通信の復旧、そしてさらなる強化へ
発災直後の厳しい状況から、携帯基地局の修理や光ファイバーの張り替え、車載型基地局の導入など、さまざまな方法で復旧作業が進められました。特に、電波が届きにくい避難所などでは、KDDIをはじめとする携帯電話事業者4社が衛星通信機器「スターリンク」を合計719台貸与・設置し、通信環境の確保に大きく貢献しました。豪雨の際には、地震の教訓が活かされ、石川県が主導することで、発災からわずか3日でスターリンクの設置が完了したとのことです。
現在も携帯電話がつながりにくい「のと里山海道」の別所岳付近については、石川県、携帯電話事業者、国が連携し、新たな基地局整備に向けた具体的な調整が始まっています。また、仮設住宅では、電波増幅器(レピータ)の貸し出しや、光回線・携帯電話網を利用した固定電話サービスの提供など、住民の通信環境改善が進められています。

奥能登版デジタルライフラインって?
今回の災害で得られた教訓を踏まえ、石川県では「奥能登版デジタルライフライン」という、災害時だけでなく普段使いもできる「フェーズフリー」な取り組みを官民連携で推進しています。これは、通信途絶期間の短縮、被災者の所在把握、災害時のドローン活用といった課題に対応するため、デジタル技術を積極的に活用するものです。
地域デジタル拠点の整備
通信は道路と同様に重要なインフラであるという認識のもと、石川県は奥能登4市町と協力し、孤立の恐れがある公民館など14カ所に「奥能登デジタル地域拠点」を整備中です。ここにはスターリンクなどが常設され、平時から災害時まで情報発信や防災対応ができるようになります。2026年1月の整備完了を目指しているとのことです。NTTドコモも能登の全7店舗にスターリンクを備蓄するなど、官民一体で通信拠点機能の強化に取り組んでいます。

「のとピッと」で外出促進と安否確認
石川県とNTTドコモビジネスは、2026年2月中旬から能登6市町を対象に、新たなサービス「のとピッと」の実証を開始します。これは、普段の外出を促すことで地域ポイントを付与し、健康増進や孤立防止につなげるとともに、災害時には被災者の活動情報や所在把握に役立てるというもの。外出先でQRコードを読み取ったり、ウォーキングなどの活動に応じてポイントがもらえる仕組みです。
この「のとピッと」の取り組みを支えるため、12月25日からQRコードを設置する「のとピッとスポット」の募集が始まりました。能登の皆さんが集まる場所であれば、官民問わず広く募集しており、費用負担なく設置できるとのことです。


ドローン活用でインフラ管理と災害調査
KDDIと石川県は、2025年11月より、高性能AIドローンを活用した遠隔運航の実証を開始しています。2026年1月以降は、さらに本格的な実証を進める予定です。ドローンの発着地点となるドローンポートは、輪島市・七尾市の既存4カ所に加え、珠洲市内に2カ所が整備され、2025年度中には能登全体で15カ所の設置が計画されています。
ドローンは、平時には河川や海岸、道路などのインフラ管理やパトロールに活用され、災害発生時には被災現場の初動調査に役立てられるとのこと。全国のモデルとなるような取り組みが期待されています。

まとめ
能登地域では、災害からの復旧だけでなく、未来の災害に備えるためのデジタル技術を活用した強靭な地域づくりが進められています。これらの取り組みが、能登の皆さんの安心な暮らしを支え、地域活性化につながっていくことでしょう。



