なぜ「デジタル創作の居場所」が必要なの?
近年、GIGAスクール構想のおかげで、学校でのICT環境はかなり整備されました。子どもたちがコンピューターやスマートフォンに触れる機会は日常的になっていますね。しかし、その利用が「創造的な活用」に十分つながっていないという課題が残されています。
また、社会では多様性を認め合う価値観が広がっている一方で、発達特性や家庭環境など、様々な理由で子どもたちが「ありのままの自分でいられる場所」が不足している現状もあります。文部科学省の調査でも、不登校の児童生徒数は年々増加しており、既存の学校システムだけでは子どもたちの多様性を受け止めきれていないことが指摘されています。
こうした背景から、学校でも家庭でもない「第三の居場所」として、子どもたちが安心して過ごし、自分らしく創造的な活動に取り組める場所が求められていました。
事業の概要と成果
この事業は、一般財団法人日本民間公益活動連携機構が実施する休眠預金活用事業として、READYFORとみんなのコードが共同で実施しました。人口20万人以下の市町村に住む10代(10〜18歳)の子どもたちを対象に、デジタルテクノロジーに触れながら自由に創作活動に取り組める居場所づくりを行う地域団体への助成と伴走支援を行ったんですよ。
2023年には6団体が採択され、助成総額は約2.2億円。事業期間は2023年8月から2026年2月までの約2年7か月にわたりました。
3年間の取り組みを通じて、地域の子どもたちがデジタルテクノロジーに触れ、創作活動に挑戦する機会が広がりました。主な成果は以下の通りです。
-
延べ13,137人の子どもがデジタルテクノロジーに触れる機会を得ました。
-
利用者のうち、9.2%が不登校などの困難な状況にある子どもたちでした。
-
人口4万人以下の地域を含む6つの拠点が新たに誕生しました。
-
子どもたちの91%が「この場所で新しい挑戦をした」と回答しています。

さらに、子どもたちの自己肯定感についても、「自分には、良いところがあると思いますか?」という質問に対し、83%から90%へ向上するなど、ポジティブな変化が確認されました。これらの結果から、地域に根ざしたデジタル創作の居場所が、子どもたちの挑戦意欲や自己肯定感の向上につながる可能性が示されています。
本レポートでは、事業に参加した子どもたちの自己肯定感や将来への思考度などの変化を客観的に可視化し、地方都市における「デジタル創作×居場所」の有効性や、デジタル技術が居場所の機能にどう貢献したかを検証しています。
関係者の声
NPO法人みんなのコード みんなのクリエイティブハブ 発起人 末廣 優太氏は、「人口減少が進む地域で、デジタル・クリエイティブ拠点は持続可能なのだろうか?」という問いから始まったこの事業が、都市部との体験格差を越え、子どもたちの創造性が花開く瞬間を目の当たりにする確かな手応えを得た3年間だったと語っています。同時に、事業継続の難しさという課題にも直面したと述べ、本レポートが現場での試行錯誤や「構造的な課題」も含んだ実践録として、地域で子どもたちが未来に希望を持てる場を作ろうとするリーダーやそれを支える行政・企業の皆様への「実践的な手引き」となることを期待しています。
READYFOR株式会社 基金・DDプラットフォーム部 部長 松本 央剛氏は、READYFORにとっても初の3年にわたる長期伴走であり、みんなのコードと全国の実行団体とともに試行錯誤を重ねた日々だったと振り返っています。想いを確かな成果へつなげるため、チームで伴走や評価に挑戦したこと、そして本レポートが地域課題解決を目指す方々へのヒントや協働のきっかけとなることを願っています。
レポートはこちらからチェック!
本事業の詳細な成果や分析は、以下のレポートで確認できます。
特定非営利活動法人みんなのコードについて
「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに掲げ、全国でテクノロジー教育の普及活動を推進する非営利法人です。政策提言、実証研究、教材開発、研修企画、そして子どもたちの「第三の居場所」づくりなど、幅広い活動を行っています。
会社ページURL:特定非営利活動法人みんなのコード
READYFOR株式会社について
「みんなの想いを集め、社会を良くするお金の流れをつくる」というパーパスのもと、ファンドレイジング・コンサルティング事業、プログラム事業、フィランソロピー事業を運営しています。
会社ページURL:READYFOR株式会社



