「売る」から「つなぐ」へ:支援の輪を広げる背景
アスト株式会社はこれまで、災害時に紙おむつの支援を行ってきました。しかし、「支援を行うのは非常時だけでいいのか」という問いから、新たな支援の形を模索し始めます。同社が扱う家庭紙の購買層の約8割が女性であることから、2021年度に「家庭紙から生まれる支援の輪プロジェクト」を立ち上げ、女性支援を開始しました。
当初はホワイトリボン運動への寄付付き商品を販売していましたが、「寄付するだけが支援ではなく、“知る”ことから始まるのではないか」という考えに至ります。そこで、ホワイトリボン運動の認知度向上を目指し、ヨガ、ボクササイズ、ウォーキング、ランイベントなどの無料イベントを企画。誰もが気軽に支援に触れ、「知る」機会を提供してきました。
こども支援への拡大と「てんとう虫となかまたち」の活動
女性支援を続ける中で、同社はこどもたちの貧困問題や孤食といった課題に直面します。これを受けて、2024年度からは認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえへの寄付を開始し、こども支援にも力を入れ始めました。
こども食堂のボランティア活動を通じて、「こども食堂は貧困世帯やこどもだけの場所」という世間の認識とのギャップに気づきます。実際のこども食堂は、地域交流の場やこどもたちの学びの場として多様な役割を担うコミュニティでした。この「認識のズレ」を解消するため、親子向けイベント「てんとう虫となかまたち」の活動を開始。食育・知育・体育をテーマに、親子が楽しみながら“支援を知る”場づくりを年5回実施しています。

累計551人が体験した「支援の入口」
これまでの女性・こども支援イベントには、累計551人が参加しました。女性支援では、ホワイトリボンのテーマである「女性の健康」に焦点を当て、ヨガやボクササイズ、ウォーキング、ランイベントなどを開催。
化粧品卸のクオレ株式会社との連携でメイク講座と健康を組み合わせたイベントも実施し、ホワイトリボン運動や健康に関する講話、ミニゲームも取り入れられました。2025年度には、子宮頸がん患者からの話を聞き、その内容をまとめた動画を参加者に視聴してもらうことで、自身の健康を見つめ直すきっかけを提供しました。




こども支援では、食育・知育・体育イベントを通じて、参加者が「知る」機会を大切にしています。こども食堂についての座談会や、イヤイヤ期対策の意見交換、海藻の栄養素を伝える劇、腸活やうんちについて楽しく学ぶ「からだエプロン」の使用など、工夫を凝らしたプログラムが展開されました。




イベント参加者以外にも食育の機会を届けるため、こども支援「てんとう虫となかまたち」の活動では、食育の内容をまとめた絵本を作成し、参加者にプレゼントしています。2025年9月には株式会社メフォスと協力し、海藻の栄養素を学ぶ劇や米粉せんべい、出汁のスープ作りを行う食育の会を開催しました。今後は、イベント参加者以外にも絵本を届けられるよう企画を進めているとのことです。



参加者の声から見る支援の価値
イベント参加者からは、以下のような声が寄せられています。
【女性支援イベント参加者】

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「世界では女性が一分にひとり妊娠や出産、子宮頸がんなどで亡くなっていることに驚きました。子宮頸がん検診は以前一度検査しただけで終わっていたので、また機会をつくり定期的に受診していきたいです。ホワイトリボンについても、もっと社会に広まれば良いと思っています!」(27歳女性)
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「子宮頸がん検診の感度が低い事、発見されにくいガンがある事を知り、改めて検診の大切さを学びました。当たり前じゃない『命』や『健康』について、改めて深く考える時間になりました。知ることの大切さ。小さなアクションでも、きっと誰かの未来につながる。今日感じた想いを、これからの自分の行動に大切にしていきたいです。支援の方法も寄付だけでないことを知ったので、今後は自分のできる範囲で実践していきたいです。」(50歳女性)

【こども支援イベント参加者】

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「こども食堂は小学生くらいの子や困窮世帯の方向けのイメージでしたが、ただご飯を食べる場所ではなく、地域のコミュニティとして活動されていることを知りました。自分は利用したらだめだと感じていたので、今回こども食堂について知れて、もっと多くの親御さんにも知ってもらいたいなと思いました。」(35歳女性)
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「調味料がないとごはんを食べてくれないと思っていましたが、お出汁の味は食べれるんだという発見がありました。米粉せんべいも自分で作るという経験が、いつもより食に興味をもって食べることに繋がっていて嬉しいです。海藻の劇もこどもと一緒に楽しんで見れました。ありがとうございました。」(29歳女性)


- 「ミニゲームで、走ってティッシュを運ぶ(買う)ことで、そのティッシュの一部は食材になり、子ども食堂へ、そして美味しいご飯が食べられる事で支援が広がっていく。おにぎりカードを女の子の口の開いたボックスに入れて、ご飯を食べさせることで、言語や視覚だけでなく、体験できた事がとてもよかったと思います。」(35歳女性)


2026年度のさらなるアクション
アスト株式会社は、2026年度も「支援の輪」をさらに広げるための活動を計画しています。
【女性支援について】
2027年3月の国際女性デー期間に、国際協力NGOジョイセフが主催するホワイトリボンランの大阪拠点を来年も運営する予定です。2026年11月のエントリー開始に合わせて、2026年9月から11月にかけて大阪市内で無料ランイベントを企画し、より多くの人がホワイトリボンやホワイトリボンランに関心を持つきっかけを作ることで、一人でも多くの人々と共にアクションを起こしたいと考えているようです。
【こども支援について】
2026年は、これまでの大阪開催にとどまらず、東京・名古屋・大阪の3都市で親子イベントを展開予定です。これまで固定メンバーを募集していましたが、今後は都度募集形式とし、より多くの親子と出会い、「知る」機会を提供していくとのことです。
【他企業との連携】
中部薬品株式会社(Vdrug)、クオレ株式会社、株式会社メフォス、東京イーストサイド ホテル櫂会、株式会社スマイル、六甲バター株式会社など、これまで様々な企業と協力してきました。今後もこの取り組みに共感する企業との連携を深め、一人でも多くの人に女性支援やこども支援を届ける活動を続けていく方針です。

家庭紙を通じて「想いをつなぐ会社」へ
アスト株式会社は「私たちはこれまで、“モノを届ける会社”でした。しかし今は、“想いをつなぐ会社”でありたいと考えています。」とコメントしています。トイレットペーパーやティッシュペーパーといった日常的に使う家庭紙を通じて、その中に“支援”を溶け込ませることで、支援を特別なものではなく、誰もが無理なく関われるものに変えていきたいと考えています。その第一歩が「知ること」であり、これからも家庭紙を通じて社会と人をつないでいくことを目指しています。
同社は、支援が誰かの“特別な行動”ではなく、毎日の暮らしの中で誰もが自然に選べるものになる未来を描いています。トイレットペーパーやティッシュを手に取る何気ない瞬間が、誰かの明日を支えるアクションになる社会を本気で実現しようとしています。家庭紙から生まれる“支援の輪”を、もっと大きく、もっと当たり前にしていく、アスト株式会社の今後の活動に注目です。



