NEXT産業創造プログラムでの発表
業界特化研修事業の社内提案プラン
この事業は、市場調査会社が持つ業界データや動向分析の知見と、自治体が持つ地域課題や産業構造への理解を組み合わせることで、地域産業振興を多角的に捉えることを目指しています。

研修では、地域産業を取り巻く環境変化や成長分野の動向を整理し、福知山市の状況に合わせた産業テーマを検討しました。検証では、地域課題との関連性や今後の発展可能性を考慮し、次世代農業分野が題材として取り上げられました。農業分野は、担い手不足や高齢化、環境配慮といった全国的な課題がある一方で、スマート農業や植物工場、バイオ炭といった新たな技術や市場の広がりも見せています。これらの外部環境の変化と地域の現状を合わせて捉えることで、地域に適した産業施策を考える視点が深まる機会となりました。今後は、このような研修事業の検討を様々な自治体で進め、市場データの販売に留まらない新たなビジネスモデルを模索し、自治体の産業振興への支援を継続していく予定です。

PHYSIO GOLF Re:Design – ゴルフで健康寿命を再設計するReSwing事業 –
福岡発の新規事業「PHYSIO GOLF Re:Design」は、代表の廣瀬堅太郎さんと事業開発責任者の真崎健さんが、理学療法士としての医学的知見とバイオメカニクスを融合させ、プロの現場で培った知見を一般ゴルファーに提供する取り組みです。従来の感覚に頼った指導ではなく、物理学に基づき成果を再現できる「Outcome Structure(OS)」を体系化しました。

この事業では、個人の身体特性に合わせて「力を足す」のではなく、「エネルギー伝達の流れを組み替える」ことを重視しています。さらに、技術理解と行動変容を促す「タイムテーブルOS」を導入し、受講者が自ら練習・改善したくなる状態を作り出すことを目指しています。今後は講師育成とAIボットによる支援で属人性を排除し、福岡で確立したモデルを全国に展開していく予定です。ゴルフを「健康インフラ」と捉え、ゴルフ離脱者を減らし、健康寿命を延ばす社会実装に挑戦しています。
株式会社フィジオのウェブサイトはこちら:https://physio-fukuoka.jp/

教育探求ツアーと地域共創オリーブフリアン – B型就労所と大学生が歩んだクラウドファンディング実践 –
焼き菓子「オリーブフリアン」の認知拡大を目指し、広報とテストマーケティングが実施されました。B型就労施設の工賃水準の低さに疑問を感じたことがきっかけとなり、販促・営業に十分なリソースを割きにくいという課題に対し、地域資源であるオリーブ未活用材を活用し、B型就労所と連携して商品を開発しました。学生事業部が市場との接点(発信・販売導線づくり)を担い、価値の整理と届け方を設計。さらに、1個販売ごとに30円を上乗せし、利用者の工賃向上に充てる仕組みを導入し、「買うことが地域と福祉を支える」というメッセージを発信しました。
SNSや対面での反応を取り入れながら訴求軸を磨き、共感の広がりを検証するためクラウドファンディングを実施。味・品質に加え、背景も丁寧に伝えた結果、142人の支援者から総額111万円の支援を得ることができました。

現在、リターンの発送が順次行われており、オリーブフリアン本体は5月頃の発送開始を準備中です。合わせて、一般販売に向けてイベント出店などで認知を広げるとともに、取材や取扱(販路)に関する相談も受け付けています。将来的には「福知山といえばオリーブフリアン」と言われる地域のお土産としての定着を目指しています。

学生記者が届ける、世のため人のための企業 – 学生の取材で紡ぐ、地域企業の魅力 –
一般社団法人NEXTE福知山の学生記者部「StyleNote」は、地域のキーパーソンを学生目線で取材し、40本以上の記事を発信してきました。しかし、学生主体ゆえの組織の持続性や読者層の限定といった課題がありました。これらの課題解決に向け、企業や大学、OBの方々に実証インタビューを実施し、地域企業を学生目線で取材し記事化することの有用性を確認しました。

現在は、北都信用金庫からの連携提案を受け、社会課題解決を軸に持続的な事業活動を行う企業が受ける認証、通称「S認証」を受けた企業の記事・パンフレット作成に向けて動いています。この連携の意義は、第一に金融機関による企業選定を通じて、社会的価値の高い地域企業を継続的に取材できる体制を構築できる点です。これにより、取材先のパイプラインが生まれ、活動の持続性が高まります。第二に、学生という利害関係を持たない立場から企業の魅力や価値観を言語化することで、若者と地域企業をつなぐ新たな接点を創出できる点です。現在、記事品質を安定させるためのモジュール化を進め、大学生100名へのアンケート結果を基に取材項目を設計しています。また、パンフレットと連動した専用ウェブサイトの立ち上げ準備も進行しており、情報発信基盤の整備を進めています。学生記者が伝えるS認証企業の魅力に期待が高まります。

