空き家の維持費は年間10万円以下が約4割
空き家を所有したことがある100人に「空き家の維持費」を聞いたところ、平均は年間21.4万円という結果でした。しかし、最も多い層は「10万円以下」で、全体の38.0%を占めています。次いで「20万円以下」も31.0%と多く、全体の約7割が年間20万円以下の維持費で収まっていることがわかります。
一方で、年間100万円以上といった高額な維持費がかかっている人もおり、一部の人が平均値を押し上げている形です。不動産の価値や築年数によって、かかる金額は大きく変動するようです。
空き家の維持費で特に負担が大きいのは「固定資産税」
空き家の維持費のなかで「特に負担が大きい費用」として圧倒的1位になったのは「固定資産税」で、全体の67.0%と約7割を占めました。2位は「草刈り費(17.0%)」、3位は「修繕費(15.0%)」と続きます。

回答者からは、以下のような声が聞かれました。
-
「一番負担に感じたのは固定資産税と、草刈りや見回りなどの管理に関わる費用です。使っていないのに毎年必ずかかる点が、精神的にも重く感じました」(50代 男性)
-
「固定資産税です。住んでもいない家なのに毎年必ず同じ金額を払うので、金額そのものだけでなく精神的な負担も大きいです。さらに家が遠方にあるため、様子を見に行く交通費も地味に効いてくると感じました」(40代 女性)
-
「一番負担に感じるのは修繕費です。海が近いため、潮風の影響で外壁や金属部分の劣化が早く、雨漏り補修や給湯器の点検などで毎年数万円単位の出費があります。突発的に発生する点が精神的にも負担です」(20代 男性)
空き家には「住んでいないのに所有するだけでかかり続ける費用」と「突発的に発生するメンテナンス費用」があり、どちらも精神的な負担につながっていることが伺えます。特に固定資産税は、家を使っていないのに避けられない出費であり、払う価値を感じにくいことが負担感を大きくしているようです。また、老朽化や災害による突発的な費用は予測が難しく、高額になることもあるため不安を感じる人も多いでしょう。
空き家の維持費に関する困りごとは「負担が年々増える」
「空き家の維持費に関する困りごと」で最も多かったのは「負担が年々増える(16.0%)」でした。2位は「突発的な出費がある(14.0%)」、3位は「家族で揉める(13.0%)」と続きます。

長期にわたる経済的負担や、先行きが見通せないことへのストレスを感じている人が多いようです。
1位:負担が年々増える
「固定資産税が年々上がる」「古い建物なのに固定資産税が上がっている」といった声が寄せられました。「評価替え」や「地価の上昇」、「管理不全空き家への指定」などがあると、固定資産税が高くなる可能性があります。建物が古くなって価値が下がっているはずなのに、支払いだけが増えていくことに納得感を得にくいようです。また、建物の老朽化で修繕箇所が増え、修繕費の負担が大きくなることへの不安も多く見られました。
2位:突発的な出費がある
「住んでいないため劣化に気づきにくく、修繕が急に必要になることが困りごとでした」「台風で木が倒れて屋根が損傷したときは、100万円程度かかった」など、予期せぬ高額出費に悩む声が聞かれました。空き家は誰も住んでいないため、劣化に気づきにくく、突然高額な修繕費が発生することが経済的な不安につながっています。
3位:家族で揉める
「誰が費用を負担するかで、家族内で揉めることがあります」「名義が親のままでも実際に払うのは子どもだったりして、負担感に差が出ました」といった声がありました。複数の関係者がいる場合、維持費の負担割合で意見が分かれやすい傾向にあります。お金の話がきっかけで、家族関係に影響が出る可能性もあるでしょう。
空き家の維持費に関してもっと早く知りたかったことは「維持管理費の目安」
「空き家の維持費に関してもっと早く知りたかったこと」を聞いたところ、1位は「維持管理費の目安(26.0%)」でした。2位「固定資産税の仕組み(21.0%)」、3位「減免制度を使えるか(20.0%)」と続きます。

事前に全体像を知っておきたかったという思いが強く、将来の見通しが立たないことへの不安がうかがえます。また、経済的負担を軽減できる制度についての知識も、多くの人が求めていることがわかりました。
1位:維持管理費の目安
「空き家を引き継ぐ前に、固定資産税が毎年どのくらいかかるのかを知っておきたかった」「修繕費の相場や、どの程度の頻度で修繕が必要になるかを、もっと早く知りたかったです」といった声が寄せられました。維持管理費の目安を知っていれば、想定外の出費を減らせたり、心構えができたりします。空き家を引き継ぐかどうかの判断もしやすくなるでしょう。
2位:固定資産税の仕組み
「固定資産税が分割できることを知らなかった」「空き家の状態や管理状況によって固定資産税の扱いが変わること」など、固定資産税の仕組みに関する知識を求める声がありました。更地化による税額増加や、特定空き家に指定された場合の軽減措置解除など、知らなければ後悔につながる可能性もあります。
3位:減免制度を使えるか
「減免制度があることをもっと早く知りたかったです」「相続した空き家を売却する場合、特別控除の制度があったと、後になって知りました」といった声が聞かれました。自治体によっては、空き家の解体後の固定資産税減免制度などがあります。これらの制度を活用できれば、経済的負担を抑えられ、後から知って後悔する事態も避けられるでしょう。
4位:早く動くほうがいい
「早めに売却や賃貸を検討したほうが、結果的に維持費を抑えられたと感じています」「早めに活用や売却を検討すべきだと知りたかったです」といった意見がありました。早く行動することで、売却、賃貸、解体など多くの選択肢の中から判断でき、負担が続く状況を回避しやすくなります。時間が経つほど老朽化が進み、費用がかさむだけでなく、活用や売却の可能性も狭まってしまうため、早めの行動が大切です。
5位:自治体の支援制度
「解体に関して公的助成金があればいい」「自治体が支援している空き家対策についての情報」など、自治体の支援制度への関心も高いことがわかりました。空き家問題が全国的な課題となる中で、多くの自治体が相談窓口や補助金などの支援制度を設けています。こうした情報を知るだけでも、精神的な負担の軽減につながると期待できます。
まとめ
空き家の維持費は、特に固定資産税が大きな負担として認識されています。住んでいないのに支払い続ける税金であるため、その負担感は大きく、年々増加したり想像以上に高額だったりすることに多くの人が困っています。先が見通せないことが、不安の根源となっていると言えるでしょう。
しかし、空き家に関しては「固定資産税の減免制度」や「リフォームに関する補助金」など、経済的な負担を軽減する支援策も存在します。これらの支援策を知らないまま時間が過ぎ、結局利用できなかったと後悔する人もいました。
事前に「維持費の目安」や「支援の仕組み」といった情報を知っておけば、早めに判断したり、選択肢を広げたりできる可能性が広がります。空き家に関する困りごとを放置せず、できるだけ早く動き始めることが大切です。
本調査は空き家買取隊(運営:株式会社AlbaLink)によるものです。



