長期化するロヒンギャ難民危機と子どもたちの現状
ロヒンギャ難民危機は、今年で9年目を迎える世界最大規模の人道危機の一つです。難民キャンプでは、過密な居住環境、感染症のリスク、栄養不良、そして限られた学習スペースといった問題が、多くの子どもたちを深刻な危険にさらしています。
日本政府とUNICEFは、子どもたちが安全な故郷へ帰還できるその日まで、難民キャンプが安全な避難場所であり続けるべきだという共通の認識を持っています。保健ケア、栄養、清潔な水、そして学習の機会は、子どもたちの生存と発達だけでなく、ロヒンギャの文化やアイデンティティを守る上でも欠かせない要素です。
支援にかける思い
齋田伸一駐バングラデシュ日本国特命全権大使は、今回の資金協力がロヒンギャ難民とホストコミュニティ双方の生活改善につながることに期待を寄せています。「世界的に資金が減少するなか、日本とUNICEFの新たなパートナーシップを発表できることを嬉しく思います。本事業は、教育、水と衛生、栄養、保健といった重要なサービスに重点を置いており、日本とUNICEFの長年にわたる連携と、人間の安全保障への強いコミットメントを反映しています。」と述べました。
UNICEFバングラデシュ事務所代表のラナ・フラワーズ氏は、子どもたちが直面する困難について触れ、「ロヒンギャの子どもたちは、キャンプで過ごす日々のなかで、病気や栄養不良、学習機会の喪失、そして子ども時代が失われるといった、新たなリスクに直面しています。」と語っています。また、「日本政府による資金協力は、子どもたちの健康と学びを維持し、実践的なスキル構築の道筋を開き、幼い子どもたちを適切にケアするための手段を家族に提供します。資金が縮小し、一つの文化の未来が危機に瀕する今、日本政府とのパートナーシップは子どもたちの生存、尊厳、未来に対する重要な支援となります。」と、今回のパートナーシップの重要性を強調しました。

具体的な支援内容
このパートナーシップでは、多岐にわたる支援が計画されています。
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教育支援: バシャンチャール島ではミャンマーの学習カリキュラムへのアクセスを広げ、コックスバザール県では10代の若者への公式教育や技能訓練をサポートし、子どもたちの学びを継続させます。
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水と衛生の改善: コレラやデング熱といった感染症の流行を防ぐため、給水システムや衛生施設の改善に取り組みます。また、各家庭には石けんや生理用品などの衛生用品が配られ、保健衛生とジェンダー平等の推進も目指します。
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栄養と保健ケア: 日本政府が強く提唱するユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の考えに基づき、UNICEFは子どもの栄養不良の予防と治療、そして妊産婦と新生児の健康をサポートするサービスを拡大します。これには、バシャンチャール島の新生児安定化ユニットやコックスバザール県のプライマリ・ヘルスケア・センターでのケアも含まれます。

長年のパートナーシップ
日本はバングラデシュにおけるUNICEFの長年の大切なパートナーです。2017年8月にロヒンギャ危機が始まって以来、日本政府はロヒンギャ難民支援のため、バングラデシュの国連機関やNGOに対し、これまでに2億5,000万米ドル以上もの資金協力を行ってきました。UNICEFに対しても、ロヒンギャの子どもたちと家族を支援するために約4,700万米ドルを拠出しています。UNICEFは、日本の貢献がしっかり見える形で、効率的かつ透明性の高い活動を続け、子どもたちへの支援が最大限の効果を発揮するよう努めていきます。

UNICEFについて
国連児童基金(UNICEF)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動している国連機関です。現在190以上の国と地域で、多くのパートナーと協力しながら、子どもたちのために具体的な行動を起こしています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に力を入れ、世界中のあらゆる場所で活動を展開しています。
UNICEFの活動資金は、個人や企業・団体からの募金、そして各国政府からの任意拠出金で支えられています。
UNICEF東京事務所
UNICEF東京事務所は、ニューヨーク本部直轄の国連機関事務所として、日本政府からの政府開発援助(ODA)による資金協力や、国会議員、国際協力機構(JICA)、非政府組織(NGO)などとの連携を促進しています。
- UNICEF東京事務所について: https://www.unicef.org/tokyo/


