志摩地中海村で「夜間・冬季」実践型防災訓練!地域と施設が一体となった避難所運営を検証

地域と施設が連携!総勢94名が参加した実践訓練

この訓練には、大崎自治会の住民26名、NEMU RESORT5名、志摩地中海村のスタッフ50名に加え、志摩市 防災危機管理課10名、志摩市消防本部2名、市議会議員2名(うち1名は住民として参加)が参加し、総勢94名という大規模な合同訓練となりました。

訓練の目的は、「協定を結ぶだけではなく、実際に機能する防災体制づくり」です。地域住民と施設スタッフが現場で役割を分担し、発電、炊き出し、避難者ケア、情報共有といった一連の対応を検証しました。

協定はあっても「実践」がなかったこれまでの課題

志摩市と株式会社志摩地中海村は、2020年4月に「大規模災害時における避難所としての使用に関する協定」を締結しています。しかし、これまで地域住民と施設スタッフが合同で訓練を行う機会はありませんでした。

特に大崎地区は、南海トラフ巨大地震発生時に最大震度7が想定され、津波や崖崩れで孤立する可能性や、一次避難所の収容人数の限界、そして高齢化の進行といった複合的な課題を抱えています。また、志摩地中海村も、夜間や深夜帯はスタッフの人数が限られるため、発災時間帯によっては初動対応が難しいという現実がありました。こうした背景から、今回初めて地域住民と施設が合同で「実践型防災訓練」を企画することになったのです。

なぜ「夜間・冬季」を想定したのか

今回の訓練では、あえて「夜の暗さ」と「冬の寒さ」という、災害時に最も厳しい条件を設定しました。夜間は施設スタッフが少ない一方で、住民は帰宅して地域内に人が増える時間帯でもあります。このような状況を踏まえ、「施設任せの防災」ではなく、住民自身が主体的に関わる“住民参加型”の訓練とすることで、地域と施設が一体となった防災体制の構築を目指しました。

実際の災害発生を想定した訓練シナリオ

訓練は、以下のようなシナリオに基づいて行われました。

  • 午後4時に志摩市で震度6強の地震が発生

  • 大崎地区は津波警報および崖崩れにより道路が寸断され孤立

  • 市役所は多方面の対応に追われ、当面の職員派遣は困難

  • 一次避難所である大崎会館が満員となり、住民が志摩地中海村へ自主避難

  • 施設スタッフと地域住民が協力し、発電・炊き出し・避難者ケア拠点を立ち上げる

訓練当日の様子

訓練当日は18時30分から志摩地中海村内のレストラン「アスール」で受付が始まり、訓練概要説明や関係者の挨拶の後、参加者はA班からF班、そして災害対策本部に分かれて、それぞれの役割に応じた実践訓練を開始しました。

災害時における各班の役割と活動内容をまとめた表

夜間、複数の作業員が屋外の制御盤や配管設備の点検・メンテナンスを行っている様子

マスクを着用した人々が厨房のような場所で作業している様子

障がい者就労支援施設らしき場所で、複数の人々が炊き込みご飯のようなものを個別の容器に盛り付けている作業風景

ホワイトボードにスケジュールや資料が貼られ、一人の男性がマーカーで書き込みをしている様子

夜間・冬季訓練で見えてきた現実的な課題

今回の訓練を通じて、以下のような現実的な課題が明らかになりました。

<発電・照明面>

  • 暗闇での機器操作は想像以上に難しく、手元を照らす照明の重要性を再認識しました。

  • 発電機のスターターロープは、力の弱い人にとって負担が大きいことが判明しました。

  • 延長コードの余りが転倒リスクにつながる可能性も指摘されました。

<炊き出し・食事面>

  • 夜間・低温下では湯を沸かすまでに時間がかかりますが、温かい食事が避難者に大きな安心感を与えることを実感しました。

  • 作業スペースの制約により、従事できる人数に制限が生じ、作業に遅れが発生しました。

<テント・更衣・トイレ設営>

  • 暗所での作業には、やはり照明が不可欠であることが分かりました。

  • 更衣に使うテントは、透け防止対策が必要であることが判明しました。

  • 女性用トイレは男性用と分け、多めに設置する必要性も指摘されました。

試食・意見交換を通じた振り返り

全ての訓練を終えた後、参加者はレストラン「アスール」に集まり、おこわと豚汁を試食しました。その後、班ごとに分かれて意見交換会が行われ、現場で感じた課題や改善点が率直に共有されました。

水色の壁の部屋に多くの人々が集まり、マスクを着用している様子

明るい屋内のカフェまたはレストランで、多くの人々がマスクを着用して集まっている様子

参加者アンケート結果から見えた今後の課題

アンケート回答者58名のうち、訓練全体に「満足」と回答した人は94.8%、「夜間、冬期を想定した訓練内容がイメージしやすかった」と回答した人も91.4%に上り、訓練への高い満足度が示されました。

一方で、「自分用の避難バッグを用意している人」は41.4%、「家の耐震化について『分からない』と回答」した人が32.8%に上るなど、防災意識や備えの面では今後の課題も浮き彫りとなりました。

【参加者の声(一部)】

  • 「訓練を通じて、自分にできることを考えるきっかけになった」

  • 「夜間・寒い中での訓練が、実際の災害をリアルに想像させてくれた」

  • 「定期的に続けてほしい」

今後に向けて ― 協定から“実装”へ ―

今回の訓練を通じて、「施設」「地域」「行政」がそれぞれの役割を理解し、顔の見える関係を築くことの重要性が改めて確認されました。大崎自治会と株式会社志摩地中海村は、今後も夜間訓練や季節別訓練を継続し、南海トラフ巨大地震を見据えた実効性のある地域防災モデルの構築を目指していくとのことです。

Village&Hotel志摩地中海村について

志摩地中海村は、三重県の志摩半島の豊かな自然の中に佇むリゾート宿泊施設です。英虞湾の青い海と白い街並みがフォトジェニックで、敷地内の建物一つ一つがホテルの客室となっています。アルハンブラ宮殿をイメージした天然温泉、伊勢志摩の食材を使った新バスク料理を楽しめるレストラン、英虞湾を満喫できるクルージングなど、非日常感たっぷりのリゾート気分を堪能できます。

青い海と豊かな緑に囲まれたリゾート地の空撮

青い空と白い雲の下、白い壁の建物が立ち並ぶ美しい街並み

1993年に別荘村として誕生後、2010年に一般開放型のホテルへリニューアルし、現在では多くのお客様に「大切な人と過ごす特別な場所」として愛されています。2025年にはリニューアル15周年を迎えました。

志摩地中海村の詳しい情報はこちらから

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