能登地震から2年、OBJが伝える被災地の「今」と「心の課題」への寄り添い

発災当時の被害とOBJの初期対応

能登半島地震は、地域のインフラ、住居、人々の暮らしに甚大な被害をもたらしました。最大5万人以上が避難生活を送り、避難所は1500か所以上に上りました。停電、断水、通信網の遮断により復旧は難航し、生活機能の回復には数ヶ月を要する状況でした。

地震で被害を受けた道路

OBJは発災直後から情報収集を開始し、翌日には支援チームを派遣。1月4日には物資を積んだ車両を現地へ出動させました。当初は飲料水、食料、生活用品などの緊急物資配布が中心でした。

夜間に支援物資を運ぶトラック

支援車両

調理不要の食品や介護食品、生活用水用タンクなど、現地で本当に必要とされているものが届けられました。

非常食の例

生活用水用タンクを運ぶ様子

時間とともに変わるニーズへの向き合い

OBJの支援は、時間の経過とともに「緊急物資支援」から「暮らしへの伴走的支援」へとフェーズを移行していきました。

  • 緊急期(発災〜1週間): 飲料水・食料・生活用品などの緊急物資配布。

  • 応急期(〜3ヶ月): 避難所・在宅避難者・自主避難所へのアウトリーチ支援。

  • 復旧〜中長期支援(〜2年): 心のケア、コミュニティづくり、継続支援の仕組みづくり。

地域の福祉施設や仮設住宅、在宅避難者を訪問し、ニーズを丁寧に聞き取ることで、単なる物資配布に終わらない、きめ細やかな支援が行われました。

玄関先で物資を手渡す様子

物資を配布する様子

中長期支援では、音楽イベントなどを通じた交流の場も設けられました。

音楽イベントで演奏する様子

支援活動の様子

2024年9月の豪雨災害と重なった課題

2024年9月には能登地域で豪雨災害も発生し、復旧途中の現地にさらなる困難が押し寄せました。地震被害の影響が残る中で雨による浸水・土砂災害が追い打ちをかけた地域もあり、複雑化した生活再建の状況に応じた支援が求められました。

豪雨災害で被害を受けた家屋

1年経過時点の生活課題と支援の変化

発災から1年後には、復旧が進む一方で、慢性的なストレスや孤立感、日常への不安が地域住民の間で深刻化していきました。2025年に実施されたOBJの支援活動では、仮設住宅・在宅避難者双方への訪問支援、生活用品配布に加え、傾聴や心のケアが特に重要なテーマとなりました。

2024年の支援実績としては、受益者約6,064人、配布物資総量約1.3t、ボランティア参加323名、協力団体数29団体に上ります。これらの活動では、単に「届ける支援」ではなく、対話し、困りごとに寄り添い、地域の課題に向き合う姿勢が重視されました。

高齢者と会話する支援者

2年経過した今、見えてきた現実と今後の視点

発災から2年にわたり、OBJは物資配布や訪問支援、炊き出しなどを通じて、延べ約7,400人に関わってきました。その中で見えてきたのは、復旧が進む一方で、心身の疲労や孤立感、先の見えない不安がむしろ深刻化しているという現実です。特に長期化する仮設住宅生活や、在宅避難者への支援の届きにくさは依然として課題として残っています。

OBJではこれらの実情を受け止め、「届ける・聴く・つなぐ」という姿勢を大切にしながら、支援を継続しています。心理的ケアの専門家による相談支援やコミュニティ支援、地域との協働による仕組みづくりも重点的に進められています。

災害発生から時間が経つほど、被災地での課題は「物理的支援」から「社会的・心理的な不安」へと変化していきます。OBJはこれからも、地域住民とともに見えにくい課題に向き合い続ける支援を行っていくとのことです。

ハンドオイルマッサージを行う様子

オペレーション・ブレッシング・ジャパンとは

オペレーション・ブレッシング・ジャパン(OBJ)は、2011年3月の東日本大震災の発生直後に緊急支援活動を開始しました。漁船の提供やメガネの贈呈など、被災した方々の暮らしに直結する支援事業を展開してきました。

2013年3月に特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を取得し、現在に至るまで、日本の地域社会の課題に向き合い、災害支援やコミュニティ支援、心理的ケアなどの分野で独自の取り組みを進めています。

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