「今日はくまさんとおしゃべり」で離職を防ぐ?AIアバターが障害者就労をサポートする「Buddy Talk」が登場!

開発の背景:防ぎたい「サイレント離職」

障害者雇用において、支援者が気づかないうちに当事者が心を閉ざし、突然離職してしまう「サイレント離職」は深刻な問題です。対人不安や緘黙症を持つ方々は、精神的に追い詰められるとさらに口数が減る傾向にあり、支援者が異変に気づいた時には手遅れというケースも少なくありません。

また、多くの支援現場では、一人の支援者が数十名の当事者を担当しており、全員の細かな感情の変化を毎日把握するのは非常に困難です。既存の支援ツールは不調になってから使うものが多いため、「調子が良い時のわずかな変化」を捉える予防的アプローチが求められていました。

「Buddy Talk」は、このような「見えない不調のサイン」をAIアバターがキャッチし、支援者と就労者の橋渡し役となることを目指しています。

「Buddy Talk」4つのユニークな特徴

1. 「元気なとき」から予兆をキャッチ

このシステムは、元気なうちからアバターとの対話を習慣化することで、ユーザーの「平常時のデータ」を蓄積します。回答までの時間や言葉の選び方など、些細な変化から本人が自覚する前の「違和感」をAIが捉え、支援者にアラートを届けます。

2. 障害特性に合わせた「話しやすい」UI/UX

既存のチャット形式とは異なり、直感的に選べる選択肢、見やすい字幕、やさしい日本語を採用。親しみやすい人型や動物のアバターを選べるため、対人不安を抱える方でも「これなら話せる」と感じられる環境が作られています。

Buddy TalkのUI画面

3. 専門機関との共同開発で安心を追求

就労現場のリアルな知見を持つ株式会社チャレンジドパーソンと共同で、質問シナリオや共感的なレスポンスを開発。デリケートなメンタルケア領域において、安心して対話できる体験を提供します。

4. 課題の深層分析を可能にするレポート機能

対話内容はすぐに構造化されたレポートとして支援者に共有されます。単なる体調の可視化だけでなく、「なぜ気分が優れないのか」「コミュニケーションがうまくいかない要因は何か」など、より詳しい分析を可能にします。これにより、支援者は根拠に基づいた的確なフォローや環境改善を行うための重要な判断材料を得られます。

現場の声:「今日はくまさんと喋る」

導入現場からは、対人コミュニケーションに課題を持つ当事者から「支援者とは話しにくいが、AIアバターとなら本音が言える」という声が聞かれています。「今日はくまさんと喋る」と、自らタブレットを手に取る姿も見られ、これまで可視化されなかった当事者の思いが支援の現場に届き始めているようです。

現場の支援員からは、「支援員も人間なので、体調や気持ちに波がある。利用者さんはその空気を敏感に感じ取り、口を閉ざしてしまうこともある。Buddy Talkは、そうした支援員の関わりを補う存在として、日々の支援を支えてくれている」という声が寄せられています。「アバター相手だからこそ、誰にも言えなかった本音がふとこぼれることもあり、それをきっかけに、すぐに支援につなげることができたケースもあった」とのことです。

今後の展望

株式会社SCIENは、「Buddy Talk」を通じて蓄積される対話データの解析を進め、より精度の高い「メンタル不調の予測モデル」の構築を目指しています。2026年までに国内10カ所の事業所への導入を目指し、就労者が「突然の離職」に追い込まれることなく、自分らしく働き続けられる共生社会の実現に貢献していくとのことです。

代表者コメント

株式会社SCIEN代表取締役の田端そら氏は、「科学の力で、暮らしに彩と縁を届ける」というビジョンを形にする大きな一歩だと述べています。メンタルケア領域の技術だからこそ、安心・安全を最優先し、現場に無理なく溶け込み、当事者の尊厳と自己決定を守る設計を徹底していく方針です。

本プロジェクト統括の小野秀悟氏は、HCI(ヒューマンコンピューターインタラクション)の研究者として「心理的安全性」に注力したと語ります。数十名の障害者との実証実験を繰り返し、画面の向こう側に「信頼」を感じてもらうための対話設計を磨き上げた結果、「今日はくまさんと喋る」という言葉が現場から生まれたことは、システムが心を開ける居場所として受け入れられた証だと自負しています。

株式会社チャレンジドパーソン代表取締役の内海洋平氏は、障害福祉の現場で支援員と利用者のコミュニケーションの難しさが日常的な課題であると指摘します。お互いに遠慮や緊張が重なり、小さな違和感や不安が言葉にならないまま積み重なり、「サイレント離職」につながると実感してきたそうです。内海氏は、「Buddy Talk」が支援員の「眼」となり、「耳」となる存在として、テクノロジーが支援員の余裕を生み、その余裕が利用者の安心を育むことに期待を寄せています。

チャレンジドパーソンの社員たち

株式会社SCIENについて

株式会社SCIENは、「科学の力で人々の暮らしを『彩』り、『縁』を与える」というビジョンのもと、真に社会に必要とされる価値の創出を目指しています。製造業などの現場を中心に、独自の外観検査システムやデジタル化・自動化ソリューションを開発・提供しており、課題を深く理解する“課題ドリブン”のアプローチを重視しています。

株式会社SCIENのロゴ

  • 社名: 株式会社SCIEN

  • 所在地: 東京都文京区本郷6-25-14 宗文館ビル3F

  • 代表者: 田端 そら

  • 設立日: 2024年2月2日

  • 事業内容: AI受託開発、システム運用、コンサルティング

  • URL:

株式会社チャレンジドパーソンについて

株式会社チャレンジドパーソンのロゴ

  • 社名: 株式会社チャレンジドパーソン

  • 所在地: 広島県尾道市栗原東1丁目6-29

  • 代表者: 内海 洋平

  • 事業内容: 障がい者の自立支援・就労支援事業。専門スキルの習得を通じた就労継続支援(A型・B型)の提供、生活基盤を支える共同生活援助、および就労定着までを包括的にサポートするトータル福祉サービスの展開。

  • URL: 株式会社チャレンジドパーソン

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