国連「1.5℃の約束」キャンペーン、5年目に突入!132社と気候変動アクションを加速

なぜ「1.5℃の約束」が大切なの?

このキャンペーンは、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑えることの必要性や、気候変動が私たちの生活にどう影響するかについて、メディアを通じて理解を深めることを目指しています。そして、地球温暖化をはじめとする気候変動を食い止めるための具体的な行動を促し、個人や組織の行動変容につなげるのが目的です。世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えることは、2015年のパリ協定で努力目標として掲げられ、2021年の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議では、日本を含む締約国の事実上の目標となっています。

気候変動の現状:記録的な暑さ

世界気象機関(WMO)が1月14日に発表した情報によると、2025年は観測開始以降、最も暑い年の上位3つに入りました。2025年の世界の平均気温は、1850~1900年の平均を1.44℃上回り、さらに2023年から2025年の3年間では、産業革命前のレベルを1.48℃上回っていたとのことです。また、2015~2025年の11年間は、観測史上最も暑い11年間だったことも確認されています。

日本でも、気象庁の発表によると、2025年の年間平均気温は基準値から+1.23℃となり、2024年、2023年に次いで、統計開始の1898年以降で3番目に暑い年となりました。

調査で見えた!気候変動への危機感と行動のヒント

本キャンペーンをクリエイティブ・ボランティアとして支援する株式会社博報堂DYホールディングスは、キャンペーンが人々の意識と行動に与えた影響を測るインパクト調査を実施し、その結果を発表しました。

調査結果の詳細はこちらから確認できます。

気候変動に対する危機感は低下傾向に?

キャンペーン認知者(「1.5℃の約束」キャンペーンの情報に触れた人)の83.5%が気候変動に危機感を感じており、非認知者の61.9%よりも高い結果でした。しかし、認知者・非認知者ともに前回調査から危機感を感じる割合が10ポイント以上減少しており、気候危機への危機感が慢性化・停滞している可能性も指摘されています。

キャンペーン認知者と非認知者の危機感比較

行動を促すには「無理せず、気軽に」がカギ

環境に関する情報を見聞きした際、どんな内容であれば前向きな気持ちになれるかという問いに対して、「自分らしく無理せずできると感じたとき」(35.6%)、「気軽に取り組めると感じたとき」(35.1%)が上位を占めました。

特に10代では、「自分の好きなことや趣味と繋がる・関わりのあることなのだと感じたとき」や「楽しさや遊び心がある表現だったとき」が全体より高く、普段の生活と結びつけたり、楽しさを感じさせる伝え方が効果的だと考えられます。一方、70代では「科学的な根拠や実績が示されていて納得ができたとき」が高い傾向にあり、事実をストレートに伝えるメッセージが響くようです。

前向きな気持ちになれる要素の調査結果

「ActNow」の実践状況

国連広報センターが推奨する、個人でできる10の気候行動「ActNow」について尋ねたところ、キャンペーン認知者は非認知者に比べていずれの行動も実践率が高く、特に「リデュース・リユース・リペア・リサイクル」では15ポイント以上の差が開きました。

ActNow実施率の比較

信頼される情報発信源

メディアで誰が呼びかけると気候危機への関心が高まるかという問いでは、「科学者・研究者」が全ての視点(情報を見たくなる、信じられる、もっと知りたい、シェアしたい)でトップでした。その他、「専門機関(国連など)」や「気象予報士」「大学教授」など、専門知識を持つ人が上位に挙がる傾向は例年と変わっていません。

今後のキャンペーン展開

5年目のキャンペーンは、四季を通じてより幅広く積極的に発信していくことを目的に、2026年12月31日まで実施されます。今年は、参加メディアによる独自の情報発信に加え、企業や自治体、インフルエンサー、その他のステークホルダーとの連携を拡大していく予定です。気候変動対策を支持する声を集め、具体的なアクションや解決策を提示することで、多くの人々を巻き込み、気候行動を促進する発信を目指します。また、参加メディア自身も、組織経営において気候変動対策を実践していくことを視野に入れています。

国連広報センターの根本かおる所長は、「世界の89%の人々は、自国の政府が気候変動対策を強化することを望んでいます。その多くが自分の意見が多数派だと気づいていないのではないでしょうか。今年の『1.5℃の約束』キャンペーンは、こうした生活者の具体的な声を見える化していけるよう、力を合わせていきたい」と述べています。

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