大潟村ってどんなところ?
大潟村は、かつて八郎潟だった広大な土地を干拓して生まれた「日本の食糧基地」です。総面積は約1.7万ヘクタールにも及び、全国から集まった開拓者たちによって大規模な機械化農業が発展してきました。効率的な農業を実践しつつ、近年では生物多様性の保全、脱炭素、資源循環といった環境に優しい農業も積極的に進めています。まさに、日本の農業の未来を切り拓く重要な役割を担っている地域なんです。

フェイガーが取り組む大潟村での挑戦
1. J-クレジット(水稲中干し期間延長)の実績
フェイガーは、大潟村でJ-クレジット制度の「水稲の中干し期間延長」という方法を使って、温室効果ガスの削減に取り組んでいます。フェイガー脱炭素農業協会には約70件の会員がおり、2025年には約50件の取り組みが約1,100ヘクタールの面積で実施されました。
大潟村カントリーエレベーター公社株式会社や詩の国秋田株式会社、もみがらエネルギー株式会社といった地域のパートナーと協力して生産者をサポートしており、2026年からはJA大潟村とも連携を始める予定です。この取り組みは、地域内での実践だけでなく、実際のクレジット取引にもつながっています。例えば、東北電力株式会社は、東北・新潟地域の生産者が創出した農業由来のカーボン・クレジットを購入し、自社の温室効果ガス排出量のオフセットに活用しているとのことです。
2. バイオ炭を活用した資源循環
大潟村では、もみ殻をエネルギー源として活用し、さらに炭素貯留も行う資源循環型の取り組みが進んでいます。2022年には大潟村役場や秋田銀行などが共同で地域エネルギー会社「オーリス」を設立し、2024年からは年間約3,500トンものもみ殻を利用したバイオマス熱供給・発電事業が本格的に稼働しています。この事業から生まれる「くん炭」を農地に還元することで、脱炭素と地域内の資源循環を両立させる先進的なモデルとなっています。
フェイガーも今後、J-クレジット制度の「バイオ炭施用」を導入し、クレジット創出とその収益を生産者に還元する取り組みに向けて、関係者との連携を進めていく予定です。
3. 水位センサーを活用したデータ連携
フェイガーは、大潟村で農業IoTサービスを提供する株式会社ファーモと手を組み、水田の水位をリアルタイムで可視化するセンサーを活用したデータ基盤の整備を進めています。この取り組みでは、水位センサーと村内に設置する基地局を組み合わせることで、大潟村全体の水田をカバーする通信・計測環境の構築を目指しています。現在、村内全域を対象とした基地局整備の構想について大潟村と協議中で、設置場所は今後調整されるとのことです。
フェイガーは、このような水管理データを活用することで、農業現場の負担を減らすだけでなく、J-クレジット(水稲の中干し期間延長)における記録・管理の精度向上や、将来的なクレジット生成作業の効率化につなげていくことを目指しています。

連携協定の主な内容
今回の連携協定には、以下の内容が盛り込まれています。
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脱炭素型農業の普及啓発:カーボンクレジットに関する情報提供や、生産者・自治体・企業向けのセミナー開催
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カーボンクレジット生成・販売に関する農家支援:J-クレジット(水稲中干し期間延長、バイオ炭)の生成支援、新たなJ-クレジット方法論の検討・実証
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脱炭素型農業のPR:大潟村の脱炭素や環境に優しい農業の取り組みを広く発信
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農業支援サービスに関する技術協力:水稲の高温対策に関する試験研究への協力、カーボンクレジット生成作業の簡易化に関する試験研究(データ・衛星活用など)
今後の展望
大潟村とフェイガーは、この連携を通じて、大規模稲作の強みを活かしながら、脱炭素と生産性、そして地域循環を両立する新しい農業モデルの確立を目指しています。農業が気候変動対策と地域経済の両方に貢献できる存在となるよう、大潟村での実証と実践を着実に進めていくとともに、他の自治体での連携実績も参考にしながら、それぞれの地域に合った脱炭素型農業のモデルを広げていくとのことです。



