農業サプライチェーンで活躍する女性たちの現状
女性は、農業サプライチェーンにおいて、種まきから収穫、加工、選別、販売まで、中心的な役割を担っています。彼女たちの労働は、地域経済や家計を支える上で欠かせません。しかし、文化的背景や資源へのアクセスの制限、そして生産労働・家事育児・地域活動という「三重の役割」があるため、多くの女性が意思決定の場に十分に参画できていないのが現状です。
「女性リーダーシップスクール」が変革を加速
このような課題を解決するため、フェアトレードは2017年に「Women’s School of Leadership」を設立しました。このプログラムは、生産者ネットワークであるFairtrade Africaが運営しており、個人、職場(生産者組織)、地域社会の3つの層に働きかける、とても包括的なアプローチが特徴です。
スタートはコートジボワールのカカオ生産者22人からでしたが、その後エチオピア、ガーナ、ケニア、マラウイの紅茶、砂糖、花き産業へとどんどん拡大していきました。その結果、9年間で34,000人以上もの人々に直接的・間接的な良い影響を与えています。

自信を持つことで、未来は変わる!参加者の声
ケニアの花き農園で働く31歳のシャロン・アチエンさんも、このプログラムの参加者の一人です。彼女は以前、自分をリーダーだとは思っていませんでした。しかし、研修を通じて自信や交渉スキルを学び、品質管理職に挑戦。最初は不採用だったものの、諦めずに再挑戦し、見事昇進を果たしたんだそう。
彼女は「女性リーダーシップスクールは、私がリーダーになれると信じさせてくれました」と語っています。現在では、多くの参加女性が生産者組織内の委員会やリーダー職に就き、経営方針の議論や収入多角化の取り組みに積極的に関わっているとのことです。
2026年「女性農業者の年」とフェアトレードの役割
国連は2026年を「女性農業者の年」と宣言しています。フェアトレードは、女性が経済的に自立し、意思決定の場に参加することが、持続可能なサプライチェーンを実現するためにとても大事だと考えています。
日本もジェンダーギャップ指数がまだ低い状況にあるし、企業のサプライチェーンにおける人権への配慮もますます重要になっています。だから、消費国である日本にとっても、生産国の女性たちの声に耳を傾けることは、決してひとごとではないんです。
認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンの潮崎真惟子事務局長は、「女性リーダーシップスクール」が、女性が自信とスキルを身につけ、コミュニティや生産者組織のリーダーとして活躍するきっかけを生み出しているとコメントしています。国際女性デーを機に、女性のリーダーシップが特別なものではなく当たり前となる社会を目指し、変化を広げていきたいと語っています。
フェアトレードってどんなこと?
フェアトレードは「公平・公正な貿易」という意味です。一般的な取引では、情報や選択肢が少ないために、小規模な生産者が安く買い叩かれてしまうことがよくあります。これが原因で、生産者の生活が苦しくなったり、児童労働・強制労働が起きたり、環境破壊につながることもあります。
フェアトレードは、人や環境に配慮して作られたものを適正な価格で取引することで、持続可能な生産と生活の向上を支援する仕組みなんです。具体的には、適正な価格の保証、プレミアム(奨励金)の支払い、児童労働・強制労働の禁止、環境に配慮した生産などが含まれます。
フェアトレードは、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の全ての目標達成に貢献すると言われていて、特に以下の8つの目標に大きく寄与すると考えられています。
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目標1:貧困をなくそう
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目標2:飢餓をゼロに
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目標5:ジェンダー平等を実現しよう
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目標8:働きがいも経済成長も
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目標12:つくる責任 つかう責任
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目標13:気候変動に具体的な対策を
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目標16:平和と公正をすべての人に
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目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
国際フェアトレード基準は、経済・環境・社会の幅広い側面から作られています。SDGsへの関心が高まる中、環境や人権を意識したサステナブルな消費を選ぶ人が増え、フェアトレード市場も急速に拡大しているんですよ。
フェアトレードについてもっと知りたい方は、国際フェアトレードラベル機構のウェブサイトをチェックしてみてくださいね。


