東洋経済「CSR企業ランキング2026年版」発表!デンソーが18年ぶりにトップに輝く
株式会社東洋経済新報社は、CSR(企業の社会的責任)と財務の両面から「信頼される会社」を見つけることを目指し、毎年「CSR企業ランキング」を発表しています。このたび、第20回となる2026年版のランキング結果が公開されました。
総合ランキング:デンソーが18年ぶりの1位
今回の総合ランキングで1位に輝いたのはデンソーです。2008年(第2回)以来、18年ぶりのトップ返り咲きとなりました。財務部門で全体16位という高水準を記録したほか、人材活用53位、環境7位、企業統治+社会性7位と、CSR関連の3部門すべてで前回から順位を上げています。
デンソーでは、経営戦略部がサステナビリティ経営を全社的に推進し、環境や職場安全などの個別テーマは専門部署が牽引する有機的な推進体制を構築しています。サプライチェーン全体でのCSR・サステナビリティ推進も特徴的で、網走テストセンター(北海道)が環境省の「自然共生サイト」に認定されるなど、生物多様性保全にも力を入れています。また、ワーク・ライフ・バランスの拡充や、定年後の再雇用者に対する複線型人事制度の導入により、従業員のモチベーション維持・向上を図っている点も注目されます。

2位はJTで、人材活用68位、環境24位、企業統治+社会性2位、財務12位と、いずれの部門でも上位を維持し、3年連続で2位となりました。役員報酬にGHG排出量ネットゼロやDE&IなどのESG指標を採用しているほか、NPOと連携した社員の健康増進と途上国支援の組み合わせ、葉タバコ農家への継続的な支援など、多岐にわたる活動が評価されています。
3位は富士通で、財務部門が25位と僅差での上位入賞です。第三者機関が運営する苦情処理窓口を通じて公平性・透明性を確保した苦情処理メカニズムを構築。ITガバナンス面では、生成AIの特性を踏まえた注意喚起や自社の知見・ノウハウを公開し、ユーザー企業への安全な活用支援を行っています。
金融機関ランキング:三井住友フィナンシャルグループが4年連続1位
金融機関ランキングでは、三井住友フィナンシャルグループが4年連続で1位を獲得しました。部門別でも人材活用5位、環境4位、企業統治+社会性24位と高い水準です。従業員エンゲージメント調査を毎月実施し、結果を部署単位で迅速に還元しているほか、1人当たりの年間教育研修費用・時間もトップクラス。環境面では、脱炭素に向けた「トランジションファイナンス」に関するエンゲージメントを積極的に実施しています。

調査から見えてきた日本の企業の課題
今回の調査では、いくつかの注目すべき実態が明らかになりました。
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従業員エンゲージメント:人的資本経営の重要指標である「従業員エンゲージメント」に関する設問が拡充され、掲載企業の76.5%がエンゲージメント調査などを実施していることが分かりました。回答率も平均90.4%と高水準ですが、スコアが前年より「改善・向上した」企業は48%にとどまり、「測定」から「改善」へどうつなげるかが今後の課題とされています。
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生成AIの活用ルール:「生成AI」の活用ルールを「制定している」企業は67.5%で、上場企業中心の掲載企業においても約3割が未整備という状況です。
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カーボン・クレジット:環境分野では、カーボン・クレジットを「調達・利用している」企業は19%にとどまりました。今後本格稼働が予定されているGXリーグを見据え、実務ノウハウの蓄積が求められる状況です。
各部門のトップ企業






調査概要について
このランキングは、東洋経済新報社「財務・企業評価チーム」が作成したものです。対象は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)(ESG編)』2026年版に掲載されている1656社(上場1578社、未上場78社)で、2025年6月から10月にかけて調査が実施されました。
評価は、CSR分野の「人材活用」(100点満点)、「環境」(100点満点)、「企業統治+社会性」(100点満点)の3部門(計300点満点)と、「財務」(収益性、安全性、規模の各100点、計300点満点)を合わせた総合ポイント600点満点で行われています。詳細な評価項目は多岐にわたり、アンケート回答や公開情報に基づいて評価されています。
今回の結果や詳細については、東洋経済CSRオンラインで確認できます。



