長期滞在を希望する避難民と社会統合の重要性
停戦協議が続くものの、先の見えない状況の中で、多くのウクライナ避難民が日本での長期滞在を希望していることが、日本財団の調査で明らかになっています。調査によると、44.4%が「できるだけ日本に長く在住したい」、27.1%が「ウクライナの状況が落ち着くまでは、しばらく日本に滞在したい」と回答しました。これからの支援は、短期的なものだけでなく、長期的な視点での社会統合が非常に重要になってきています。
社会統合を進める上で、就労は欠かせない要素です。日本にはウクライナ避難民だけでなく、推定で約10万人もの難民背景を持つ人々が暮らしていると言われています。しかし、彼らが日本社会で能力を最大限に発揮し、安定した生活を送るまでには、言葉の壁や在留資格の制約、支援の不足など、さまざまな課題に直面しています。
難民人材が企業にもたらすイノベーション
一方で、難民背景を持つ人々が日本企業で活躍し、企業に新たな価値をもたらしている事例も増えています。彼らが持つスキルや異文化的な背景を活かし、海外市場への進出をサポートしたり、これまで取り組めなかったAIプロダクトの開発によって社内業務を効率化したりと、多様な形でイノベーションを起こしています。
これまで、NPO法人WELgee、ピープルポート株式会社、公益財団法人パスウェイズ・ジャパンなど、多くの団体が難民人材の就職支援に取り組んできました。しかし、それらの貴重な知見は、主に現場レベルでの共有にとどまっていました。そこで今回、難民人材活躍プラットフォームは、これらの実例を集約し、事例集としてまとめることになりました。
勉強会の内容
今回の勉強会では、事例集の公開に先立ち、メディアの皆さんと以下の内容を共有します。
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ウクライナ情勢と避難民の現状
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日本におけるウクライナ避難民の受け入れ状況
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避難民が直面する課題と就労ニーズ
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難民人材活躍プラットフォームの活動概要と事例集の発刊趣旨
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各団体の取り組みと、企業と難民人材のWIN-WINな活躍事例の紹介
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質疑応答
登壇者紹介
この勉強会には、難民人材の活躍を支援する各分野の専門家が登壇します。(50音順)
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青山 明弘氏(ピープルポート株式会社)

2017年にピープルポート株式会社を創業。「ZERO PC」の販売を通じて、難民雇用と環境負荷ゼロを目指しています。 -
安齋 耀太氏(NPO法人WELgee代表理事)

2025年5月にWELgee代表理事に就任。団体の経営中核を担い、難民支援に取り組んでいます。 -
折居 徳正氏(公益社団法人パスウェイズ・ジャパン代表理事)

2021年7月にパスウェイズ・ジャパンの設立に携わり、代表理事に就任。難民の若者の高等教育と就職支援を行っています。 -
加藤 冬華氏(NPO法人WELgee ディレクター)

2023年よりPR・ファンドレイジングを担当。難民背景のある方々が「難民」ではなく一人の人材として活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
勉強会概要と参加方法
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日時: 2026年2月6日(金) 13:30~15:00
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形式: オンライン開催
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対象: メディア関係者
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参加費: 無料
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申込方法: 以下のリンクよりお申し込みください。
難民人材活躍プラットフォームと関連団体について
難民人材活躍プラットフォームは、公益社団法人経済同友会と新公益連盟が協働する「共助資本主義イニシアチブ」の一環として、NPO法人WELgeeがコーディネートしています。企業が難民人材を採用する際の課題を解消し、難民当事者と企業双方にとってのWIN-WINな関係を日本社会で広げることを目指しています。
公益財団法人パスウェイズ・ジャパンは、難民の背景を持つ若者の国外からの受け入れと高等教育を支援しており、これまでにシリア、アフガニスタン、ウクライナから205人を日本に受け入れ、就職・自立へと導いてきました。
ピープルポート株式会社は「不要になった電子機器で子どもたちと難民の未来をつくる」を理念に、使用済みPCの回収・再生を通じて難民雇用や教育支援を推進。再生PC「ZERO PC」の開発・販売も手がけています。
NPO法人WELgeeは「自らの境遇にかかわらず、ともに未来を築ける社会」の実現を目指し、日本に逃れてきた人々が企業で価値創造できるよう支援しています。多様なステークホルダーと連携し、難民の背景を持つ人との共創が日本社会のスタンダードになることを目指して活動しています。
「難民」の定義について
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の定義では、「人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の成員資格・政治的意見を理由に迫害されるという十分に理由のある恐怖のために国籍国の外におり、かつ、その国の保護を受けられないか、そのような恐怖のためにそれを望まない者」を指します。近年では、紛争、ジェンダー、気候変動などが原因で強制移住せざるを得なくなった人々も難民として保護する動きが国際的に主流になっています。
本リリースでは、難民が生じる背景の多様化・複雑化を踏まえ、従来の定義にとどまらず、命の危険があって現在祖国に戻れない状態にある人々を「難民」と定義しています。これには、認定難民、難民認定申請者、後発的難民(帰国困難な状態にある元留学生など)、避難民なども含まれます。


