊かで贅沢な生き方の一つと言えるかもしれません。
この春から新生活を始めた皆さんへ、「ひとり」であることは決して「孤独」であることと同じではありません。ひとり暮らしの時間は、自分らしい自由を楽しみ、自分自身を大切にするための贅沢な時間として過ごしてもらえたら嬉しいですね。
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アンケートの詳しい内容は、ひとりぐらし研究所のWEBサイトでも紹介されています。
ひとりぐらし研究所とは

不動産賃貸仲介のエイブルが運営する「ひとりぐらし研究所」は、ひとり暮らしを多角的に研究・分析し、実態や課題を掘り下げています。そこから得られた知見を実際のサービスに還元し、ひとり暮らしがもっと安心・快適で充実したものとなるように応援しています。
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設立: 2025年7月4日
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運営: 株式会社エイブルホールディングス
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所長: 赤星 昭江