F-StartUpでの発表
NEXTE福知山のこれから – 企業向けインタビュー記事制作サービス –
一般社団法人NEXTE福知山は、会社員3名が立ち上げた法人です。福知山を中心とした北近畿地域で起業家ネットワークを構築し、新たな事業や活動に挑戦する人々を支援することで、地域でワクワクできるつながりを生み出すことを目的に活動しています。また、福知山市や福知山公立大学などの産学公ネットワークにつながる入口の一つとして、地域内外の人材やアイデアが交差する場づくりも目指しています。

本プログラムでは、「収益化」と「ホームページ改修」に取り組みました。収益化の検討では、学生が地域企業を取材し、学生目線で企業の魅力を伝える求人記事を制作するサービスの構想を進めました。企業が気づいていない魅力や働く環境を学生の視点で発信することで、地域企業と若者をつなぐ新たな情報発信の仕組みづくりを目指しています。
事業を模索する中で、京都北都信用金庫からS認証企業への取材機会を得ました。今後は同信用金庫と連携し、S認証企業への取材を中心に、北近畿の企業の魅力を学生目線で発信していく予定です。また、福知山公立大学の卒業生と在学生がつながるコミュニティづくりにも取り組み、地域内の人的ネットワークを強化することで、新たな挑戦が生まれる土壌づくりを進めていきます。

「HARUEL」のブランド事業展開 – “ヒト”と“モノ”にやさしい移動を –
HARUEL(ハルエル)は、「身近な存在の多様な移動ニーズに応える支援ツール」をコンセプトに掲げたブランド事業です。支える人の身体的負担を軽減しつつ、大切な「ヒトやペット、モノ」をやさしく、安心して移動できる支援ツールの開発を通じて、生活や現場をより自由で豊かなものにすることを目指しています。
ブランド誕生のきっかけは、寝たきりの母親の在宅介護で移動介助の限界を感じ、初代モデルを自作したことに始まります。その後、ある看護師との出会いを機に本格的な開発へと進み、特許(第7580560号)も取得しました。

本プログラムを通じて、事業の基盤となるブランディングを構築できたことで、柔軟性・独自性・汎用性を兼ね備えた事業展開の軸が確立しました。製品開発では、プロトタイピングを重ねる中で、近年社会的関心が高まっている高齢ペットの介護問題にも着目するようになりました。さらに、障がいのある子どもを持つ家族や施設関係者の話から、移動の難しさや介助時の身体的負担、安全確保の重要性も明らかになりました。今後は、一人介助に特化した移動介助用具を基点に、寝たきりの方が自由に外出できる社会の実現や高齢ペット介護、防災・運搬・建築など多様な分野への展開を目指します。「支える人」と「支えられる存在」双方を大切にする移動支援ツールの開発を進めるとともに、知財による独自性の確立やサステナブル素材の開発・採用を推進し、日本発のプロダクトを福知山から発信していきます。

地域資源を価値に変え、経済を循環させる – 福知山発・エシカルブランドによる次世代ハイブリッドビジネス –
京都府福知山市発のエシカルブランド「香福(こうふく)ナチュラルGIN」は、和漢素材から香りだけを抽出した透明なノンアルコールGINです。福知山市内で栽培される生姜やレモングラスなどのハーブを原料に、和漢素材から香りだけをやさしく抽出した芳香蒸留水。ノンアルコールドリンクやモクテル、カクテルを作る原液になります。

故郷である夜久野町は50%以上が65歳以上というデータがあるほど高齢化が進んでいます。「ハーブ苗オーナー制度」を導入し、香りに触れながら無理なく続けられる働き方を作っています。すでに試験的な植え付けも始まり、家族や地域とともに、栽培と乾燥の基盤づくりを進めています。耕作放棄地の活用や高齢者による乾燥工程など、地域資源と人材を活かした持続可能な生産体制を構築しています。
クラウドファンディングでは、NEXT産業創造プログラムおよびF-StartUp歴代1位の支援実績を更新しました。支援者の約80%以上が飲用を目的とする個人利用者であり、ハーブ苗オーナーが約20%、さらにスポンサー支援も生まれるなど、BtoCとBtoBが連動する構造が確認されました。オーナー1人に対し4倍以上の需要が存在することがデータとして示され、事業が持続可能に成長していくビジネスモデルであることが実証されました。都市部ではBtoB展開を通じて需要を創出し、地域と都市をつなぐ新しい経済循環モデルを目指します。脱炭素にも配慮した次世代型ローカルブランドとして展開していく予定です。

今後の展望
2025年度のNEXT産業創造プログラム、F-StartUpでは、学生、企業、行政など多様な立場の参加者が集まり、それぞれの視点から地域の可能性を探る取り組みが行われました。事業アイデアの検討にとどまらず、実際のビジネスや社会実装を見据えた具体的な提案が多く生まれ、地域に新たな挑戦の芽が広がっていることが実感されています。今後も福知山公立大学をはじめとする関係機関と連携しながら、新たな産業の創出や起業家人材の育成に取り組んでいくとのことです。

今年度は、この事業の取り組みについて、市内外の様々な場で登壇や発信の機会があり、NEXTふくちやま産業創造事業への関心が着実に広がっていることを実感しているとのことです。今後も本事業を通じて、新しい挑戦が生まれ続けるまちづくりを進め、福知山市を「挑戦であふれるまち」として発展させていくことを目指しています。


