「ほちょうきカー」ってどんな車?

「ほちょうきカー」は、トヨタ自動車株式会社の「ハイエース」をベースに作られました。車内は、補聴器の効果測定に必要な「音の反響を抑えた環境」を整えるため、高度な防音・音響設計が施されています。これにより、まるで専門の施設にいるかのような正確な音場測定が可能になるんです。
この車がすごいのは、どこへでも行けること!山間部や離島にある医療施設や介護施設はもちろん、患者さんの自宅近くまで出向くことができるので、これまでアクセスが難しかった地域の人でも、手軽に専門的なサービスを受けられるようになります。
難聴と補聴器、そして「ほちょうきカー」が解決する課題
高齢者の難聴は、日常生活に大きな影響を与えることが知られています。例えば、周囲の音情報が制限されることで交通事故のリスクが高まることもあります。さらに、Lancet認知症予防・介入・ケアに関する国際委員会が2024年に発表したレポートでは、難聴が修正可能なリスク要因として最も大きいと評価され、補聴器を使うことが認知機能の維持に役立つ可能性が示されています(出典:愛知医科大学 耳鼻咽喉科 特任教授 内田 育恵氏の論文「補聴器と認知機能低下のエビデンス」耳喉頭頸97(4).332-335.2025)。
しかし、補聴器を満足して使うには、個々の耳に合わせた「適切なフィッティング」が欠かせません。残念ながら、このフィッティングに必要な音場検査環境を備えた耳鼻咽喉科クリニックや補聴器販売店は、全国的に見るとまだ十分とは言えないのが現状です。
そこで、「ほちょうきカー」の出番です!言語聴覚士や認定補聴器技能者が「ほちょうきカー」で介護施設や患者さんの自宅付近を訪問。車内で正確な聴力測定や補聴器の効果測定、そして適切なフィッティングを受けることができるようになります。さらに、医療機関にいる医師とオンラインでつながり、遠隔診療もできる体制が整えられる予定です。
これにより、補聴器が必要な人たちがもっと満足して補聴器を使えるようになり、難聴による認知症リスクの低減にも貢献できることが期待されています。
今後の展望と関係者の役割
この革新的なサービスの実用化に向けて、2026年度からは東海地区や首都圏の医療機関、認定補聴器販売店、そしてSOMPOケアなどの介護サービスを提供する企業と連携し、実証実験が進められます。補聴器医療相談会などのイベント開催も検討されているとのことです。
今回のプロジェクトにおける各社・団体の役割は以下の通りです。
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補聴器フォーラム東海
- 車両開発の監修、医療関係者や補聴器関係者への情報提供
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MONET Technologies、損害保険ジャパン
- 医療MaaS事業に関する知見の提供、車両架装、プロジェクトの推進、リスクマネジメント、実証フィールドの提供
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株式会社ATグループ
- 車両の提供、地域ネットワークの構築支援
「ほちょうきカー」が、難聴に悩む多くの人々の生活をより豊かにする未来が、きっと来るでしょう!



