ふるさと納税制度見直し、地域事業者の3割以上が「事業ピンチ!」と回答!全国1,911社のホンネ調査

3社に1社が「事業継続が危ないかも…」と回答

制度変更が続いた場合、事業を続けていけるのかという問いに対して、「廃業・倒産の可能性がある(7.6%)」、「事業縮小の可能性がある(27.9%)」と答えた事業者を合わせると、なんと35.5%に達しました。これは、地域経済を支える事業者の3社に1社が、事業の存続に深刻な懸念を抱いていることを示しています。

制度変更が続いた場合、事業継続に影響が生じる可能性はありますか?

雇用にも大きな影響、約3割が「従業員の雇用が危うい」

従業員の雇用についても、29.5%の事業者が「解雇・雇用調整の可能性が高い(11.4%)」または「可能性がある(18.1%)」と回答しています。地域の雇用を維持する上で、制度変更が大きなリスクとなっていることがわかります。

制度変更が実施された場合、従業員の雇用に影響が出る可能性はありますか?

影響を受けるのは「地域の小規模事業者」が中心

今回の調査に回答した事業者のうち、約73%が従業員20名以下の小規模事業者でした。ふるさと納税の返礼品は、こうした地域の中小企業が担っていることが多く、制度変更のしわ寄せが地域の細かな雇用を支える層に強く及ぶ実態が浮き彫りになっています。

御社の従業員数を教えてください。

ふるさと納税の売上が経営にとってどれくらい重要かという質問には、41.2%の事業者が「非常に重要」または「重要」と回答。さらに、34.5%の事業者が年間売上の5%以上をふるさと納税に依存しており、中には50%以上を占める事業者も5.5%存在します。この売上が失われることは、多くの事業者にとって死活問題となりかねません。

現状のふるさと納税の売上は、御社の経営にどれほど重要ですか?

ふるさと納税が年間売上に占める比率を教えてください。

回答事業者の業種も多岐にわたり、農業、畜産・水産業といった一次産業から、食品加工、製造・工芸、小売・卸、観光・サービスまで、地域経済を支える様々なプレイヤーが関わっていることがわかります。

御社の業種を教えてください。

現場からのリアルな声

自由回答からは、制度変更がもたらす具体的な影響や、現場の切実な願いが寄せられました。

  • 小規模な事業者の販路確保
    「ネット販売のノウハウがない地域の高齢者が作る素晴らしい商品が、全国の方に知ってもらえる唯一の窓口になっている」といった声があり、ふるさと納税が地方の小さな事業者にとって貴重な販路となっていることが伺えます。

  • 設備投資と経営計画への影響
    「ふるさと納税による需要を見込んで、数年がかりで冷凍庫の建設や農機具の導入を行った。ルールが頻繁に変わると返済計画が立てられない」といった意見があり、急なルール変更が長期的な経営計画を狂わせるリスクが指摘されています。

  • 地域の雇用と福祉への波及
    「福祉事業所として、マージンの少ないふるさと納税の売上は貴重。障害を持つ利用者の方々の工賃に反映されているため、縮小は死活問題だ」という声や、「受注に合わせて地元のパート採用を増やしてきた。売上が減れば、真っ先に地域の雇用調整を検討せざるを得なくなる」といった、地域住民の生活に直結する懸念も表明されています。

  • 制度のあり方に関する意見
    「毎年のように方針が変わり、現場の事業者は振り回されている。一度決めたら5年、10年は変えないでほしい」という安定的な運用を求める声や、「輸入品を加工しただけのものなど、趣旨に合わない返礼品は厳格に排除すべき。真面目に地場産品を作っている業者が損をしない仕組みを望む」といった、制度の適正化を求める意見も多く聞かれました。

今後のふるさと納税制度の変更予定

2026年度以降、ふるさと納税制度ではいくつかの変更が予定されています。

  • 住民税の特例控除に上限設定:高所得者(給与収入1億円相当以上)に対して、住民税の控除上限を約193万円にする案が検討されています(2027年以降の寄付から適用予定)。

  • 返礼品の基準強化(2026年10月〜):地場産品と認められる条件が厳しくなり、原材料基準や付加価値基準が明確化されます。

  • 仲介サイトのポイント付与の禁止(既に実施済):ポータルサイトによるポイント還元制度は、2025年10月から廃止されています。

  • 返礼品コスト比率の見直し案:返礼品・手数料などの費用割合の上限を、現行の50%から段階的に40%へ引き下げる案も含まれています。

地域経済効果の実態

メディアなどで「寄附額の50%しか地域に残らない」という表現がされることがありますが、実態は大きく異なります。自治体に直接残る財源だけでなく、返礼品は地域事業者が生産・加工し、送料も地域内の雇用や関連産業を通じて経済効果を生んでいます。これらを総合的に見れば、寄附額の8割以上が地域経済に還流していると評価できるでしょう。

ふるさと納税の経費率の構造

今回の調査結果が示す通り、多くの地域事業者がふるさと納税制度の安定的な運用を強く望んでいます。国や自治体は、制度の適正化を進めるにあたり、地域事業者の経営実態や雇用の継続性に十分配慮し、地域産業と雇用を守りながら持続的な制度運営がなされることを期待したいですね。

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