地域経済の厳しい現実と、そこから生まれた変革
坂戸市では、過去5年間で約13%にあたる330もの事業所が姿を消し、地域経済の縮小という厳しい現実に直面していました。この状況に対し、2024年度に本橋聡会長が就任したことを機に、職員が自律的に考え行動する「坂戸式『支援人材再設計モデル』」へと大きく舵を切りました。指示を待つのではなく、自ら課題を発見し、解決策を提案する組織への刷新が、地域経済を支え続けるための最優先事項とされたのです。

坂戸式「支援人材再設計モデル」の3つの柱
この変革は、「自律型職員の育成」「業務のDX化」「地域共創型プロジェクト」という3つの柱で推進されました。

1. 自律型職員の育成
会長と全職員による週15分の対話(コーチング)を継続したことで、職員が自ら課題を発見し、提案する文化が根付きました。その結果、2024年度の職員による新規事業の提案数は、前年度の5件から22件へと大幅に増加(前年比4.4倍)! YouTubeでの情報発信など、能動的な施策が次々と生み出されています。
2. 業務のDX化
生成AIを戦略的に活用し、議事録作成(5時間かかっていた作業が5分に短縮)や補助金要領の分析を自動化。これにより、年間200時間以上もの事務工数を削減することに成功しました。創出された時間は、現場訪問や相談対応に再配分され、会員事業者からの相談に対してその場で回答できる、より質の高い支援体制が確立されました。
3. 地域共創型プロジェクト
一連の変革は、2025年11月の全国準グランプリ受賞という形で実を結びました。受賞後も、行政・金融機関との「事業承継三者協定」締結や、大学・地元企業を巻き込んだ施策が次々と具体化し、伴走支援の幅が広がっています。
坂戸式「支援人材再設計モデル」がもたらした具体的な成果
坂戸市商工会は、これらの取り組みを通じて、多岐にわたる成果を上げています。
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日本政策金融公庫との全国初YouTubeコラボ

日本政策金融公庫との全国初となるYouTubeコラボ動画を公開し、小規模事業者向け融資制度について分かりやすく解説しました。
YouTube動画はこちら -
職員が企画から主導した「ものづくり未来EXPO」

製造業の販路開拓を目的とした「ものづくり未来EXPO2025」を職員主導で初開催し、事業継続の道筋を創出しています。
ものづくり未来EXPO2025の詳細 -
地元の大学生と意見交換を行った「創業塾」

城西大学の学生を「創業塾」に招待し、若者の視点を取り入れた地域活性化の議論を展開しました。
創業塾の詳細 -
能登半島地震への職員派遣

正職員わずか7名という組織ながら、職員の志願により埼玉県内の商工会で唯一、計2名の職員を能登半島地震の被災地へ派遣し、支援活動を行いました。
その他、公式YouTubeチャンネルの運用強化(YouTubeチャンネル)、マル経融資の実績向上(2024年度融資実績23件、前年比約130%)、店舗・住宅等リフォーム補助事業(補助事業の詳細)など、多岐にわたる活動が展開されています。
今後の展望:「おはこプロジェクト」本格始動!

坂戸市商工会は、1,535件の会員事業者が持つ「おはこ(十八番=強み)」を守り、次世代へとつなぐため、この変革に挑戦し続けています。2026年度には、坂戸の歴史に由来する地域ブランド事業「おはこプロジェクト」を本格始動させ、さらなる人の流れと活力を地域に創出することを目指しています。月刊「商工会」2026年3月号には、この取り組みに関するインタビュー記事が掲載されています。
月刊「商工会」
会長からのメッセージ

本橋聡会長は、「就任時に掲げた『全国表彰』の目標を、職員が一丸となり2年目で達成しました。少人数のチームが地域のために何ができるかを考え抜いた結果だと捉えています。大きな予算がなくとも新しい道具を味方につけることで、私たちの活動はもっと地域に貢献できるものへと変わっていきます。任期最終年の2026年度は、これまでの歩みを確かな成果へとつなげ、事業者の皆様の『おはこ(強み)』をさらに磨き上げ、全国へ発信することに挑戦します」とコメントしています。
坂戸市商工会について

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名称:坂戸市商工会(さかどししょうこうかい)
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所在地:〒350-0229 埼玉県坂戸市薬師町31-3
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設立:昭和36年1月10日
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会長:本橋 聡(もとはし さとる)
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会員数:1,535件(2026年2月10日現在)
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活動:商工業者の指導・育成、住みよいまちづくりの推進、ワークライフバランスの推進
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